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    Hannah_u0x0u

    好きなものを好きな時に ‖ 20歳⤴⤴⤴ ‖ 猫ちゃんは余生の伴侶 ‖

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    Hannah_u0x0u

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    ドスケベ頑張った!
    銃撃戦したかったけど結局おしゃべりしかしてない刃丹です。

    #刃丹

     地下深くの射撃訓練施設で、数発の発砲音が響いて落ちた。
    「さすが丹恒くん。本当に今日初めて銃を扱ったの?」
     この星の住人が着るスーツにカフカが用意した一般的な拳銃用バックレイクホルスターを腰につけた丹恒は、衝撃が手を通り過ぎるのを待って、息を深く吐いた。黒い鉄の武器を両手から離し、鼓膜を守っていたイヤーマフを僅かにぎこちない仕草で外す。サングラスが場内の光を変質させて彼女との距離感を狂わせた。
    「構造の知識は得ていたし、実戦でも相手が使ってはいた。だが自分では使用したことはない」
     急所を外している箇所もあるが、全弾命中させたターゲットを遠くに見て再度、今度は短く息を吐ききり意識を整えた。
    「才能あるわよ。一式プレゼントしましょうか?」
    「いや……やはり相手を倒した際の手応えが感じにくくて……油断が生まれてしまいそうだ」
    「それこそ慣れ、よ」
     今回の星核ハンターとの共同作戦は、とある星を牛耳る連邦政府が求めるハンター側の研究資料を譲渡する代わりに星核を貰い受けるといういたってシンプルなビジネスだ。そこに護衛として列車組を代表して丹恒が参加し、回収した星核も封印する。
    「他には武器はあるのか?槍はやはり難しいだろうか」
    「そうねぇ。当日の現場では君の術も抑えられてしまうし……どうかしら、刃ちゃん?」
     カフカが呼べば、そこに準備を終えた刃が現れた。先程丹恒が撃った銃よりも遥かに銃身が長いライフルを持っている。
    「狙撃用ライフルよ。だから君が求めるもではないと思うけれど、見学してみる?」
     普段の衣装とは違う、ラフな黒シャツに黒のボトムス、丹恒とは違う腰のベルトから太ももにかけて固定された革製のホルスター姿の刃が射台に立つ。筋肉質な身体を覆いきれない黒シャツから胸元の白い肌が若干見え、丹恒は何故かとっさに目を逸らした。
    「刃ちゃんには今回、後衛に回ってもらうわ」
    「ああ。わかっている」
     カフカの言葉に小さく頷くと、訓練場にブザーが鳴った。ギミックが刃の入ったコーナーだけ可変し、遠距離訓練用に変化した。ターゲットは視界のはるか先だ。
     静かに射台に刃が身を伏せる。肩にライフルを乗せ、筋肉とライフル自身の重みで腕を固定する。
     カフカと丹恒が見つめる中、トリガーがゆっくり男の指にひかれる。
     ギリ……と弓張のような鋭い幻音が丹恒の耳に届いた感覚がした。
     瞬間、弾丸が高い音を立てて発射された。
     一発の銃声の後に、薬莢が金属音を伴って踊り落ちた。
    「お見事」
     モニターに映ったターゲットの眉間を撃ち抜いた銃弾の穴に、カフカが賞賛の口笛を吹いた。動体視力の優れた丹恒の目にも、その軌跡ははっきりと映った。美しい線を描いてターゲットを捉えた、鉄の牙。
     ゾクリと背筋を伝う感覚に、丹恒の指先がひくついた。
    「刃ちゃんも問題ないわね。この後は?」
    「数弾使う。今回は獲物との距離が長い」
    「そうね、よろしく頼むわ。丹恒くんも良さそうに感じるけれど」
     先程までの戸惑いは驚くほど無かった。微笑みさえ浮かべて丹恒は革手袋を片手で締め直す。
    「慣れ、なのだろう? 俺も少し撃たせてくれ」
    「もちろん構わないわ」
     カフカはイヤーマフを取ると、ゆっくり丹恒と刃を順に見た。
    「よく『聞いて』ね。この作戦中は、2人が要よ。喧嘩しないで、仲良くして頂戴」
    「承知している」
    「ああ」
     律儀な丹恒の言葉に続くように刃が頷いた。その答えに満足そうに微笑んだカフカは、優雅に訓練場を後にした。


     高いヒールの音が消えた場所に、2人だけが発する静寂が残る。
     急に襲ってきた耳鳴りのする静けさに、丹恒はサングラスを外し片耳を掌で覆った。
     銃声には慣れているが密室での訓練は三半規管を狂わせたらしい。軽く頭を降って、平衡を取り戻す。丹恒の様子を眺めていた刃が小さく息を吐いた。
    「何発急所を外した?」
    「……」
    「己が槍ばかりに頼るからだ」
    「っ」
     思わぬ正論にこめかみがピクリと引き攣る。確かに『撃雲』を主な武器とする丹恒は、体術はともかく他の得物を手に取った場合の戦闘シミュレーションが足りていなかっただろう。
     剣客として戦場で生き、だが時には槍で抉り弓で射殺し戦ってきた刃の射撃能力には、大きな差がついてるとみて間違いない。丹恒の様子に構わず、ライフルを台に置いた刃が髪をかきあげゆっくりと近づく。
    「貴様を抱いた感触からすると、ライフルより銃がいい」
    「は?」
     場にそぐわない言葉に一瞬カッとなるが、刃の手が丹恒の抵抗より早く動いて腕を掴んだ。持っていたサングラスが硬質な音を立てて落ち、床を滑って暗闇に消えた。
    「何をっ!」
    「ライフルは重量を骨で支える。何度も抱いたが、貴様の身体では少し弱い」
     腕まくりをしていたため直接肌に触れられる。握りしめ、筋をなぞるように丹念に撫でていく手が熱い。つい先程まで冷静にライフルを扱い、急所を確実に射抜いた手だ。
    「だが全体的に筋肉は靱やかで動きも俊敏だ。弾道も槍術を経て理解している。反射神経も申し分ない。ならば小回りが効いて直感的に扱える小型のシングルアクションが良いだろう」
    「ふっ、」
     昨夜の跡が着いたままの肘の内側を撫でられる。思わず声が出てしまった丹恒に構わず、刃は彼の腕を握りしめたまま持ち上げ、油断と緊張でかすかに震えている手の甲に唇を落とした。
    「貴様自身より、この身体のことを知っているんだ。俺の助言は受けるべきだと思うぞ?」
     彼岸花を思わせる真朱が丹恒を見据える。拒否するまもなく抱き寄せられた身体は黒豹のような強靭な体に身動きを封じられ、顎を掴んだ大きな手に強引に顔を上げさせられ、ほんの少しの指の動きで口を割開かれた。
    「あぐっ!」
    「まだ腫れているな」
     昨夜、散々荒らされた唇は確かに普段よりも腫れぼったく、色も濃い。今回の任務が久しぶりの再会ということもあって丹恒も箍が外れてしまい、作戦当日では無いが今日は身をもって反省していたところだ。荒い男の指の腹で撫でられる感触が敏感に腰を刺激する。
     満足にできない呼吸で涙目になっていると、無理やり合わされた視線が徐々に近づいてくる。ああ、キスをされる。そう丹恒が確信した瞬間に唇を合わされ、舌を絡め取られた。
    「んっ、ぐ」
    「……舌の噛み傷も塞がっていないな。まだ鉄の味がする」
    「んんっ」
     誰のせいだと詰りたいが、余裕のある刃に対して完全に体格の差で負けている上に全身で抱きしめられている丹恒に成すすべはない。せめて身をよじるが、びくともしなかった。
     次第に腹の奥から溢れてくる、濡れた熱。
    「ふ、ぁ、」
    「何だ、先程のカフカの言霊がまだ効いているな?」
    「こと、だま」
    「あんな軽いものでも掛かるのか」
     キスを解かれた隙にもカサついた太い指で舌をねぶられる。もう片方の腕で拘束され、大きな手が全身を這う。丹恒はここが何処かも失念し、完全に火がついた身体から力が蕩け出て、先程まで抜け出そうとしていた男の腕に完全に身を委ねた。ふわりと甘い女の言葉が浮かんだ。
    「『喧嘩しないで、仲良く』?」
    「そうだ」
     クツリと笑った刃が、真っ赤な舌で丹恒の首筋を舐め上げる。
     セックスは確かに『仲良く』なる行為だが、この男の場合はどうなるのだろうか?
     日も開けず肉食獣に身体を貪られながら、丹恒はそんな事を思った。
     乗り上げた射台が迷惑そうに悲鳴を上げた。ホルスターもベルトも剥ぎ取られたスラックスを床に落とし、足を持ち上げられ、裸の膝をペロリと舐める感触に喉が鳴った。掴まれる足が煩わしくて振りほどこうとすると、刃はあっさり手を離した。代わりとばかりに顎を再び引き寄せられ、顔中にキスの雨を降らせる。頬に、鼻先に、瞼に、額に、唇に。
     発情した丹恒の色に、刃自身も完全にあてられてしまった様だ。ボトムスの前はすでにはち切れそうなくらいに猛っている。衣服の上からでも分かる逞しい怒張に丹恒は何度目かの唾を飲み込んだ。





     実は刃は当初、昨夜の激しい情交による丹恒の負担を思いやる余裕は持っていた。なので今日は訓練の後、カフカや銀狼が話題にしていた店などを訪ねるなど、のんびり過ごそうと思っていたのだった。しかし残念なことにそれは叶うことが無さそうだ。今は、それ以上に、目の前の獲物を味わいたかった。
     喉元に噛みつき肌を破り分厚い筋肉を抉り血を啜り、牙の疼きを今すぐ抑えたい。
     肉食獣の性が沸々と湧き上がる。きっと今、自分は獣そのものの眼をしているだろう。愛撫する手に完全に身を委ねて甘える丹恒もとっくに気づいているようだ。鼻を鳴らし、彼の発する匂いの中に、まだ発情の色が残っているのを確認する。濃厚なその匂いに慣れたはずの刃でさえ目眩がした。
     細いが弾力あるしなやかな体を抱きしめる。
    「……加減はしてやる」
    「んっ……」 
     ゆるゆると物欲しげに揺れる腰を抱き寄せると、刃自身の猛りに敏感な箇所が触れたのかヒクリと長い睫が震える。その薄い瞼に口を寄せて音を立てて吸った。
    「んっ…あ……」
     腰をさらに強く抱き寄せる。丹恒が欲しいものは、”これ”だろう。その証拠に蒼灰色の痲がどんどん情欲に潤んでいく。
     火照った熱を冷ましたいのだろう、小さく開いた唇から、真っ赤な舌が覗く。
    「……加減なんていらない。お前の好きに」
     誘うようにチロリと舌舐めずりされる。尖った小さな八重歯が濡れて煌めいた。
     残った薄いシャツ一枚だけを剥ぎ取る。健康的で柔らかい肉質の胸を、刃は大きな手で揉みしだく。興奮を抑えきれず喉を鳴らすと、すぐにその胸元に顔を埋めた。汗とリネンと、甘い水のような香りが鼻孔を擽る。しっとりと吸い付く肌を両手でしっかり堪能すると、少し陥没気味な乳首を丁寧に掘り起こすように指で抉った。
    「あっ、ん……!」
     すっかり育てられた快感に、丹恒は素直に吐息を漏らす。その声に昂ぶられながら刃の指は強く愛撫を続ける。
    「昨日より反応が早くないか?」
    「ん、お前がしつこいから……っあ!」
     ちゅぱっ、音を立てて吸い付いて離すと、唾液にテラテラと光る果実が硬くしこり震えた。
    「ふっ……」
     丹恒が堪らずと身を捩る。それを簡単に押さえつけて、左手まだ乳房の弾力と重みを堪能しつつ、右手全体で肌を味わうようにスルスル撫で下げていく。汗が溜まった胸との境、引き締まった腹筋、くぼんだ臍に、淡い茂みの中へーー
    「あ、あぁ……!」
    「濡れているな」
     すでに刃が愛するまでもなく、その茂みは丹恒自身の愛液でしとどに濡れそぼっていた。触れただけでヌルヌルと指に絡む。それを拒むように触り心地の良い脂肪がしっとり付いた太ももがモジモジと擦り合わされ閉じた。
    「おい、足を開け」
    「そこは、まだ……んっ!」
    「触れられないだろう」
     弱々しく抵抗する太ももを、自分の腕を倒して少し強引に開き、そのまま指は、蜜を垂らす胎内に差し入れた。
    「ひ、……っん!」
     切ない嬌声に、刃の理性もいよいよ焼き切れる。
    「やっ、あ、っ!」
    「中もしっかり濡らしているじゃないか……」
     早く、この中に入りたい――
     くらりと、今度ははっきりと強い目眩を覚えた刃は、あまりの痴態に猛りきった男根を急いで掴みだす。丹恒の答えを待たずに、すぐさまグズグズの蜜壺に亀頭を飲み込ませた。
     途端理性を引き離すような抗いようのない快感に刃は奥歯を食いしばった。
    「や――ぁっ!」
     限界まで引き絞られたか細い声が丹恒の唾液に塗れた唇から引き絞られる。
     性行の快感をすっかり味わい夢中になった雌が男に足を絡ませる。その唇から漏れ出るのは完全な快感に酔った嬌声だ。
    亀頭はすぐさまぬかるみに嵌るのを阻まれる。狭い入口が男を拒んだ。
    「っ、」
    「ふぁっ、ぁ、ん……」
     キュウキュウと拒む肉壁に丹恒自身も焦れているが、それも快感となって涙が止まらないようだ。
     肉を裂くような両壁を押し進む感触が伝わる。
    「ぐっ……う」
    「あ、あ、ぅ、あ」
     堪える獰猛な呻きに悲鳴が断続的に重なる。刃の腰に絡んだ震える太腿は、今にも力なく崩れ落ちそうだ。強張っていた身体がすぐにクッタリと全身を射台に預け、与えられる快感に夢中になる。とろとろに蕩けている細腰をガシリと掴み、少し乱暴に引き寄せた。
    「ひうっ!」
    「次はいつになるかわからんからな。しっかり味を覚えておけ……!」
     昨夜、いや今朝まで抱いていたばかりのくせに未来を遠くに嘯く。引き寄せられてガクンと刃の元に戻ってくる。汗でしっとり濡れた濃い黒髪が、少し日に焼けた身体に絡んでますます色香を強める。引き寄せ突き上げられた快感で震えた丹恒の、刃が次に何をしようとするのか期待した目が一層潤んで見つめる。
     もちろん、それに答えてやるのは刃もやぶさかではない。片手でしっかりと腰を掴んだまま、もう片方の手で淡い繁みの中ふるふると立ち上がったものを手の平で捕えた。
    「ふ、ぁ!」
     途端に上がる嬌声に、噛み絞め絞り出す言葉とは真逆にあくまで優しく愛撫を開始する。刃に抱きつく身体が耐えられず射台からずり落ちそうになるのを彼に完全に覆いかぶさるように更に抱きしめ引き寄せ、口元に触れる旋毛に鼻を埋めた。
     自然と自ら快感を求めて腰を振る丹恒に、更に与えてやるように柔らかな肉の奥、その奥へと刃自身で媚肉を擦り胎内を進んでいく。性器に纏わる愛液がそれを助けた。
    「ひっ……あっ、ゃ……!」
     愛らしい丹恒自身をグッと押し擦った。
    「ん!!あ、や、め、……!」
     汗の味がする乳首をもう一舐めし、可愛らしい丹恒を慰めていた手を離しもう一度細い腰を両手で掴んだ。大きく足を広げて刃を受け入れさせた体制はそのままにさせ、弾みを付けて丹恒を引き寄せた。
    「ひっ、あぁああああ!!」
     一気に腰を進める。大きな瞳が一層見開かれた。
     甲高い悲鳴が2人きりの密室に響き鼓膜を震えさせる。
    「あっ、あ……ゃーー」
    「くっ……」
     じゅくじゅくと潤みきったぬかるみに根本まで性器を突き入れると、ボタボタと涙を流して泣きじゃくる丹恒が虚ろに声を上げる。ピンと伸ばされた爪先、綺麗に切りそろえられた薄色の爪を乗せた足の指がくるんと丸まって過ぎる快感に耐えている。
     だが刃が深く貫いた先は慣れ親しんだ男根を迎合し、うねり包む。短くか細く浅い息を繰り返す丹恒に、耐えきれずほんの少しだけ腰を動かした。胎内の肉壁が甘えて、絡みついて、強請る。
    「アんっ……!あ、あっ」
    「……平気か?」
    「んっ……んんっ!」
     ゆるゆると抜き差しし、震える耳の柔らかい毛に濡れ切った声を囁かせると、それにも感じるように首を竦め声を上げる。くったりと落ちていた両手は、いつのまにかもう一度刃の首に回され、自分を責める性器から逃げるようにぎゅうぎゅうと縋り付くように回されている。
     その自身を苛む性器の持ち主が誰かわかっているのか? 抱きかかえるように背中に手を回し上半身をピタリと添わせると、胸板に押し当てられる凝りきった乳首の硬い感触を楽しみながら、気を反らせるように口を吸う。
    「んん……ふぁ、ん」
    「……っ、動くぞ」
    「あ……や――――――っ!」
     ぐちゅんと少し大きめに腰を動かす。しっとりと濡れていた茎が途端に溢れる愛液の助けを借り深く指し抜くと高い嬌声が耐えきれないとばかりに合わせたままの口の中に吸い込まれた。蕩け切った筒は予想出来ないうねりで刃を逆に攻め立て飲み込もうとする。さっきよりもずっと蕩けた表情を見せる丹恒に目を細めた。
    「っ、俺を見ろ」
    「ふっぁ……っあ……あ、ン」
     潤んだ瞳が必死に瞬きし刃に答える。甘ったるい声を上げる唇を一舐めし、小さな舌がちろりと出てきた所でそれを甘噛みし自身の口の中に引き込み食んだ。ふくふくした舌が愛らしい。このまま噛み千切り飲み込んでしまいたい衝動に駆られる。
    「ん、ん……ふぁ……あっ」
     絶え間なく口づけをしている間も腰の律動は止めない。抱きしめた身体を逃がさないようにきつく腕を巻きつける。
     お互いの早い鼓動が伝わりあう。ぷつりと立ちあがった乳首が互いに合わさって気心地いい。大きく開かせた足の間から、2人分の体液が溢れて衣装も台に放置されていた丹恒のシャツがぐっしょりと濡れていた。
     ぐちゅぐちゅと水音が聞こえてくる度に、快感に耐えるように丹恒が瞼をギュッと瞑る。
    「んんっ!……あ、んっ……」
    「……っ、良いか?」
    「……ん、きも……ち……ぁ、ん……っ!……ぁ……っ!」
     一際音高く腰を打ちつけると首にからまる腕がギュウギュウ締め付けられる。合わせていた視線が外れ、丹恒の望む通りに引き寄せられると紅く染まった耳元に鼻が擦れた。
    「……」
    「や、っあ!」
     埋め込んだ性器が嗅覚に誘われて膨張したのを敏感に察知した内壁が、更に丹恒自身に悦びを伝えたようだ、今は隙間なく抱きしめていて観れないが、きっと大きな瞳をもっと大きく見開いて驚いているのだろう。可愛らしい。
     背中を抱いている自分の腕をそろそろと移動させる。丸い尻を撫でて、腰を両手でしっかりと掴んだ。
    「もう終わる」
    「あっ、や、なに……?」
     怯んで舌が回らない様子の丹恒に、肺いっぱいに雌の匂いを吸い込み思い切り腰を打ちつけた。
    「あぅっ!あっ、あっあ、……ゃあ!」
    「……っ、狭いな……!」
    「あぅ……ふ、あ、あっ、はげしっあっ!」
     散々にゆるゆると犯した胎内を、大きく怒張した性器で暴きまわる。
     丹恒の呼吸も何もかも無視した乱暴に、瞳からポロポロと蜜が溢れて髪がそれを吸う。性的興奮が頂点に達し、征服欲と激しい嗜虐心が刃の本能から顔を出す。
     桃色の愛らしいぬかるみに、自身の赤黒い歪な性器がテラテラ濡れ光りながら抜き差ししている、その様子を視姦したい。きっと二人の体液は絡んで泡立っている。その好奇心のままに、隙間なく抱き合っていた身を起こし丹恒の細い両足を持ち上げた。
    「あぁ……すごいな……」
    「っえ、やめっ、みるな、っあ、ぁーー……!」
     より見えやすいようにゆっくり深く腰を突き抜くと、堪らないと言わんばかりにか細い嬌声が耳に尾を引いた。
     汗に乱れた癖毛の黒髪も、快感に脅えて八の字になってしまってる秀眉も、時折痙攣するうっすらと膨れた腹も、濡れた下生えも、泡立った愛液も、キスで腫らした薄く小さな唇も、快感の涙を溢れさせる雲に霞む夜空のような目も、何もかもよく見える。
     この視界すべて、すべて刃のものだ。
     とてつもない充足感が全身を満たしていく。自覚できる程歪に口角を上げ、腰を回し胎内を掻き混ぜる。
    「あっあぁっんん―――!」
    「丹恒っ……」
    「……あっ、あ、あぁ……!や、あぁっ!」
     丹恒の荒い呼吸がより疾走していくのがわかった。とろっと蕩けた瞳が狼狽えている。
    「んっ、……なん、だっ?ーーも、」
    律儀に刃の声に反応しながら、達する寸前の大きな快感の波が身体を駆け巡っているのだろう。喘ぎながら刃の目を見つめてかすかにかぶりを振る。もう限界か。
     本音を言うともっと抱きたい。何もかもわからなくなるくらい抱き潰して、気絶させるくらい激しく苛めたい。
     しかし、先程刃は言ってしまった。昨日の今日だ。手加減してやる、と。
    「あっ、……あ、あ、んぁ、あぁっ……!」
    「いいぞ。……イけ」
     より一層強く深い場所に性器を叩きつけ身体を揺さぶった。
    「ゃっ……あ、あぁ――――……!!」
    「くっ……ッ……!」
     瞳がぎゅうと閉じて臍が痙攣する。眼下の白い身体が大きく震え、背中が綺麗にのけぞった。
    そこで刃は今までの拍子を崩した。丹恒を追うように腰を打ち付け、締め付ける壁を暴く。それに合わせるように、今まさに達している細い身体が跳ねた。いやらしく蠢く胎内に全力で耐え、ギリギリまで攻める。歯を食いしばり、目をぎゅっと瞑って。最後の最後まで。
    「あ、あ、あっ、あ……あっ……」
    「っく、……」
    「っあ、あ、っ……あぁ……刃、ゃ、あ!」
     余韻のようなか細い悲鳴が、刃の名を呼んだ瞬間、雄の性も胎内で弾けた。
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