プライベートルームに花は咲くか 無茶をした。
軟禁された。
「なんでだ……」
「解らないからされているんだよ。さあ部屋に戻ろうね」
「うーん」
脇を固めたまま引きずらないでほしい。そんなに警戒しなくても、もう外と繋がるドアに走ったりはしない。色々試したすえ二つまではともかく三つ目の鍵は自分ではこじ開けることも出来ないとちゃんと理解した。
だからドアは駄目。次は。
「割ろうとしたら窓の無い部屋に移動させる。良いならどうぞ」
暗そうなので遠慮したい。
両脇が楽になって腹に片腕が回る。ぎゅっと掛かった圧からはまず抜け出せそうにない。足も止まったし、部屋についたのだろう。
思って抱いた感情をそのまま写し取ったみたいな長くて深い溜息が髪をかすめていった。
3840