二日酔い「ううん……頭が痛い……」
「二日酔いだろう。全く情けない。お前ももう子供じゃないんだぞ」
叔父上は寝台に仰向けになったままこめかみを押さえて唸る俺を見下ろしてそう冷たく吐き捨てると、濡らした手拭いを俺のおでこに載せて背を向けた。
昨晩、この叔父は少なくとも俺の倍は酒を呷っていたのに不調を訴えるどころか顔色ひとつ変わっていなかった。
まったく、澄ました顔しちゃって。誰のせいだと思ってるんだよ。
俺は叔父上の背中を睨みつけて腹の中でそっと毒づいた。
「なんだ、お前……叔父の酒が飲めないと言うのか?随分と生意気になったものだな」
「はいはい……わかったよ頂きます」
叔父上に酒を勧められてからかれこれ二刻くらいたっているが、叔父上は頬がほんのり桃色に色付いているくらいで殆ど酔っ払っていなかった。
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