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    oniku_daisuki_m

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    フォ学のネカ♀。
    ふわ~っとR15くらい?なのか?
    続き、書いて❣️

    「ごめん」

    そっとカインが箸を置く。いつもだったらぺろっと平らげてくれる料理が、まだ半分くらい残ってるにも関わらず。
    え、なに。なんだ。美味しくなかった?嫌いな食材でも入ってた?それとも俺がなんかした?
    もしかして、別れ話…!?
    最悪の展開を脳内が駆け巡る。なにがカインの気に触ってしまったのかもわからなくて、身体が硬直してしまった。
    無慈悲にもカインの口がゆっくりと動き出す。待って、言わないで、聞きたくない、ストッ────

    「生理、来ちゃって…」

    心底申し訳なさそうにカインが呟いた。
    せいり。生理。

    「あ、そっち…」
    「そっち?」
    「ううん、なんでもない。え、てか大丈夫?」

    最悪の展開では無かったことに安堵して、身体から一気に力が抜けていく。すぐにカインの体調を気にする言葉が出たの偉いぞ。心の中で自分の対応力を褒めた。
    言われていつもより大人しい気がするし、肌もちょっと青白い。食欲が控えめなことにも合点がいく。

    「折角ネロが作ってくれたのに、全部食べれないなんて…」
    「いいって、気にしなくて」
    「絶対に明日食べるからな、捨てちゃだめだからな!」

    別にまた作るのに。可愛いなぁとにやけてしまう。
    理由はわかったが、女性特有の体調不良の原因の対処方法はパッと思いつかない。ガッツリ料理より、こういう時はホットミルクとかのが良いんだろうか?そもそもこの状況は身体に良いんだろうか、悪いんだろうか。

    「横んなる?ベッド行こっか?」
    「いや、痛みがキツいタイプじゃ無いんだ。まだネロと一緒にいたいし…ここで大丈夫」
    「そう?」

    立ち上がろうとすると、くいくいと服の裾を引っ張られた。分からないのでカインの言葉を信じるしかない。カインの横へと座り直す。腰とか背中とか撫でたりすんのが良いのかな?逆効果?どうしようかと考えてると、ぽすんとカインの頭が肩に乗っかる。ふわりとシャンプーの香りがした。

    「ほんと、ごめん」
    「いいよ、そんな謝んなくて。また作るし」
    「そうじゃなくて」

    カインには珍しく、相当しょげている。ご飯以外のことで、そんな謝ることがあるだろうか。

    「今日…出来ないだろ?」
    「え」
    「久しぶりの、お泊まりだったのに…」

    出来ない。お泊まり。
    じっとこちらを上目遣いで見つめる潤んだ瞳。意図、把握。
    ………待って?えっ!?俺、そんな風に思われてんの…!?
    セックス出来ないだけで拗ねるようなヤリ捨て男だと思われてる可能性!!?待って待って待って本当にそれだけは誤解ですカインさん!!

    「カインの体調の方がめちゃくちゃ大事だから!!そんなんで嫌いになったりしねーからな!?めっちゃゆっくりしてって!?」
    「っあ、う、うん」

    俺の剣幕に押されて、カインがちょっとだけ怯んだ。いや、でもこれは流石に弁解させてもらわないと困る。マジで。生理だってわかった瞬間に家から追い返すクソ男だと思われてる方がダメージがでかい。

    「えと、わたしは、シたかったから」
    「うん…うん?」
    「今日結構楽しみにしてて…ネロと、イチャイチャしたかったな~って…」

    少し頬を赤く染めながら、カインがつぶやく。俺の腕に、カインの腕が絡まる。重なった指先が、きゅうっと握りしめられる。

    「な」
    「な?」
    「なにそれ……反則……」

    俺はどうするのが正解なんだ。
    今日のお泊まりが楽しみでしたって言われて、でもその願いは体調を考えれば完全アウトで、なのに俺はテンションが上がっちゃって。頭を抱えるしかない。破壊力がえぐい。
    いや、冷静になれ。カインは今ちょっと体調が普段通りじゃないから甘えたモードが加速してるだけで、俺が優しく対処しなくてどうする。可愛いけどここは我慢。当たり前だろ。しっかりしろ俺。
    俺が悶々としている横で、カインがピンッと人差し指を立てた。

    「あ、いい事思いついた」
    「え、なに?」
    「ネロは座ってるだけでいい。私がする。」

    あ、とカインが口を開けた。口。口!?

    「よ」

    良くない!!
    と叫ぶ前に、カインがするりとソファから降りて俺の足元へ。両膝の上に、ちょこんと可愛らしく手が乗っかった。

    「ほら、はやく」
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    はんどる

    DONEぽいぴくお試しかつ短めのネロカイ小説
    子ども扱いしてるんだったら付き合えないよね。みたいな発想からできたお話
    ネロカイが付き合うだけ
    若さは利用して然るべきカインは少し複雑な気持ちで魔法舎の廊下を歩いていた。
    最近、年上の魔法使いたちに子ども扱いされることが増えた。確かに、数百年もしくは千年、二千年と生きている魔法使いたちに比べればカインは若いかもしれないが、それでも酒も飲めるし結婚だってできる。そう言うとさらにほほえましい目で見られたり、からかいが加速したりするのでもう最近は黙るしかなかった。魔法舎の廊下を歩いて、キッチンまでたどり着くとカインは目当ての人物に声をかけた。
    「なあ、ネロ…コーヒーを淹れてくれないか?」
    「ああ、騎士さん。ってまたその様子だと、誰かにからかわれでもしたか?」
    カインの少し元気のない様子にすぐに気づいて、ネロは少し困ったように笑う。ほかの長生きの魔法使いと違って、ネロはカインをからかわずにいてくれる。ネロにとっても、きっとカインはまだまだ若いと思うはずなのにこの優しい魔法使いはそれを表に出さないでいてくれた。たまーに年上の魔法使いの余裕を出して来たり、ブラッドリーに乗っかりはするがそれでもカインが嫌になる前にやめてくれるので、最近はからかわれてうんざりするとカインはネロのところに来ていた。
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