Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    syk_1529

    @syk_1529

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 35

    syk_1529

    ☆quiet follow

    現パロ🍜かずーじくんと先輩。🥷🎍(※🐉🎍前提)前半のみ(後半はまた後で)

    先輩に誘われて乗ってしまうルートな🥷🎍 断ろうと思えば断れた。
     バレた時のリスクを考えると、断るべきなのは明らかだった。
     今にも泣きそうな顔をするのを宥めて、近くの駅まで送って別れてしまえばよかったのだ。その後彼が家に帰ろうが別のどこかへ行こうが、自分の知ったことではなかったというのに。
     目を、逸らせなかった。
     形の良いクリッとした目でじっと見つめられるうちに、「いいですよ」と返してしまっていたのだった。

    「遅くなってごめん」
     着替えもないため部屋にあったバスローブを羽織り、彼は躊躇いがちに浴室から出てきた。服の上からでも華奢だろうと感じていた予想は正解で、なで肩に薄い身体はバスローブに着られている。ラーメン屋で会った時に貼られていた頬の湿布は外され、青痣が露わになっている。骨には異常がなさそうだがかなり痛々しい痣で、そんな痣をつけられてもなお別れない相手とはどのような男なのかと、彼から聞いて想像する姿を頭に描いてみた。
     どのみちロクな男じゃねえな、と軽くため息をついたのが気になったのか、すぐ隣に座り覗き込むように見上げてくる。「やっぱり、嫌だよね…」と悲しそうに言われたら、こちらも後に引くに引けない。
    「あんたこそ、本当にいいのかよ?」
    「…いいよ」
     誰でもいいからそばにいて欲しいんだ、と続ける彼の言葉がどれほど無責任で失礼か、余裕の無い彼にはわからない。誰でもいいから俺に声をかけたのか、と問い詰めたら彼はどんな顔をするだろう。
     彼にとって「誰でもいい」相手として選ばれたのなら、こちらも同じように抱いてやればいい。抱けるなら誰でもよかった、だから抱いたのだと。
     ──誰でもいいなんてことあるかよ。
     彼だからオーケーした。断れる状況なのに断らなかった。彼を放っておけず、彼を受け止めねばならないと、気付けば道行く通行人の視線も気にせず抱きしめていた。
     らしくない、と思う。そんなことをする人間ではないはずなのに。
     ラーメン屋で聞かされる身の上話にもはや彼のことは他人とは言い切れない。乗りかかった船だ、見捨ててゆくのも気分が悪かった。
     どさ、とベッドに押し倒し、バスローブの紐を解く。開かれた体は少し強張っているようだ。はじめての男に抱かれる緊張か、同じ目に遭うかもしれないという恐怖からか。
    「怖がらないでください」
     怖がるなという方が無理だろう。彼の体にはいくつもの傷があった。理不尽に蹴られたのだろう痣や、引っ掻いたような傷。中には生々しく残る火傷の痕まである。なかなか消えそうにもない傷を日々つけられて、いくら違う男が相手とはいえ安心して体を委ねてくる方がおかしい。
    「…ごめん」
    「こう見えて、俺は丁寧な方だと思いますよ」
     クス、と彼が笑った。「こう見えて、って何それ」と明るめの声で言う。今日はじめて聞いた声のトーンだ。一気に緊張がほぐれたのか、体を触ると控えめに身をよじられた。
    「キスしても?」
     口元に残る傷を気にして念のため問うと「して欲しい」と返ってきた。ニコリと笑う顔が女子のようで、鈴のような声質とよく合っている。これで男だというのだから人間というものはよくわからない。みつきよりも女っぽいんじゃないか…と幼馴染でバイト仲間のみつきの顔を思い出し、彼と比べてしまった。もちろん、みつきには悪いが軍配は彼に上がる。
     彼の唇は柔らかく、甘いリップクリームの香りがした。舌を入れると絡めてきて、慣れているのがよくわかる。同じことを何人の男にしてきたんだ…と、淡い嫉妬心を抱いてしまっている自分にどうしようもなく憤ってしまい、消化出来ない感情を押し留めようと右手は彼の胸へと伸びてしまっていた。
     びくん、と彼の体が跳ねる。どうやら胸は弱いらしい。乳首を指先で摘むと、耐え切れなかったのか喘ぎ声が漏れた。
    「あ、そこは…っ、ダメ…」
     はあはあと息を吐きながら体を捩らせる。「胸は僕、弱くて…」と情けなさそうに言うその声にゾクゾクして虐めてしまいたくなる。
     ふとよく見ると、乳輪のすぐ横にキスマークがあった。こうして夜毎に、触れられるだけで跳ねるほどになるまで弄ばれているのか…と思うと、急に萎えた。彼を虐めたいわけじゃない。同じことをしてしまっては、彼は二度と自分を受け入れはしなくなるだろう。
    「すみません」
    「…謝ることじゃ、ないけど…」
     顔を真っ赤にして泣きそうになりながら彼が呟く。見下ろされまじまじと体を見られることが恥ずかしいのか、フイと体を横に向けた。
    「…すみません」
    「…ごめん、僕がしたいって誘ったのに」
    「あんたは悪くない」
     このままやめてしまっても良かったが、やめる気にはなれなかった。昂ぶる感情と体の責任は取ってもらわないといけない。横を向いた体をぐいと引き、再び仰向けにさせる。覆い被さるように体を重ね、腕を下方へと伸ばす。彼の体は小さく、さほど探らずともすぐにその場所は見つかった。

    (後半へ続く)
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤💴😭🙏💘💘💖💖🏩🀄🎍😘💯💯💯💖💖💖💒💒💒🍜
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works