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    rani_noab

    @rani_noab
    夢と腐混ざってます

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    rani_noab

    DONE男主ゼン夢。キャラスト&ボイスからの解釈(ネタバレ)。その人が———ならば、その人生に自分が居なくても構わないゼンの話。25000字くらい。なんでも楽しめる人だけ。
    愛を識る人 教令院の廊下で見覚えのある万年筆を拾った。
     興が乗って装飾を掘り色を塗って、丁寧に磨き滑らないようにニスを塗ったものだ。重さと重心も考えている。プレゼントして喜ばれるので、学生時代に時折作っていたものだ。この模様は誰宛だっただろうか、と考えて、ここしばらく会ったことのない人間のことを思い出した。
     知論派のアルハイゼンだ。
     優秀な成績を残したのに、書記官という地味な職に着いたことは知っていた。すれ違ったことはあっても、お互いに声をかけたことはない。アルハイゼンが周囲との交流を拒絶していることは知っていたし、俺と仲が良いわけでもなかったので、迷惑だろうと思いこちらからは挨拶もしていない。
     あげたのは4年ほどまでだ。まだ持っていたのか、と不思議に思い、それからその万年筆のペン軸が曲がっていることに気づいた。今回落とした衝撃か、その他の理由かはわからない。試しに少し書いてみれば、インクは入っていなかったので、曲がったのは以前なのだろう。ペン先は使い込まれていて彼の力の癖がついているのがわかる。アルハイゼンがこの万年筆を愛用しているのだろうことが分かった。
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    rani_noab

    DOODLEゼン夢。男主名前有。キャラスト&ボイスからの考察設定(ネタバレ含)。大切な相手が幸福であるならば、その人生に自分がいなくても構わないアルハイゼンの話。
    教令院の廊下で見覚えのある万年筆を拾った。
    興が乗って装飾を掘り色を塗って、丁寧に磨き滑らないようにニスを塗ったものだ。重さと重心も考えている。プレゼントして喜ばれるので、学生時代に時折作っていたものだ。この模様は誰宛だっただろうか、と考えて、ここしばらく会ったことのない人間のことを思い出した。
    知論派のアルハイゼンだ。
    優秀な成績を残したのに、書記官という地味な職に着いたことは知っていた。すれ違ったことはあっても、お互いに声をかけたことはない。アルハイゼンが周囲との交流を拒絶していることは知っていたし、俺と仲が良いわけでもなかったので、迷惑だろうと思いこちらからは挨拶もしていない。
    あげたのは4年ほどまでだ。まだ持っていたのか、と不思議に思い、それからその万年筆のペン軸が曲がっていることに気づいた。今回落とした衝撃か、その他の理由かはわからない。試しに少し書いてみれば、インクは入っていなかったので、曲がったのは以前なのだろう。ペン先は使い込まれていて彼の力の癖がついているのがわかる。アルハイゼンがこの万年筆を愛用しているのだろうことが分かった。
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    rani_noab

    PROGRESSゼンの実装前幻覚導入!
    >例え、彼を引き止めるとしても、彼の心情に悪い印象を与えず、その逃げ道を封じるのが自分のやり方だ。
    男主。何でも楽しめる人だけ。
    教令院の大賢者が失脚してから一週間程。
    数日ぶりに自分の執務室に戻ってきたアルハイゼンは、ドアを開こうとして手を止めた。手を引いて視線を正面に戻したところで、ドアが開き、中から男が現れる。
    「ああ、アルハイゼン書記官。戻られたんですね」
    冷静な声音に疲れの色はない。アルハイゼンを見返した顔にも隈も見当たらなかった。その手には大量の書類が抱えられている。
    アーカーシャ端末が使用できなくなり、影響として教令院は恐ろしいことにその潤沢だったはずの用紙の在庫の枯渇が見えてきた。その中で優先される文書が男の腕の中にある。
    「君の都合が良ければ部屋に戻ってくれ。報告が聞きたい」
    「承知しました」
    すぐに部屋の中に戻った男の背を追いかけて、アルハイゼンは書類が積み上がっている机を見やった。書類はいくつかの山に分けられており、それが種類ごとに正確に分けられていることをアルハイゼンは知っている。優先順位の高いものほど上にあるが、この膨大に思える仕分けもこの男にかかればもののついでだ。アルハイゼンの代わりにこの席に座り、自分の権限の範囲内で的確な処理をした結果が、その腕の書類となる。
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