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    rani_noab

    @rani_noab
    夢と腐混ざってます

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    rani_noab

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    成りアザ6 1/3くらい。
    博士とアザールの会話。癖。癖しか書いてねえな。ハッピーすぎる。
    博士の二人称を調べ切らなかったがどちらにしても「お前」と呼ばれるアザールが好きなのでお前にしました。

    「アザール」
    呼びかけられて億劫ながらも視線をあげると、声から判別した通り、博士が横に立ったところだった。
    このタイミングで現れたとなると、アーカーシャの実験は成功したのだろう。
    先ほど旅人がシティに戻ってくるという話を聞いた。
    「上手く行ったなら報告は必要ない」
    「ああ、そうだろうとも、お前は成功すると確信していたのだから」
    「あなたの持ってきた計画書とこれまでの実験記録を見れば、結果は分かりきっている」
    立ち上がり、エルネはこの場を立ち去ろうと背を向ける。
    「知恵の神に会った」
    重々しく、それでいて笑いを含んだような声がかけられてエルネは博士を振り返る。
    「そうか」
    「意識転移が出来ることを知っていて放置したな?」
    エルネの端的な返事から、博士はさっしたようだった。
    「だからどうした?なんの障害にもならない。それともあなたはあの幼い神が我々を阻むとでも?」
    「いいや。私はただ、君が彼女を心配しているのではないかと思ってね」
    「何を根拠に心配と?」
    博士がアザールの何を刺激しようとしているのか、既に察したアザールの声音が冷たいものになる。
    「きみが記録していた知恵の神の成長……、あれを見れば、お前が彼女にどんな感情を抱いているのかよく分かる。憐憫……、いや、慈しみの方が近い。知恵の神を疎ましく思いながらも、その成長を喜ぶ。いや、もしかすると、お前にとってこのプロジェクトの方が、」
    「博士」
    構わずに続けた博士に、淡々とした声音で遮った。
    「非建設的な会話だ。私を揶揄うことが目的ならば帰ってくれないか。あなたに比べれば私など凡人でね。作業に追われている」
    「ふ、」
    面白そうに笑みを浮かべた博士の表情は、その弧を描く唇しか見えない。
    「知恵の神との交流も、非建設的だとは思わなかったのか?」
    「思わないな。教令院は、スメールのために全ての可能性を模索する必要がある。草神の力を除外するほど、余裕があるわけじゃない」
    「可能性の模索。つまり、知恵の神の育成は、元素力や意識体を強化するために行っていたと?」
    アザールはあからさまに眉根を寄せる。
    「随分と絡んでくるな。答えてもいいが、あなたが私をどう思おうと私にはどうでもいい事だ。既に彼女を神の座から降ろすことは決定している」
    「慈しんだ己の幼い神を見限る。か。教令院の大賢者は畏れを知らないらしい」
    「あまり笑わせないでくれ」
    博士とは真逆に笑み一つ浮かべていない表情でアザールは博士を見やった。
    「神の創造を提案してきたのは、あなただ。畏れなど、そもそもあなたが知らない」
    「お前の理性と感情の制御はどうなっている?アザール」
    切り返すようにして問われた台詞に、アザールは口をつぐむ。ようやく、博士の興味が草神への情による離反の心配ではなく、アザール自身にあると気づいた。
    「多くの人間を使い、さまざまな実験を繰り返してきたが、お前のように情と理性を両立させている人間は珍しい。それもお前のような若さで。お前の核は一体なんだ?アザール」
    生きる原動力を聞かれている。
    「単純な話だ。私の心の平穏だよ」
    「何?」
    思いがけない返答だったのか、博士の声にアザールは続ける。
    「魔鱗病も、死域も面倒な話だ。あなたの神を創るという提案が本当に達成されれば、私は大賢者の抱える面倒な雑務から解放されるだろう。極めて利己的な話だ。これで満足か?博士」
    「ふ、ふふ。はは」
    口元に手をやり笑った博士は、なるほど、と機嫌良さそうに頷いた。
    「実に興味深い話だ。もう少しでここを離れなければならなくなるのが残念だ」
    そうして博士は身を翻す。
    「お前のそのしがらみが無くなった時、また見にくるとしよう」
    そのまま去っていった博士に、アザールは息を吐いた。
    「畏れを知らないあなたと私が、神に敵うはずもない」
    誰にも聞こえない声で呟いて、アザールは椅子に座り直す。眠気が覚めない。ここ数日無理をしているのが祟ってきた。
    「……ティナリにまた怒られそうだな」
    会う機会がもう一度あるかも、分からないけれど。
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