Happy Kei Day 3.30すきな食べ物。甘いもの。お肉。ジャンクフード。それからインスタ映えするもの。
誕生日は好き。
特別な感じがするし、みんなに貰えるプレゼントも幸せだし、なによりおめでとうって言って貰えるのが気恥ずかしいけれど嬉しかった。
友達とお揃いのものも、ふかふかのぬいぐるみも今でも大切な宝物だ。
両親から貰ったものだって使えなくなった今でも大事にとってある。
正直に言おう。この日が近づくと全く何も期待しないわけじゃない。でも、それにしたって、
「ぅ、おぉぉ…」
豪勢なお料理、グラスにキラキラと泡が弾ける何かオシャレな飲み物。(ジュ、ジュースだよね?)
花瓶に彩られたブーケみたいなお花に、つやつやのクロスの上の立派なお皿とか、ピカピカのスプーンやフォークやナイフ。
それに立派なホールケーキ。
……やりすぎである。
招いてくれた張本人は、私の内心なんて露ほども気にせずめしあがれ、と素敵な笑顔でウインクしてきた。
「す、すごいねおねーちゃ…」
「ケイの生誕祭だもの。規模が小さいくらいよ?」
「生誕祭………こんな立派な……」
「うふふ、気合入れて作ってみました!」
「え?」
「ん?」
作った。作ったと聞こえて二度見する。
何かの上にのったアボカドとチーズのオシャレな何かと、ちょこりとのったあれはカルパッチョでは?
なんだか見るだけで口の中で溶けるんだろうな、とわかる柔そうなお肉料理も。この豪華なケーキも???
「おねーちゃんが。」
「うん」
「つくったの?」
「そうよ」
「ぜんぶ」
「ええ」
「つくった」
「作ったわ。ケイの、誕生日のお祝いだもの。これでケイのいんす…た。のバースデー投稿1をわたしが捥ぎ取ったに違いないわ」
「気合が。」
「お友達にも譲らなくってよ」
「気合。」
「うふふ。冗談よ」
つい嬉しくなって作りすぎてしまったのよ。
そういって笑ったおねーちゃんが、ほら座って。って一番やさしく笑っていうものだから。
うっかり泣きそうになったのを我慢して、写真撮らせてーー!と携帯を握りしめてカメラを起動した。
#おねーちゃんの手作り
#全部わたしの!
--3.30,2021
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