「辻ちゃん」
ボーダー本部の廊下。今日は防衛任務もなく適当に個人戦をしようとラウンジへ向かっている時、後ろから耳慣れた声が聞こえた。
「……犬飼先輩。どうしましたか」
**ここからAI**
「いやあ、ちょっと辻ちゃんと話したくてさ」
「そうですか……」
相変わらず何を考えているのか分からない笑みを浮かべている。
この人は苦手だ。何か裏があるような気がしてならない。
しかしそんなことより、俺は今、猛烈に眠かった。
昨日は深夜までランク戦をしていたし、そのあとも課題をして寝たのは午前2時過ぎだった。
いつもならまだ起きている時間だが、今は少しでも眠りたい気分なのだ。
「すみません、俺これから用事があるんで失礼しますね」
「えー!つれないなあ。ちょっとだけ付き合ってよ」
2429