ポメガバースのコナアイ「あ、アイザックさん、いいところに」
「え?」
街の子どもたちへ勉強を教えて屋敷へ帰ってくると、セバスに呼び止められた。
「どうしたの?」
「実は頼みたいことがあるのですが、アイザックさんにしか頼めなくて」
「?」
セバスから頼まれたことを頭の中で反芻しながら、自分の部屋へと向かう。
『しばらくでいいのでポメラニアンをお世話してもらいたいのです。手が空いたら私が引き受けますので、その間だけ、お願いします!』
いつも屋敷のことを担ってくれているセバスの頼みだし、特に難しいことでもないみたいだしと一も二もなく引き受けた。
『ありがとうございます! アイザックさんなら引き受けてくださるだろうと思って、既にお部屋の中にいるんです。撫でられるのが好きみたいなので、是非たくさん撫でてあげてください』
そう言われた俺はそのポメラニアンと対面すべく、自室の扉を開けた。
「わんっ」
パタパタとふわふわのしっぽを揺らしながら部屋を歩き回っていたのは、不思議な毛並みのポメラニアンだった。
「ポメラニアンってこんな色だったっけ…」
黒に近い青色の毛並みにガラス玉みたいに輝いている瞳。
考え込む俺の足にポメラニアンはすりすりと寄ってくる。
「すごく人懐っこいね」
抱き上げると嬉しそうに