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    20220208 ランガ誕
    一週間一人ずつ出したのをまとめました 無事祝えてよかった
    ランガ、癖あるけど基本の性格が良く戸惑いが怒りでなく悲しみに発展するタイプなので対峙する人特に年上は彼に強く出られないところ、全員かわいくて好き

    ##明るい
    ##全年齢

    聞いて聞かせる大事な話「別に良いんじゃない?」
    「え?」
     彼の軽い答えに自分が驚いたように、実也は自分が驚いたことに驚いたらしい。大きな目がさらに広がりぱちぱちと開閉する。
    「僕が言われたら断るけど、ランガの話でしょ?だったら別に良いと思う」
    「俺なら良い……」
    「ちょっと。勘違いするなよな」
     手に持っていたゲーム機を置き彼は身体をこちらへ。
    「僕が断るのはアイツが僕にそうする理由が無くて受けたら何要求されるか分かったものじゃないから。見え見えの罠に引っ掛かる程馬鹿じゃないんだよ」
     じゃあその『見え見えの罠』に対して悩んでいる自分はどうなのだろう。呟けば「馬鹿なんだろうね」と実也は言い、けれどすぐに「今の無し」と眉を寄せた。
    「そうじゃなくて、ランガにならあるだろ。理由」
    「あるのか」
    「本気で言ってるなら呆れる。まあそれなら悩むのも分からなくも無いけど。とりあえず受けるだけ受けてもし嫌になったら逃げちゃえば」
    「いいの?」
    「良いとか悪いとかじゃ無くない?アイツだって相手がランガな以上ある程度は覚悟しているだろうし」
     実也曰くそれは子供が持つ権利なのだそうだ。
    「僕がスケートする為に色々してくれる大人が居る。先生とか親とかね。あの人たちに僕は感謝しているけど迷惑かけて悪いとかは思わない。だって望まれただけの結果は出してるもん」
     年下の友人の口ぶりは時々とても大人びる。こんな時はただ頷くばかりの自分を見る視線も鋭い。
    「どう?アイツの期待に応える自信ある?」
     他は無理かもと言う意味で「スケートなら」と答えると自信家だと実也は、何故か嬉しそうに言った。
    「充分でしょ。喜ぶ限りは甘えさせてもらおうよ。僕らか弱い子どもなんだから、使えるものは使わなきゃ」
     
     
    「止めておけ、と言いたいところだが……」
     この大層頭の良いらしい大人がここまで言葉を詰まらせるところを初めて見たかもしれない。
    「今一通り聞いた話を鵜呑みにするなら『それ』は悪くない提案だ。むしろそのくらいされた方がお前の為だろう。おそらくはCも同じ答えを出す」
     とても便利で羨ましい存在。なんと自作だそう素敵な彼女をひと撫でしてチェリーは言い切り、けれどなら受けるべきかとこちらが訊いた途端に渋い顔を作った。
    「いいや」
    「俺にとって良いことなのに?」
    「だとしても勧められるものか。大体それは提案通りに事が進んだ場合だ。進むと思うか?」
    「あんまり」
    「そうだろう。俺も思わない」
    「じゃあ受けない?」
     正しい筈の答えに顔がますます渋く。
     分からないなら訊けばいいのに。そんなこちらの考えを読むように、分からない訳では無いと彼は首を振る。
    「あれが何を企んでいるにせよ、提案を受け入れれば今より遥か多くの可能性が得られるのは確かだ。だが増えた可能性の中には危険を孕むものもまず間違いなく存在する。その中から有益な物だけ選び取るのは難しいだろう。俺なら出来るうえCも居るが」
    「貸してもらえると」
    「絶対に貸さん」
     ともかく良い点も悪い点もありその二つを見分ける力は自分に無いらしい。なら受けるべきではないのかも。けれどそれで失われる物もあると思うと決め辛い。
    「……勿体なくないかな。使えるのに使わないのって」
    「一理あるな。受け売りか?」
    「あ、うん。分かるんだ」
     それくらい自分が器用に考えられたならあの人はそもそもこんな提案に猶予を与えもしないのだと聞いた。
    「使える物は使え。だがその前に使いこなせるかどうかよく考えろ。手に負えない幸運などいくらでもある」
     
     
    「受けるべきだろう」
     まあこの人はこう言うかなと思っていた。
    「何を悩むことがある。今すぐにでも彼の元へ行き受け入れますと一言いってくれば済む話だ。さあ」
    「いや……」
     腕を引っ張る力の強さにこのままでは本当に連れて行かれると焦るあまり使う言葉を間違えたらしい。
    「嫌?」
     ぐるんと振り向いた真顔が見つめてくる。
    「何故。あの方が君を買っているというのに」
    「買う?」
    「気付いていないのか」
     息を吐くスネークの顔にはごく僅かな表情があった。
    「君がどのような存在であれ、価値を見出せない対象へ彼は投資しない。私には分からない君の利用価値が見えているのだろう。それを喜ぶならともかく」
    「喜ぶの?」
     思わず出てしまった問いかけをあっさりと、当たり前のように彼は肯定する。
    「彼に認められれば大抵の人間は喜ぶ。喜ばないのは敵だけだ。君は敵か」
    「……ううん、違う」
     敵とか味方とかどこか寂しい言葉をあの人に向けて使いたくはない。もしなるなら二つ目の方が良いけど。
    「スネークは俺が受け入れた方が良いと思うんだ?」
     確認のつもりでした二度目の問いかけに返ってきたのはまたあっさりとした否定だった。
    「思わない。君へ何か思うよう命じられていない」
     何も思っていない人に引っ張られた腕にはまだ少し感触が残っている。擦れば謝罪された。その顔に浮かんだものを何と呼ぶのか自分は知らない。
    「悩む必要は無い。自ら生まずとも価値あるものに仕える喜びを追えば思いも答えも自然と生まれてくる。もしそれすら叶わなければ委ねれば良い。スノー」
     揺らがない瞳が一瞬光を映した。尋ねられたそれは彼にとって余程大事な事柄だったのだろう。
    「君の〝主〟は何だ」
     
     
    「良いんじゃねえのどっちでもノリで決めて……なんて言われるのも今のお前には堪えるか」
     大分ややこしくなってきた話を最後まで聞いてからまずジョーがしたのはこちらへの労いだった。変なところ律儀で不器用な奴だと肩を叩き「向いてねえな」と。何がか訊いたところそもそも自分が他人の意見を聞くのに向いていないよう彼には見えるそうで。
    「三人分聞いただけでその混乱ぶりだろ?そこで止めて、無理にまた訊かなきゃいいのに」
    「でもまだ答えが出てない」
    「答えねえ」
     ふむ、と腕を組むと彼は突如張りのある声を。
    「じゃあ……受けろ!」
    「えっ」
    「不満か?ならやっぱ……受けるな!」
    「え、ええと」
    「それも不満と。つまりお前の答えは『どちらか決められないが他人の言葉を決め手にはしたくない』だな」
    「答えになってないような」
    「いいや。なっている。少なくともランガがあいつの前に立つ迄は受ける受けないだけが答えじゃない。変化するなり数増やすなりしてもお咎め無し、三人分助言を受けて出した答えが『聞く気になれねえ』でもアリだ」
     背を打つ力強さにつんのめりかけて慌てて足に力を込める。つられて伸びる背筋に上がる顔。いつから下を見ていたのだろう。
    「気にするな。三人も端からそのつもりで話していただろうさ。お前らの我の強さは皆もよくよく知っている、どんな言葉だろうと自分で納得しなけりゃ素直に聞きやしないのも」
    「なのに話してくれたんだ」
    「だから気にするなって。そこを承知で全員話しているのに肝心のお前が全部飲みこもうとしてどうするよ」
     眼差しは手のひらと似て温かい。
    「納得いくまで考えてみろ。聞いたり聞かなかったりしながらな。勿論これも聞かなくて良い」
     
     
    「いや駄目だろ何考えてんだ」
    「……そうなの?」
    「お前も何で驚いてんだよ」
     そこまでハッキリ否定されたのは初めてだから。言えば白い顔にみるみる皺が寄っていく。
    「相談相手から間違えてんじゃねえ。昔馴染みとガキと子分じゃそうなるだろ、もっとマトモな人選を……マトモな……居ねえな……」
    「なんで駄目なんだ」
    「逆に訊くがどうしてお前どころかどいつもこいつも分からない。どんな理由があろうがそんな提案」
     話している途中シャドウは急に口を閉じると視線をこちらから少しだけ逸らし忌々しそうに呟いた。
    「そういう事かよ。趣味が悪ぃ。しかも俺様をなめてやがる、むかつくなあおい」
    「何の話?って、痛いんだけど」
    「知るか。お前が痛がろうが追々面倒な事になろうが関係ねえ。俺は俺のやりたいようにやる」
     掴んだ肩を押し込みながら彼はぼそりと。
    「奴だってそうしてんだ。お前もして良いだろ」
    「……俺からも掴めってこと?」
    「ちげえよ!ああかったるいもう知らねえ!」
     肩から離れた手は持ち主の腰へ。怒っているよう見える顔面には何故か汗が浮かんでいた。
    「ランガア!」
    「なに」
    「覚えとけ。お前からもお前以外から見てもそっちを選ぶのが正解だったとして選びたくなきゃ選ぶな。相手がいくら頼んでこようが知るかで済ませ。立派な理由なんざ要らねえ、違うと思う、それだけで十分だ」
    「わかった。覚えておく」
     溜息を吐かれてしまった。本当に覚えておくつもりなのに。今は少し独りよがりになりたい気分だから。
     良い人のような悪い人が言う。やりたいようにやれ。
    「叱られるかもしれねえけどもう慣れっこだろ?お前も今じゃあ一端の悪ガキなんだしよ」
     
     
    「……そんで最後に俺と。まあ俺としては」
    「あ、それなんだけど暦には聞いて欲しくて」
    「えッ?…………どう思うかは?」
    「訊かない」
     暦の身体から力が抜けた瞬間、タイミング良く用意していたらしい伊達眼鏡が壊れた。片耳にぶら下がったそれを気にせず「なんでだよ」と彼は身をこちらへ。
    「訊かれたかったの?」
    「ちげえけど……全員に訊いてたじゃん。あいつらの答えは要るのに俺の答えは要らないって言うの?ねえどうなの……!?」
    「何そのキャラ。要らない訳ないだろ」
     ただ訊く必要は感じなかったしそれより暦には自分なりに考えた答えを聞いて欲しかった。どちらの理由も同じだ。暦が自分の相棒兼親友兼その他沢山だから。
    「暦も多分同じ答えだと思うんだ。確認させて。あといきなり本番は厳しそうだから一回話しておきたい」
    「練習台か」
    「違う」
    「うん、わかってる。良いよ。聞くから話してみ」
    「ありがと」
     優しく微笑んでいた顔は話し終える頃には苦々しく。
    「お前説明ほんっと下手、ではないけど正直過ぎな!いや聞かせて正解。そのまま行ってたら絶対あの野郎に言いくるめられてた」
    「じゃあ暦ならどう話すんだよ」
     自分でも無茶だと分かるふりに彼は嫌がりもしなかった。壊れた眼鏡を手で支え一生懸命言葉を作る。気の良い奴なのだ。そしてかけがえない自分の先生でもある。
    「楽しいことをしたいと思ったら大抵その前にやらなきゃなんないことがあるよな。あのトリック決めてみてー、じゃあ練習すっか……みたいな。んで練習は当然しんどいし上手く行かない時だらけだけどそのしんどいも楽しいっつうか……悪いまとまんねえ」
    「ううん。わかる。やっぱり暦に話して良かった」
    「そっかな。でも俺も聞けてよかった。頑張れ、ランガ」
     
     
     
     こっちが呼び出したとしても場所や時間は全て向こうが指定する。いつものことだった。
     教えられた店の名前にはうっすら聞き覚えがあった。検索こそしなかったけどなんとなく贈られてから一度も袖を通していなかったびしっとした上下に着替えて来たのは大正解だったかもしれない。個室に案内される前すれ違った数人の恰好は自分の纏う触り心地の良いそれと似ているように思えた。
     テーブルいっぱいに並べられた菓子類はどれもつやつやできれいだ。心配になる。話がどう展開するかによって長時間放置もあり得るだろうから。久しぶりに着ている姿が見られたと、それなりの期間待たせたにしては良さそうな男の機嫌だってこれから思い切り悪くなるかもしれない。
    「お断りします」
     だとしても回答を変える気は無かったけど。
     特に表情を変えず愛抱夢は「結局端的な言い方に戻したんだね」と。
    「色々と作戦を練っていたのだろう?良いの?」
    「良い」
     本当は少し良くない。室内に坂も無い以上この人相手に自分の意見を通したいなら作戦は必要だと協力してくれた皆だけでなく自分も分かっていた。ゆっくりと回りくどく始めて、躱されないようにじわじわ伝えていく。そのつもりだったのだ。たっぷりあったやる気のようなものが愛抱夢の顔を見た途端丸きり失せてしまうまでは。いつものように好きに話し出す事も無くただ自分の答えを今か今かと待つ顔へ誤魔化すような真似など出来るだろうか。
     再度尋ねられる。良いのか。二度目のそれは一度目より低く張りつめていた。
    「君には得しか無い提案だと思うが」
     反論は無い。それでも答えは同じだ。
    「誘ってくれてありがとう。でも遠慮しておく」
     深く座り直しした愛抱夢が額を撫でる。小さく吐かれた息はおそらく彼から自分への承諾だった。
    「大丈夫?」
    「大丈夫」
     まだ時間あるしと言えばなかなか見せてこない顔が見られた。隠すつもりが無いときであれば愛抱夢は結構分かりやすい人だ。今も充分伝わってくる。こちらの大丈夫を一切信じてくれていないことが。
     君を支えさせてくれないか。難しい言葉が多かったので正確には覚えていないけどある日のデートの帰り際真面目な顔をした愛抱夢にそんなようなことを提案された。とりあえずもたれかかってみた自分へそちらではなく人生をと言う声は凍る程冷静だったけど行動自体はあながち不正解でも無かっただろう。預けるものが身体からこの先全部へ変わるだけ。絶対に支えきられる所まで同じに違いなかったのだから。
     進学に就職あるいは夢のような挑戦だろうと必ず成功出来る道筋を付ける。費用など全て気にしなくて良い。住居のうち一つは彼との同居になるという不思議な条件があったとしても提案はとても魅力的だった。特に自分のような来年に卒業を控えながらその後について何一つ確かな考えを持っていない者にはクリティカル。けれど頷けなかった。何故ならあまりにも。
    「参考までに理由を訊いて良いかな」
    「怪しいから」
     言葉が足りなかったと一瞬慌てたけどやはりかあと肩を落とす様子に真剣みがまるで無いのを見るに意図は伝わったようだ。
     自分一人ではそう出来ないことを周囲はすぐ気付く。尋ねられたその時彼の存在について上手に噓を吐くことも自分達の関係を隠して話すことも自分には出来そうになかった。こちらを案じる人相手なら尚更だ。そして正直に話したとして予想される反応は〝怪〟一択。
     詮索されないようにも出来ると愛抱夢は言うけどそうしたとして今はただ一人の大事な家族はどう思うだろう。大変な筈だからと他を頼った結果また別の大変を背負いこませるのでは意味が無い。それに。
    「理由、怪しさだけでも無いし」
    「では何だと?」
    「うん。愛抱夢って俺にすごく甘いだろ」
    「知っていたんだ」
    「聞かされた」
    「ふうん。ランガくんの意見は?」
    「だけじゃないと思うけど……でも甘いんじゃないかな。こんなこと提案してくれるくらいには」
     どんな関係だろうと相手の人生ごと支えようとする人は珍しいのではないだろうか。その理由が甘さであり優しさであり彼の愛であるなら大きすぎて今は返せそうにないので受け取れないしそうでは無いなら後が想像できないので受け取りたくない。そして提案に嘘偽りがなく、受ければ彼の指示に従い成功するだけの日々が待っているならやはり断るしかないと思う。
    「愛抱夢。俺色々してみたいんだ」
     胸へ当てた手が内側の熱を感じている。以前はもっと静かだった。確かなものも見当たらず誰かが居なければ動かすこともままならなくて。
     けれど今これを動かしているのは自分だ。この地へ来て沢山のことを経験して様々な人と触れ合ってきた。その結果が求めている。更なる未来を見てみたいと。
    「見つけたいし頑張りたい。それで同じくらい失敗したいし後悔したい。今なら俺そうできる気がする」
     飛び跳ねるくらいの嬉しさも立ち直れないくらいのショックも、どんなことも目一杯感じてみたい。
    「愛抱夢もできると思ってくれる?」
     いつものように「勿論。君なら」と彼は言い、それからどこか落ち込んだみたく目を閉じた。
    「だがそれなら諦めるしか無さそうだね。僕が用意出来るのは乗り越えられる困難だけだもの」
    「甘いから」
    「ああ。どうしても甘くなってしまうんだ。君に限って有り得ないかもしれないが生に絶望してスケートを止められては困る」
    「止めないよ。ずっと続けるって決めてる」
    「知っている。だが決意さえ時には容易く破壊される。君もああされたならと思うと、僕はとても恐ろしい」
     声にごく僅か滲ませた情へ被せるように愛抱夢は笑った。
    「わざわざ苦しむことないんだよ」
    「やだ。やる」
    「わがまま……ふふ、だよね。君はいつもそうだ。僕が提示する正解は選ばないし思い通りになどなってくれやしない。だがそれでこそ僕に選ばれた君だ」
     感情と呼応しているかのように赤い瞳が一層色づいていく。いつもと比べ随分柔らかく口角を上げただけの笑みはしかし余程感情を表現しているように見えた。
    「自由でいて。ランガくん」
     分かったと言えば目が細まった。
    「それと約束してくれる?」
    「いいけど何?」
    「うん。もし何もかも嫌で要らなくなったならその時は全て僕に明け渡して欲しい。きっと大事にするから」
     一瞬前より目を鋭利に感じる程細めた彼は、困惑するこちらに「悲しいな」と明らか思っていない声音で。
    「確かに君が少しだけ僕から離れにくくなれば良いとは思っていたけど提案自体は親切のつもりだったんだよ?それをすげなく断られたんだ。叶うか分からない約束くらい許されるのでは?」
    「そうなのかな……」
    「そうだとも。まあまたすぐには決められないだろうから食べながら考えよう。ほらどうぞ」
    「あ、待って」
     菓子も良いけどまだ話が終わっていない
    「お願いがあるんだ。断ったところなのに悪いけど」
     存分にと返す彼と目を合わせる。誰にも言っていないけどこの人と暮らせるのには正直惹かれていた。けれど貰わなくても自分はもう選べるし欲しがれるから。
    「これからも暦と、皆とスケートしていたい。母さんを安心させたい。それで時々愛抱夢と会ったり二人で居られたら嬉しいんだけど、どうすれば全部叶えられるか俺だけじゃ分からないんだ。一緒に考えてくれる?」
     ほころぶ顔が愛しい。きっと自分も同じ。笑っている。
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