甘いキスの愛を降らせる四季は羅刹学園の廊下を歩いていた。休日の誰も居ない廊下は静けさを保ち、何処か寂しげな思いが広がる胸で四季の四人の恋人達を思い浮かべる。並木度馨、朽森紫苑、印南幽、猫咲波久礼は鬼機関の中でも上位に位置する優秀である隊長と副隊長であり、同期である彼等は四季の恋人であった。彼等は四季を猫可愛がりし、特に馨と紫苑はそれが躊躇に出ている。四季は彼等が大好きで、最近会えない彼等に思いを馳せ無意識に唇を触れていた。
そんな中歩いている中で、目の前から誰かが歩いて来るのが見える。その人は四季の大好きな人で恋人の彼で合った。
その恋人は─────
✕月✕✕日
並木度馨の場合
馨は羅刹に届ける書類があると真澄に言われ、馨に書類を運ぶ仕事を任せた真澄は、安易に四季に会ってこいとの事で馨に羅刹に行かせたのだろうと思うと、素直では無い隊長に内心温かい気持ちになる。
書類も渡し廊下を歩き四季を探し校内を歩き回る。他の三人には悪いが此処は馨一人の為に抜け駆けさせて貰おうと、目の前の四季の元まで歩みを進めると、静かに俯き唇に触れていた四季に馨は笑みを深め声を掛けた。
「四季くん」
瞬間輝く満面の笑みを浮かべた四季は、馨に駆け寄り思い切り横に振る尻尾が見えた様な気になりながら、目の前まで走って来た四季に向き合う。
「馨さん!久しぶり!」
「久しぶりだね。相変わらず元気そうで嬉しいよ」
「おう!元気だぜ」
馨が自然と四季の頭を撫でる行為に、幸せそうに笑みを浮かべ安心した様に笑う四季が日々会ったことを話し出す。馨はそれを聞きながら頭を撫で、四季の話を頷き相槌を挟みながら聞いていたが段々と心地良くなって来たのか話が時折止まる四季に、馨は完全に身を委ねる四季に安堵と悪戯をしたくなり耳元に唇を寄せた。
吐息が掛かる様に低く掠れた甘さを含んだ声で問いかける。
「……ねぇ四季くん。キスしない?」
「……え、なんで………」
「…さっき無意識に唇触ってたでしょう?キスしたいんだな〜と思ってね」
「……全部見抜いてるんだな…流石馨さん」
四季が馨を見つめると口を真一文字に閉じ目を瞑るのに、馨は可愛いなと思いながら触れるだけのキスを落とす。堅い唇に何度か啄む様に、優しくキスを降らせ、段々と安堵して来る様子に薄く唇が開いた所で馨は舌をぬるりと入れる。
隠れる舌を誘い出す様に上顎を強く押し、少しずつ様子を伺う様に出て来た舌を即座に絡め取り弱い所を攻めていく。
四季の弱い所を刺激する舌が生き物の様に絡み合い、馨がねっとりと執拗に四季の舌を責めていく。絡み合う舌が水音を立て、ぐじゅりぐじゅと絡み合い四季の蕩けた顔を見て馨は愉しげに、顔を上に向け覆いかぶさる様に唾を送り込み飲む様に促す。こくりと飲み込んだのを見て、舌を話し繋がる舌に水糸が切れる様子を見ると、蕩けた四季の腰に手を回し耳元に声を掛けた。
「これ以上は怒られちゃうからまた今度にしようか……彼奴らを怒らせると面倒臭いからね」
歩き出す馨はゲストルームを目指し、覚束無い足取りの四季を連れたって少しは悪戯をしても良いだろうと思いながら、羅刹の静かな廊下を歩んで行くのだ。
✕月✕✕日
朽森紫苑の場合
紫苑は羅刹から呼出を受け、必要な書類を取りに来いとの声に本来は隊長が行く仕事では無いが、四季の様子を見たい為に最近は桃の目立った動きも無い事で行く事を志願した。
書類の報告の記入も終わり、四季を探すのに校内を歩んでいると目の前から四季が歩いて来て立ち止まり唇に触れている様子が見えた。口角を上げ愉しげに笑んだ紫苑が歩きだす。
四季に気付かれぬ様に背後に周り肩に腕を回すと、驚いた様に四季が紫苑の方を向いた。その姿が可愛くて揶揄たくなる気持ちが止まらない。
「なになに〜紫苑さんが居なくて寂しかったぁ〜?」
「うわ!なに、紫苑さん!?え!!いつ来たの!?!?」
「今四季を見つけたとこだよ。なに〜四季くんは寂しかったのかなぁ?」
「さ、寂しくねぇし!!」
「えー本当かな〜」
四季が吠える様に紫苑に文句を叫ぶ様子を愉しく眺めながら、紫苑は徐々手を出すかと四季の顎を上げる。途端静かになる四季の唇を親指で横に撫で甘さを含んだ瞳で見詰める紫苑に、四季が困惑した様に見詰め返す。
「………なに」
「分かってる癖に」
「……知らないもん」
「可愛いねぇ。しらばっくれるなら紫苑さん意地悪しちゃおうかなー」
親指を柔く押してゆく紫苑に、四季は視線を逸らすが嘘を付けない性格な為に耐えられず言葉にしてしまう。
「………したい」
「……ん?」
「キスしたい!!」
「じゃあしちゃおうかな〜………自分から言えて良い子だね」
茶化す様な態度から、後半は耳元で甘く囁く様に呟くと息を掛け耳裏にキスを一つ落とすと、四季の添えていた親指で唇を割る。素直に舌を出す四季に紫苑が舌を絡めると、激しく責め立てる様に四季の舌を責めていく紫苑に、四季の背筋に甘い快楽が走る。
絡め合う舌が、四季の弱い所を的確に次々と攻めていき、経験が豊富な紫苑に毎回腰砕けになるまでキスをされる四季は悔しく、いつか見返そうと決めていた。
紫苑の唇が四季の唇を塞ぎ、咥内を荒らす様に絡めて行く。歯列を擦り裏顎を押しては撫で、四季を翻弄し絡める舌はねちっこく馨とは違うが何処か似てる性質に、四季は毎回翻弄されていた。
激しく絡み合う舌が四季の咥内を蹂躙し、息が出来なくなり胸元を叩くが紫苑が離れず、漸く離れ息を吸えた時には酸欠一歩手前であった。四季は紫苑の胸を叩き怒ってゆく。その様子が紫苑は可愛く柔らかい笑みを浮かべ見ていた。
「ばかばかばか!!なんですぐ離してくれないんだよ!!」
「えーもう少し四季を堪能したかったからー」
「ばか!反省しろ!ばーか!!」
「はいはい、落ち着きましょうね〜四季ちゃん」
紫苑の余裕に支えられないと立てない四季は、紫苑に抱き上げられ腕に臀を乗せる様に抱き締められると、歩き出す紫苑に急いで首に腕を絡める。
「危ないから捕まってろよ」
「ちょ、まって……」
「待たないこっちは嫌になるほど我慢したんだ。味見するくらい許されるだろう」
「う"ー危ないって!!紫苑さん!!」
四季を無視して歩き出す紫苑は、同期には悪いが最後までしない為に味見するくらいに抱くのは許されるだろうと思い、四季をゲストルームに連れて行く。羅刹に泊まる気でいた紫苑は、廊下を踏み締め楽しむ為の部屋に四季を連れ込むのだ。
✕月✕✕日
猫咲波久礼の場合
猫咲は現在羅刹に非常勤講師の仕事で来ており、その仕事が漸く終わり四季を探し始めた。別の教師に変装し、四季のクラスの予定を盗み見た猫咲は、今日は四季の休養日だと言う事を知っている。
仕事も終わり廊下を歩むと、窓の外を見詰めながら無意識に唇を触る四季を見て笑みを浮かべ、前髪を下ろした儘近寄った。
「四季くん。久しぶり」
「波久礼さん!!」
「元気そうだね良かった」
「波久礼さんは今日何しに来たの?」
「非常勤講師の仕事だよ」
四季が楽しそうに話す様子を聞き、猫咲が何時の間にか猫モードになっているのに気付かない四季を、馬鹿な子程可愛いと言う事を思い出し猫咲は頭を鷲掴む。
「いだだだだ…どうしたの…あれ!何時の間にか前髪パイセンじゃなくなってる!!?」
「口の聞き方には気をつけろよクソガキ。何時までも優しく話聞くわけ無いだろ。無い頭でも少し考えれば分かることだろうが、このスカスカが」
「酷い!けどなんか安心した。波久礼さんはこうでなくちゃ」
「………クソッ、調子狂うな……」
猫咲は四季の唇をそっと撫でると、四季が静かになり目をうろうろと彷徨わせる。猫咲はその様子に機嫌を良くし四季へと言葉を告げる。
「口開けろ」
その言葉に四季が決心した様に口を薄く開けると、噛み付く様に猫咲が唇を合わせる。
食べられそうな程に激しい怒涛に咥内を荒らして行く猫咲に、四季は必死で着いていこうと拙い舌を動かす。だが猫咲の方が何歩も先も上手で、四季の拙い舌を絡め取る様に弱い所を責めていき、水音を立て激しく絡み合う舌は四季の体力も奪ってゆく。
強い快楽から猫咲の服に縋る様に必死に捕まると、足を割り間に入れた足で支える猫咲が悪戯する様に足を動かし、四季の足の合間を刺激して来た。
四季はもう立つことも出来ずに猫咲の胸元を弱々しく掴み、教授される舌を受け入れているだけになる。激しく絡み合う口付けは、猫咲が満足するまで続き、離れた頃には四季は息も絶え絶えだった。
猫咲が口を開けた儘余韻に浸り蕩けて立てない四季を姫抱きにし歩き出す。
「ゲストルーム行くぞ」
それだけ言うと歩き出す猫咲に逆らわない様にと四季は首元に腕を絡めた。
猫咲は最後までしたら煩い奴等を思い浮かべ、猫咲対印南紫苑の戦闘になるのは分が悪い為に、仕方なく味見で済まそうと決めた。
蕩けた四季が余韻に浸り呆然とする様子に、舌舐りをすると音をたて誰も居ない廊下を歩み出した。
✕月✕✕日
印南幽の場合
印南は自身だけが呼ばれた非常勤講師の仕事が終わり、珍しく猫咲が居ない事に疑問を思いつつ稀にはそういう事もあるだろうと、久しぶりに四季を独占出来る事に喜び探していた。
廊下を歩み立ち止まる四季を見つけ、呆然と立ち尽くし無意識に唇に触れる四季を見つけ薄く笑みを浮かべる。
四季の元まで歩くと、あと数歩と言う所で気づいた四季が顔を上げ満面の笑みを浮かべた。
「印南さん!!」
「少年久しぶりだな。元気だったか」
「元気元気。印南さんこそ元気そうだな!」
「私はいつも元気だ、その少年の日々の明るさにグッド…ゲホッ」
「血吐いてんだけど!?」
慣れた様に印南の口元を拭く四季の行為を享受し、拭き終わると楽しそうに四季が日々の出来事を話し出すのを印南は静かに聞きやる。
四季が暫く話し満足したのか口を閉じたのを見て、印南は四季の本心を聞き出した。
「所で少年キスしたいのか?」
「ブッ……え、なんで…俺言ったけ?」
印南が与えた炭酸飲料を飲んでいた四季が勢い良く吹き出し、咳き込むのを落ち着くまで見守ると印南は四季の頬を撫で直球に言葉を投げかけた。
「少年キスしよう」
「え、まって、ちょっ…印南さ…ぁむ…」
印南に唇を塞がれた四季は、血の味がする咥内に舌がゆっくりと優しく絡められる様子に同じく拙く舌を絡め、その四季の舌を味わう様に段々と速くなる舌使いに翻弄される。
印南とのキスは、最初は四季の舌を優しく気遣う様に絡めるが、戦闘狂の性質が出るのか段々と激しく深くなる舌使いに四季はギャップで毎回胸が甘く締め付けられる様な思いを受けていた。
印南が咥内を激しく掻き回す度に、四季の舌を翻弄する様に絡める舌は嵐の様で、歯列を擦り裏顎を強く押し、舌を絡め取る行為はまるで肉食獣に捕食される様な気持ちになり、四季は甘く痺れる腰が砕け立って居られなくなるのを、印南に支えられ立っていた。
絡み合う舌が激しくぐちゅぐちゅと水音をたて絡み合い、印南の逆流してきた血が四季の咥内に入る。飲めと合図する様に四季の咥内を塞ぎ飲むまで離さない印南の癖に、四季は飲み込むとまた離し絡め合う舌は激しく翻弄され咥内に甘い血の味が広がる。最初は鉄の味のその味は、今は甘く感じる四季の特別な飲み物であった。
激しく絡み合う舌が離れ、水糸が引き合う舌に四季が腰から滑り落ちそうになるのを印南が支え歩き出す。
「少年、歩けるか」
「な…なんとか」
「……そうかならベッドに行こう」
印南はゲストルームを目指し止まる予定で取ってあった部屋へと目指す。同期との同盟の約束で絶対に四季を一人で最後まで抱かないと盟約を果たしている為に、最後までは出来ないが四季を食らいつくさなければ少々荒らし味見するのは良いだろうと、呆然と蕩けた表情を浮かべる四季の腰を撫で廊下をゆったりと歩むのだ。
✕月✕✕日
馨 紫苑 猫咲 印南 全員の場合
その日は同期四人の休みが偶然重なり四季に羅刹まで会いに来ていた。二人の休みが重なるなら分かるが、全員の為校長の粋な計らいだろうと、彼等は四季を探す為に廊下を歩んでいる。
廊下の突き当たりの窓辺から外を見詰める四季が無意識に唇を撫でていた。彼等はそんな四季の様子に笑みを深め優しげな大人を装い、甘い瞳を細め近づく。あくまでも子供を驚かせ、警戒されてはいけないのだ。
「四季ィ」
「紫苑さん!馨さんに、印南さんに、波久礼さんも!どうしたの皆休み?」
「偶然休みが重なってね。四季くんに逢いに来たんだ」
「少年息災だったか」
「まだガキンチョだな。まあ元気そうじゃん」
「ガキじゃねぇし!!そくさい?かは分からねぇけど元気だぜ!」
「なら安心した」
四季が駆け寄り楽しく最近会ったことを話すのを彼等は聞き、四季は段々と彼等に四方八方に囲まれている事に気付かない。唯楽しく話していると、馨が突然話しかけて来たのに四季は目を瞬く。
「四季くんキスしようか」
「へ?………」
「誰からするぅ?」
「紫苑は煙草吸ってるから後」
「ひどーい。けど確かにそうだな。なら印南は最後ね」
「ゲホッ、私が最後なのは何時もなので享受しよう」
「じゃあ馨か俺だなァ。ここは公平に行こうぜ」
「……そうだね。公平に行こうか…負けないよ」
馨と猫咲がじゃんけんをし始め、あいこが被り中々決まらない行為に紫苑が後ろから四季を抱き締め、その隣から印南が四季の頭を撫でていたが漸く決まり馨が先になった。
静かにガッツポーズをして喜ぶ馨を四季は初めて見たと思い、何事も無かった様に爽やかな笑みを浮かべる馨が四季の前に来る。その隣に囲む様に構える猫咲は苦虫を噛み潰したよう様な顔をしていた。
「じゃあ四季くん始めようか」
その合図に四季は薄らと唇を開け、ゆっくりと舌を捩じ込む馨が咥内を味わう様に撫でて行く。潜む舌を誘う様に舌先だけを何度か合わせ、四季がそろりと出てきた所を即座に絡め取りねっとりと絡め出す。
味わう様に舌を絡める速さは段々と上がり、激しく絡み合う舌は四季の快楽を高め馨が更に深め様とした所で、紫苑が四季を背後に引き無理矢理離した。
「はい終わり。やりすぎ」
「邪魔するなよ。もう少しやりたかったのに」
「お前はいつも長すぎなんだよ。次は俺だ」
猫咲が四季の唇を噛み付く様に完全に塞ぎ、合わさる唇で食べてしまう様に四季の舌を貪った。
激しく絡み合う舌は、段々と快楽を生み奥まで食べ尽くさんとする舌は咥内を荒らす様に激しく絡み付くし、四季の舌を荒らし尽くす。
内頬を撫で、上顎を押し横に強く撫でると、舌を軽く噛み、また息も漏らさぬ様に合わさる唇で絡める舌は心地良い。隙間から入る息でさえ快楽を生み、鼻で頑張って息をする四季を猫咲は愛しく感じていた。
更に貪ろうとしていた所を印南が四季の肩を掴み離し、猫咲は突然離れた温もりに睨む印南を見て舌打ちをする。
「やりすぎだ」
「………チッ、わぁったよ。離れれば良いんだろ」
そう言う猫咲は四季から離れようとしないが、紫苑が四季の顔を背後から横に向かせ、愉しげに告げた。
「次は俺♡」
紫苑が四季の蕩けている間、後頭部に回る手が鷲掴む様に紫苑と四季の距離を縮め、舌を捩じ込み激しくだがねっとりと確実に弱い所を絡め取る様な舌使いに、四季は快楽に溺れて行った。
絡め合う舌が激しく然しゆったりと四季の舌を貪り、確実に四季の幾つもある弱い所を責め立てる様に絡める舌は、四季の既に砕けた腰に甘い痺れを走り続けさせ、ガクガクと痙攣する腰に紫苑が腕を回す。
絡め合う舌が混じり合い、深く合わさる舌を更に深め様とした所で馨が紫苑から奪う様に四季を離した。
「やりすぎ。四季くん砕けてるでしょ」
「………チッ…お前らがやったんだろ」
「だとしてもこれ以上はダメだ」
「……はぁ…分かったよ」
「分かれば良いんだよ」
紫苑が四季の頬から手を離したのに、印南が四季を自身の方に向かせると、笑みを浮かべ囁く。
「次は私の番だ。少年」
四季の既に蕩けて閉まらない口元に舌を噛み付く様に捩じ込み、激しく咥内を荒らして行く。
今日の印南の気分は激しい気分なのかと、四季は蕩けた頭の片隅で思いながら、必死に舌を絡めるが拙い舌では翻弄されていく。
食らいつくされる様に貪られる舌は激しく絡み、血の味が混じる咥内に四季はもっと欲しいと甘える様に舌を絡める。
その様子が可愛いと思った印南は逆流する血を四季の咥内に入れ、舌に刷り込む様に血を絡めていき、口の中に広がる錆鉄の味に四季は必死に溜まる血を絡め少しづつ飲み込むと、印南が更に深めようとした所で猫咲が四季を勢い良く奪う様に離した。
「お前やりすぎ。もう少し加減しろ」
「加減はしたつもりだが、そう見えるなら謝ろう」
「心にも無いことを言うんじゃねぇよ。お前はいつも加減なんてしねぇだろう」
「違いない」
「開き直んな脳筋が」
蕩けて腰が砕けガクガクと立てない四季を馨と紫苑が支え、言い合う彼等に馨が一石を投じる。
「徐々四季くん抱かないとこのまま一日終わるよ」
「俺達だけでヤれるなら良いんだけどね〜」
「馬鹿ンなことさせっかよ。盟約は守れよ」
「確かに不毛な争いをして終わるのは良くない。少年をベッドに連れて行こう」
「じゃあ決まりだね」
馨が四季を抱き上げ、四人は歩み出すとゲストルームへと向かう。キングサイズのベッドが最近導入されたゲストルームは、毎回ベッドが狭いとクレームを入れ続けた彼等に校長が溜め息を付き導入した、彼等専用の様な部屋であった。
何やかんや鬼機関に甘い校長を利用し、自分達の四季を連れ込む部屋を手に入れた彼等は、そこを目指し歩み出す。四季とどんなプレイをしようか話しながら歩む足取りは軽く、彼等の背中が小さくなるのを木々だけが見ていた。