七夕アフター 星と星が惹かれ合い、まばゆい出会いを果たす、この日。
――出会いを果たした星と星は、数多の願いを叶えんとす。
ハスマリー公国、小さな町の片隅にある孤児院。
「いやあ、大好評だな、アーロン! ほら、またタンザクが増えてる」
嬉しそうに破顔したルークの前には「ササ」と呼ばれる植物が水瓶の中からにょっきりと伸びている。自分の背と同じくらいの高さまで、ひょろ長く真っ直ぐでやすりをかけたわけでもないのにやたらと真っ直ぐ滑らかな幹がそびえているのは、なんだか変な感じだ。
ハスマリーにはない植物は、ミカグラ島から輸入されてきたものだという。
ササは、友好の証としてエンターテインメント会社「ACE」から贈られてきたものだ。その受け渡しをもって、アラナが運営する孤児院のある小さな町と、世界有数の歓楽街のひとつと言われているブロッサムは、友好都市として縁を結んだと対外的に知らしめられた。
1459