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    Cromwell_CGC

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    Cromwell_CGC

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    ボツ集というよりはボツにしたエンディング?

    没ネタ代理人「ちょいと本部に行ってくるよ、少し呼び出されてしまってね。」
    センチュリオン「そ、うなのか…」
    代理人「それに本部の資料室で調べたいこともあるしね、悪いけど2〜3週間ほど戻れなさそうだ。」
    センチュリオンが俯きながら訪ねてくる。
    センチュリオン「わ、私が一緒に同伴…してはダメか」
    可愛い、可愛すぎる、しかし、だからこそ。
    代理人「ごめんな、今回は一緒には行けないんだ。」
    センチュリオン「そ、そうなのか…」
    代理人「また今度、一緒に別の所へ旅行しような。」
    センチュリオン「ああ、代理人、期待している。」
    (今度、二人でどこか旅行に行かなきゃな。)
    彼女の頭を撫で、本部へ向かう車へ乗り込む。
    運転手「良いんですか?彼女さん、置いて行って。」
    運転手が冷やかすように言ってくるが気にする事は無い。この運転手とも長い付き合いだ。
    代理人「いいから、灰燼教会に向かってくれ。」
    運転手「分かりました。」
    代理人「それに今回の用事に、彼女を巻き込む訳には行かないからな…」
    運転手「何かおっしゃいました?」
    代理人「いや、なんでも。」

    センチュリオン「はぁ…代理人…」
    ただ数週間会えないだけでここまで寂しくなる。以前ならここまで胸が苦しくなる事なんてなかった。
    センチュリオン「…私は…一体どうなってしまったのか…」
    マチルダ「貴女、丸くなったわね。」
    センチュリオン「なっ、わ、私が太ったとでも…言いたいのか!」
    マチルダ「性格の話よ。」
    センチュリオン「ふぅ…それなら良かった…」
    マチルダ「それよ、それが問題なのよ。」
    センチュリオン「?何処が問題なのか…」
    マチルダ「以前の貴女なら『これでも、体型を維持しているつもりなのだがな、もう少し絞ってみるか。』って言っていたわよ。」
    センチュリオン「なっ、それは私の真似か?」
    バレンタイン「結構似てますよー、代理人さんと出会ってからだいぶ丸くなりましたねー。」
    センチュリオン「んなっ…私は…そんなに変わったか?」
    マチルダ「そりゃもう、来た時と比べたら明確よ」
    自分で気付いていないが表情に出ているのだろうか。

    今日は代理人が戻ってくる、実に三週間ぶりだ。その前からもちょくちょく整備会や学院、灰燼教会に行ったりしていた。
    センチュリオン「しかし…ここ最近代理人はどうしたのだろうな。」
    マチルダ「具体的はどうしたのかしら?」
    センチュリオン「ここ最近、整備会や灰燼教会などに行く機会が増えたんじゃないかなと。」
    マチルダ「確かに貴女の言う通りね。」
    センチュリオン「それに…ここ最近グレーテルと話しているのをよく見るんだ。」
    疑いたくは無いが、疑念が生まれてしまうのを避けることが出来ない。
    マチルダ「…あの代理人さまに限って、そう言うことはないと思うわ。」
    センチュリオン「私だってそう思う、だけど…心配なんだ。」




    代理人「今回の反攻作戦では私も同行する。」
    センチュリオン「な、なに、危険な災獣にか」
    代理人「ああ、以前の調査で災獣の一部種は人類とのコミュニケーションが取れる事が分かった。そして今回、先行したセンチュリオン達が共生種以外の災獣を殲滅し、共生種、ヴァイスブラストを抑え、そこで私が接触する。」
    彼女達の間に騒めきが広がる。だが淡々と話を続ける。
    代理人「そこで、災獣と和平交渉をする。」
    彼女達の騒めきが止み、辺りに静かな空気が流れる。
    マチルダ「代理人さま、一つ質問があるのですがよろしいでしょうか。」
    代理人「ああ、遠慮なく言ってくれ。」
    マチルダ「私が学んだ中では災獣は、個々でエネルギーを求めて動くと学んだのですが、そんな相手に対して和平交渉というのは無謀ではないでしょうか。」
    代理人「私の調べるところによると、災獣達は一つの共通の意識を持っていて、言うなれば君たちにとっての同位体に当たる物で、1体でも会話が出来る災獣にコンタクトを取りさえすれば、和平交渉の場に付けると思うんだ。」
    スピットファイア「本気ですか、代理人さん。」
    代理人「ああ、勿論本気だ。」


    代理人「危険な作戦だというのは重々承知の上で、この作戦は達成する意義があるんだ。」


    代理人「反攻作戦は今から七時間後、明日の04:00にレーダーによると雲が出て奇襲に向いている為、その時を狙う。それまでは各員整備や休憩に努めよ。」
    一同「了解しました。」

    センチュリオン「代理人、少し時間はあるだろうか?」
    代理人「ちょうど良かった、俺も話があるんだ。ちょっと人目に付かないところに行こう。」
    センチュリオン「えぇ…」
    二人で格納庫の物陰になっている所に向き合う形で収まる。
    センチュリオン「代理人…何故、貴方が、危険な…交渉役に…」
    代理人「俺でなくちゃ駄目なんだ、灰塵教会も、整備会も、無関係である俺でなきゃダメなんだ。」
    センチュリオン「だからって‼︎何故貴方が‼︎」
    代理人「センチュリオン、落ち着いてくれ。」
    センチュリオン「落ち着いていられるとでも‼︎、本部への長い出張から帰って来たら急に大規模作戦で会う時間もないのに‼︎、そればかりかその作戦で貴方が交渉役と‼︎」
    代理人「センチュリオン。」
    センチュリオン「なんで…なんで、せっかく貴方と心が通じ合えたかと思ったのに、貴方はそんな役目を、押し付けられても冷静で居られるんだ‼︎それに貴方が行く必要が…んっ…」
    ヒステリックになりかけている彼女の唇を半ばやけになり口で塞ぐ。
    センチュリオン「はむ…んっ、んぷっ…あむっ…」
    急に唇を塞がれた彼女が逃げ場を求めて後ずさろうとするが後ろには柱があり塞がれる。
    センチュリオン「ぷはぁ…っ急になっ、何を‼︎」
    代理人「こうでもしないと、君は落ち着かなそうだったから。俺の話も聞いてくれ。」
    センチュリオン「…それで、代理人の話というのはなんなんだ…?」
    代理人「ああ、結婚しよう。」
    センチュリオン「…は」
    代理人「この反攻作戦が終わったら、全てが片付く訳じゃないけど…物事は確実に良い方向に向かう…その時は、dollsの君じゃなく、本物の君に、指輪を贈ろう。」
    センチュリオン「ほ、本当か」
    代理人「ああ、勿論。婚姻届も出しに行こう、式も小さくても良いから挙げよう。」
    センチュリオン「う、嬉しい……そ、その…本当かぐすっ、本当に、結婚」
    代理人「もちろん、本気さ、結婚しよう」
    センチュリオン「わ、私で…本当に良いのか」
    代理人「当たり前だろ、君しか居ないよ。君以外考えられない、考えたくもない。」
    センチュリオン「うん…うん…」
    代理人「君と…ずっと一緒に居られれば、それ以上高望みはしない。」
    センチュリオン「あ、愛してると…いっ、言ってくれ…」
    代理人「もちろん、好きだ、愛してるよ、センチュリオン。こんな言葉じゃ言い表せないほど、君の事を愛している。君の事を思い出すだけで、心が暖かくなる。愛してる…愛してるよ。」
    センチュリオン「ああ、私も、あ、アナタの事を愛してる、アナタに抱き締められるだけで、こんなに心が、幸せな気持ちになる。dollsであるはずなのに…心が温かく、感じる。コレが生身になった時の、幸せな気持ちが、想像できないくらいに…」
    センチュリオンを抱き寄せ、耳元で囁く。
    代理人「だからこそ、二人で乗り切ろう。」
    センチュリオン「…もう一回、キスをしてくれないか…」
    代理人「喜んで。」
    そして人目を気にせずもう一度、キスをした。



    天候は晴れず視界が悪い。しかし奇襲を仕掛けるならば最高とは言えないが最良の天気だ。装甲車に備え付けられた古い無線機を彼女らのバンドに合わせ交信をする。
    代理人「こちら代理人、感度良好。送れ。」
    センチュリオン「こちらセンチュリオン。感度良好。送れ。」
    代理人「じゃあよろしく頼んだぞ、後方から観測して少しでも援護しよう。」
    センチュリオン「なるべく無理はしないでくれ。貴方が災獣にやられてしまっては元も子もない。」
    代理人「分かってる、なるべく無理はしないさ。ただ少し君たちの援護をしようとね。」
    センチュリオン「アナタの事だから何か企んで居ると思うんだが…」
    代理人「俺の小手先で倒せる様な相手ではないからな…災獣の事は君達に一任するよ。」
    センチュリオン「分かった。だが…くれぐれも無理は本当にしないでくれ。」
    代理人「分かったよ。交信終わり。」
    彼女には少し悲しい思いをさせてしまうかもしれない、がそんな事言っても仕方ない。
    代理人「センチュリオン、ごめんな。」

    センチュリオン「装甲、パージ!セイバー・ファンクション!行けっ!」
    災獣がarmsの干渉兵器により唸り声を上げながら倒れていく。
    センチュリオン「状況確認‼︎」
    マチルダ「小破3、中破1、それ以外は無事よ。」
    センチュリオン「想定していた損害よりは軽く済んだな…」
    マチルダ「ええ…でもこれは前哨戦。」
    センチュリオン「気を引き締めて行くぞ‼︎」
    代理人「こっちから確認できる災獣は思ったより防衛が厚い、少しキツいかもしれないけど大丈夫か?」
    センチュリオン「ああ、もちろん。」


    ヴァイスブラウト「ナニガモクテキダジンルイ。」
    代理人「俺は災獣、いや君達と和平交渉をしに来た。」
    ヴァイスブラウト「ワカッタ、条件ハアルガ我々モ和平交渉ノ場ニツコウ。」
    代理人「こちらからの条件は次の二つ。一つ災獣と人類による交戦の停止。」
    ヴァイスブラウト「我々ノ条件ノヒトツトオナジダナ。我々トシテモコレイジヨウノヒガイハサケタイ。」
    代理人「もう一つは人類の生存圏の小規模な拡大。現状の生存圏では人が過密過ぎる。ただし決して君達の住処を荒らす様な事はしない。」
    ヴァイスブラウト「少シマテ、ソコニ条件ヲツケサセロ。」
    代理人と災獣が話し合っている、少し前なら想像も付かない光景だ。が、ここまで代理人の手腕にこの場まで持ってくる事が出来た。
    代理人「言ってくれ。」
    ヴァイスブラウト「ジンルイニヨル過度ナ資源採取ヲヤメサセロ。」
    代理人「分かった、資源採取量は後々量を君達と話し合って決めていこう。以上が人類側からの停戦条件だ。」
    ヴァイスブラウト「ツギハコチラカラ、ヒトツハサキニイッタガ人類ト、我々ノコウセンテイシ。」
    代理人「ああ。コレで和平協定は締結で良いか?」
    ヴァイスブラウト「アア、コレデ平和ガ訪レルナ。」

    ヴァイスブラウト「タダ、オ前ハ許スワケニハイワカナイ。」
    代理人「俺か、俺がどうすれば良いんだ。」
    ヴァイスブラウト「オ前モ、同ジ苦シミヲ味ワウガイイ‼︎」
    代理人の身体を大きな手で掴み上げ、力を込めようとする。
    センチュリオン「な、何をするんだ‼︎辞めろ‼︎」
    代理人「くっ…君たちは…絶対に攻撃するな‼︎」
    センチュリオン「しかし代理人‼︎貴方は‼︎」
    代理人「なに、俺の犠牲で平和になるんなら。これくらい‼︎」
    決して代理人も怖くない、事はなく声が震えていた。
    ヴァイスブラウトの手によって代理人の身体が押し潰されていく。
    ヴァイスブラウト「死ネ‼︎死ネ‼︎」
    握りつぶされる寸前、手の隙間から代理人がこちらを向き、 『あいしてる』 そう言ったように見えた。
    ゴシャァと言う音と共にヴァイスブラウトの手が完全に握りつぶされた。辺りにはヴァイスブラウトの笑い声が聞こえるだけであった。
    センチュリオン「……全隊…帰投する…」
    マチルダ「貴方ねぇ‼︎代理人さまがやられたのに‼︎なんでそんな冷静で居られるの‼︎」
    他のdolls達も言わずもがなそう言う目をしてセンチュリオンの事を見ている。
    センチュリオン「…私だって…今すぐ…復讐したいさ…」
    今すぐにでも、目の前にいる仇を討ち取りたい、そんな事をしても何にもならない、だからこそ。
    センチュリオン「…代理人が残してくれた…このチャンスを無駄にする訳には行かないんだ…」

    全ては上手く行った、ただ一人の犠牲を除けば。
    その犠牲は大き過ぎた。
    執務室の前に立つが入る勇気が出ない。入ってしまったら、代理人、愛する人が居ないのが…心の中で確定してしまう様で…
    センチュリオン「…代理人…失礼する。」
    こんなにも胸が空いた感覚は無い。今は無き人の事を呼んでしまうのもまた、心苦しい。
    ???「お帰り、センチュリオン。」
    センチュリオン「ああ、…代理人。え代理人」
    そこには先程死んだはずの愛する人が居た。
    代理人「よく頑張った…ありがとう。俺の代わりにみんなを抑えてくれたんだろ」
    代理人が机から離れこちらに向き合ってくる。
    センチュリオン「どうして…どうして貴方が生きているんだ。」
    代理人「言っただろ、君と生きてこの戦争を終わらせるって。その為にはどんな手段だろうが惜しまない。」
    手をしっかりと握られる、手から伝わる体温が愛する人がそこにいる事を証明してくれる。
    センチュリオン「もう…アナタと言う人は…もう…」
    代理人「君を傷付けてしまうかも知れないけど…俺じゃコレ以外思いつかなかった、許してくれなんては言わない。」
    センチュリオン「許すも何も、アナタが生きていた事の方が遥かに嬉しいんだ。」
    代理人「本当にごめん…こんな方法しか思い浮かばなかったんだ…」
    センチュリオン「

    センチュリオン「怒る訳ないだろう。しかし…どうして生きていられたんだ…それだけが不思議でならない。」
    代理人「…実はな、アレは俺の同位体なんだ。」
    センチュリオン「へ、…え、でも男性のdollsの適正者ってごく稀と聞くが。」
    代理人「そりゃそうだろうな、だって俺が初だもん。」
    センチュリオン「…もう…貴方は…そう言うことを隠していたなんて…」
    代理人「…それは悪かったと思っているよ…」
    センチュリオン「…もう…勝手に行かないでくれ…」
    代理人「ああ…悪かった…」
    代理人に抱き寄せられる。身体が包み込まれ、温かい。その温かさが今はただただ嬉しい。
    センチュリオン「アナタ、愛してる。」
    代理人「俺も、愛してる。」
    その場では時計が時を刻むだけで…
    グレーテル「うぉっほん。」
    は無かった。
    グレーテル「あの、お二人さん。」
    代理人「わ、悪かった。」
    グレーテル「貴方達がイチャつくのは良いけど、戦果報告は怠らないでもらえる?」
    センチュリオン「…戦果報告はコレだ…」
    グレーテル「ありがと。しかし、せっかく災獣との戦いを終わらせた功労者を労いに来たって言うのに。」
    代理人「ちなみに…どこら辺から聞いていたのか?」
    グレーテル「"アレは俺の同位体なんだ"くらいらしら。」
    大半を聞かれていたと思うと顔から火が出るほど恥ずかしくなる。同じく代理人も顔を真っ赤に染めていた。
    グレーテル「お盛んなのは良いけどあんまり人の居ないところでやりなさいよ。それじゃあ。」
    センチュリオン「代理人…その、例の、件なんだが。」
    彼女が髪をしきりに弄っている。
    代理人「ああ、分かってる。」
    一旦彼女から離れ、真っ直ぐに向き合う。
    代理人「センチュリオン、俺と結婚してくれ。そして、幸せになろう。」
    センチュリオン「ああ、喜んで。」
    代理人「もう…こんな時に泣くなよ…」
    彼女は笑い泣きのような顔をしている。
    センチュリオン「…おかしいな、嬉しいのに涙が溢れてくる。」
    代理人「もう、俺も泣きなくなってきたじゃ無いか。」
    代理人「
    その時の彼女の笑顔はこの世のどんな物より美しく、俺は一生忘れる事が出来ないだろう。
    センチュリオン「お帰り…代理人」
    代理人「ただいま。」
    もう一度、存在を確かめる様に熱い抱擁を交わした。
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