センチュリオンと代理人代理人の遣いで整備会本部に諸書類を届けてきた帰り
「その調子じゃ貴方、まだ代理人様に告白してないのね?」
廊下に立っていたマチルダが唐突に話しかけてくる、内容はいつもの小言だ、内容は大抵決まって告白しろという物
「いやだって…代理人は人間で…私はdollsなんだ、彼が良くても周りがなんというか…」
「ブスね」
マチルダから飛び出た言葉はセンチュリオンの予想を飛び越す物だった。
「ぶ、ブス?いくらなんでも…」
「ええ、もうそれは相当の、だって貴方言い訳し続けてるんですもの。言い訳してる貴方は相当のブスよ。代理人様だって貴方の好意にはとっくの昔に気付いてるわよ」
「だ、だけど代理人が私の事を良く思ってるとは…それに戦争が終わってからでも遅くはないだろうし…」
「一ついい事を教えて上げるわ、貴方、今届けてきた報告書には目を通したかしら?」
「ああ、代理人から受け取る時に一通り」
普段の報告書も間違いがないか一度副官であるセンチュリオンがチェックをする事になっている、今回もチェックとして目を通してある
「そこの人間の死亡数は見たかしら。」
損害を記載する項目にはdollsと戦死した人間の数を記載する欄がある、センチュリオンは数で見てしまうのを良くは思っておらず目を背けがちであった
「か、軽くは…」
「いい?そこに記載されてる数の人間と代理人様は同じでいつ死ぬか分からない、私達dollsとは根本的に違うのよ、なのに貴方ときたら言い訳ばかりで」
確かに人間である代理人とdollsである自分が一緒に居られる時間は違う、だからこそ1分1秒を無駄にしては居られない、そんな事に気づけなかった自分に嫌気が差す
「マチルダ…私」
「早く行ってらっしゃい、代理人に貴方の気持ちを伝えて」
「ありがとう、行ってくる」
(代理人と、もっと幸せな時間を一緒に過ごしたいから!)
代理人の所まで、dollsの脚力といえど数分はかかる、その少ない時間ですら惜しい程に
「代理人が大好き‼︎」
廊下ですれ違う人にも明らかに聞こえる声で普段なら恥ずかしい、だけど今は今だけは自分に正直に。
ようやく代理人の居る執務室に辿り着いた
「センチュリオン、どうした息を荒げて?」
「代理人、少し話がしたい」
「いいよ、ここじゃなんだろうから場所でも移そうか?」
「気持ちはありがたいがここでいい」
気遣ってくれるが今は1分1秒でも惜しい
「それで、私は代理人と過ごしてきて色々過ごして気づいたんだ、貴方と楽しいことも悲しい事も共有したい‼︎だから、代理人‼︎貴方の事が好きこの世界にいるdollsや人間の中で一番好き‼︎どうしようもないくらいに好きなんだ‼︎だから私とお付き合いしてください‼︎」
一世一代を掛けた大告白、代理人はキョトンとしている
(やってしまった…代理人に呆れらて…)
「勿論、私もセンチュリオンが好き、だからこちらこそよろしくお願いします‼︎」
「ほ、本当⁉︎嘘じゃ…」
代理人に優しく抱き寄せられ、言葉に詰まる
「センチュリオン、大好きだ」
「マチルダ、今物凄い速度でセンチュリオンが駆けていったニャ、アタシより早いんじゃないかニャ?何か知ってニャいか?」
「走らない様にとだけ忠告しておけば良かったわ…」
(紅茶が甘い…あの二人上手くやってるわね)