15歳になった江澄、初めて親元を離れる寂しさと新しい環境に胸を膨らませ故蘇で机に向かう日々
姉の江厭離が金鱗台に嫁いでから出来た子供ということもあり周りの大人たちから愛され友人にも恵まれ美しく心優しい婚約者もいて慎ましくも幸せな日々を送る。
そんな江澄が気掛かりなのが蘭陵金氏の現宗主金如蘭との関係。
周りの大人たちが自分を蝶よ花よと可愛がってくれる中、金如蘭だけは自分に冷たく当たった。
無理もない。
彼は歳の離れた姉と先代宗主金子軒との子であり、血縁上は自分の甥となる。
突然現れた年下の叔父が煩わしいのだろう。
そう自分を納得させてざらついた寂しい気持ちに蓋をしてきた。
ある日江澄は故蘇藍氏の門弟たちと一緒に夜狩に行く事に。
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