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    shiraseee

    @shiraseee_0108_

    気ままに更新しています。
    サイレント更新&修正は常習。
    凪茨ばかりですが、たまに他CPなども。

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    shiraseee

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    何か始まっているようで始まっていない凪茨
    妄想の吐き出しなのでいつ軸の話なのかも不明…

    ##凪茨

    ────────

    その日はとても優しく撫でられた。
    何の連絡も無しに来るなんて珍しかったけれど、顔を見るにまた何かストレスでも溜まっていたのだろう。言わずもがな、好きに触れさせてあげようと頭を預けた。
    しかし添えられた茨の手は髪を結うために細やかに動くわけではなく、頭頂部から毛先にかけて何度も何度もゆっくりと撫でるだけ。時折手櫛で梳いて指通りを良くし、また撫でる。
    心地良くて暫くされるままにしていたが、こんなことをされたのは初めてだ、どうしたのかと尋ねようと少し後ろを振り返る。と、私は目を丸くした。
    茨の表情は私のもとへ来た時に見た険しいものではなく、撫でる手と同じくらいに穏やかなものだったから。
    目を細め、ふと口元を綻ばせて。
    ゆっくり、ゆっくり。丁寧に、私の髪を梳く。
    まさか、あの茨の、そんな顔が見れるなんて。
    (……微笑むことができたんだ)
    他の人に言えば失礼に当たるのだろうけど、茨にはこう思わざるを得なかった。普段の様子とあまりに違いすぎるものだから。
    それから、つい見つめていたのはどれくらいの時間だったか。私の視線に気付いた茨が慌てて離れる。

    「───し、失礼致しました!すみません、自分はこれで!」

    ばつが悪そうな顔をして、軽く敬礼をして去っていってしまった。見つめていたことで、何か勘違いさせてしまったのだろうか。
    だとしたら、悪いことをしたかな…あれほど落ち着いた雰囲気の茨が珍しかっただけで、咎めるつもりは一切無いのだけど。
    先程まで茨が触れてくれていた髪を一束持ち、見遣る。

    「……自分で触っても、何がいいのか分からないな…」

    ぽつりと呟く。
    たまにある行動の理由は聞いていても上手く理解はしていない。でも、私の髪を結うことで気分が落ち着くというのなら好きにしてくれて構わない。
    悪巧みする顔だろうがなんだろうが、茨が笑っているとかわいいなと思うから、そうあってくれるために必要なことならと許している。

    「……今度、私も触らせてもらおう」

    茨が私にするように、私も茨にしてみたら何か分かるかもしれない。
    ふとした時に私の目を惹く暗紅の髪を撫でて、梳いて、指に絡めてみたら。私はどう思うのだろう。
    茨はどんな顔をするのだろう。笑ってくれるのかな。拒まれたら、少し悲しいな。


    ─────────
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    shiraseee

    DONE凪砂くんが眠る茨を見つめて、かわいいなぁ、好きだなぁ、と思うおはなし。同棲している凪茨。
    茨は眠ってるだけになってしまいました。

    新年書き始めとなりました。とんでもなくふわふわとした内容ですけども…こういう凪茨が好きなので、今年もこんな感じのを書いていきます。
    暇つぶしにでもなりますと幸いです。
    拙作ばかりですが、たくさん書いていきたい!どうぞ今年もよろしくお願いします。
    しあわせの風景────────

    薄ら開いては閉じを繰り返す瞼に、注ぐあたたかな陽射し。まだ少し重たいけれど、微睡みから目覚めていく意識が次に捉えた柔らかな匂いに幸福感すら覚え、覚醒していく。
    日向より私に近しい匂いは、すぐそこにある。
    すん、と小さく鼻を鳴らして吸いこんだ。再び眠りに誘われてしまいそうになる安堵感と、心地良さ。この匂いにほだされ、自然と求めてしまう。
    随分そばにあったぬくもりも抱き締め漸く開いた私の視界は、見慣れた暗紅色が埋め尽くしている。
    「……茨…」
    「……………」
    「……?」
    ───珍しい。ぴくりとも反応がない。
    普段なら名前を呼べば起き上がるとまではいかずとも、私の声を聞けば、ふと長いまつ毛を持ち上げ茨の美しい青に私を映してくれることが常だった。その時の、茨の世界にまず私が在れるひとときに期待して暫く様子を見ていても、瞼は開くどころか、かたく閉ざされたまま。どうやら茨は、無防備にも私の腕の中で熟睡している。
    2000

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    前→https://poipiku.com/532896/9061911.html
    イカロスの翼 第4話 目の前に聳え立つ大きな門に、夏油はあんぐりと口を開けた。
     重厚な木の門である。その左右には白い漆喰の壁がはるか先まで繋がって、どこまで続くのか見当もつかない。
     唖然としている少年の後ろから、五条はすたすたと歩いてその門へと向かっていく。
     ぎぎ、と軋んだ音を立てて開く、身の丈の倍はあるだろう木製の扉。黒い蝶番は一体いつからこの扉を支えているのか、しかし手入れはしっかりされているらしく、汚れた様子もなく誇らしげにその動きを支えていた。
    「ようこそ、五条の本家へ」
     先に一歩敷地に入り、振り向きながら微笑んで見せる男。この男こそが、この途方もない空間の主であった。
     東京から、新幹線で三時間足らず。京都で下車した夏油を迎えにきたのは、磨き上げられた黒のリムジンだった。その後部座席でにこにこと手を振る見知った顔に、僅かばかり緊張していた夏油は少しだけその緊張が解けるように感じていたのだけれど。
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