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    ezwnlovmng

    @ezwnlovmng おもに書きあぐねてるものを暫定的においてます
    へっぽこがさらにへっぽこ文
    妖怪のお医者さんとか戦ヴァル2ほかいろいろ鍵はだいたいモブ攻です。モブ×ヘルムートばかりなので

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    ezwnlovmng

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    オリジナル サイトの再掲。かわいあざとけい女装男×世話焼き男つきあってるのかせフレなのかあいまい

    #オリジナル
    original
    #女装男攻
    #腐むけ

    ここに行きたい。

    床に直座りしていた恋人が、手にしていた雑誌で目立つ見出しをしているデートスポットの記事を指差している。
    それをソファーの上でいいな、と賛同し、雑誌をよく見えるように雑誌を掲げてもらうと、しばらくして腕が疲れると一言、そして一人座りのソファーに割り入って座ってきたものだから強引に二人掛けになり、とにかく狭い。
    そうして身体を密着させ、まるでグラビア雑誌を読んでいる思春期真っ盛りの少年のような姿勢で一冊の雑誌を二人で読みふける。
    それは恋人が次のデートの予定を練っているように。
    しかし実際に二人でそこに行ったためしはない。

    行こう
    嫌だ。

    である。
    男女のデートスポットとして有名な場所、負い目を感じているならと連れ出そうとするとてこでも動きませんとその場にうずくまる。
    それならこっちが女装したっていいと歩み詰めるものの、余計に身を縮めて日陰に隠れようとする生き物のごとく、頑なに部屋にこもってしまうのだ。

    まるで子供。
    普段はそうでもないくせ、女々しさをこういう場面で出してくるというか。
    デートスポットに男二人、浮いている、それに気恥ずかしい色彩ちりばめた場所であったりロマンティックなロケーションとあって、確かに羞恥が込みあげてこないかといえば、否。
    男のプライドというとまた面倒ながら理解してしまう(なにせ同性である)が。

    今日も今日とてその流れをこなし、ついにはお手上げとなって、いつになるんだろうと嘆息を洩らしてしまったのが悪かった。
    激昂を買ってしまったらしくヘソを曲げた彼が、やや平常と違う色混じった息を雑誌に吹きかけた。

    二人でデートスポット行って、その後は?
    その後、……

    普段より強い眼差しの非難に、頭が熱くなって逆に心臓が脈動していたはずの中心が、温度を失ったように冷えていく。
    その後。追及されると思いだにしなかった。
    デートに行くはすなわちそのまま恋人として遊びに行くことと直結していた考えがあったからだ。

    そうだ。
    恋人として、といっても、付き合っているという周囲の認識に惑わされ、告白の形を取っていないに関わらずまとまった風に相手の住処に通い詰めていて、それをいやがるふりをして照れているように素っ気なく装われるものだから、相手も同じだと思い――だからデートへ誘っていたのだが――
    どうしたことか、没頭して渦に巻き込まれていた思考の中自然と相手を見遣れば、相手はただただ強い眼光で真正面に立っている。反応待ちというように。
    その眼光や、後頭部すら透かし見られているようだ。

    デートスポット行く前に、するべきこと。

    そんな眼光の中、かの唇が更に簡潔な一言を重ねた。
    それ以上紡がれず、おそらく彼なりにヒントをもたらそうとしているのだろうと数秒経過して飲み下せば、口内で噛み締めるように反芻する。
    しかし、デートスポット行く前に作法があったかといえば首を捻ってしまう。
    デートに誘う度、気持ちを引き繋ごうとするように伸ばした手を即座に指を引っ込められて、掴まれるのを拒否されている幻視が生まれて、感情は死にそうになっていくというのにその上作法とは。

    そもそも、デートスポットに行くのを嫌がっているのはそちら側である。

    それゆえに、躍起になって連れ出そうとしているのだが、だいたいデートらしいデートなどお互いが意識し始めた頃からはだいたい買い物デートらしきものしかしたことがない。
    意識し始めたころの正確な時期は記憶からやや流れているが、これから慎重に関係を築いていきたいと思ったからこそ、関係を新たに塗り直そうとデートに誘ってみたが、それを汲んでくれないのだろうか。

    ……いや。

    そもそも、関係を新たに塗り直そうとして実行すべくデートに連れ出そうとしたが、新たに塗り直そうとの旨を伝えただろうか。汲んでほしくとも伝えねば伝わらないこともある。
    デートしたいのは好きだからだ、しかしデートするのが目的になってなかっただろうか。

    そうまで思考が一つに結びつくと、彼の言動から匂ったものがなにかがイコールとなった。

    子供や女々しいでなく、関係性になにか明確さを欲していたのならば、デートスポットを強請りながら拒否するのもデートする謂われがないからであるならば。

    我が振りを振り返るきっかけを与えた彼は、相変わらず威圧感を感じるほどの眼光であるが、思い至った顔がよほどわかりやすいものだったのか、徐々に彼の顔が明るくなった。
    試しに口をす、の字に象ると一気に彼の意識が、唇へと向かうではないか。

    「……好き、」
    す、から続いてきと声をまろびでる。
    ロマンティックな空気のない部屋で響いた声は、相手の耳にも届いたようだった。
    眼光が春の日差しのごとく和らぎ、そして彼も同じくその一言を紡いでくれたのだった。

    おわり
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