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    ogetaro3

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    オゲです。ぴくしぶの供養作品置き場。オゲが恥ずかしくなって消してしまった作品の墓場である。たまにここにも載らず、人知れず焼却処分されたやつもある。

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    煉獄さん生存if。雨の夜に、慌てて近くのお堂に転がり込んだ炭治郎が煉獄に会う話。
    おまけは少しだけ七夕の話。お中元企画でTwitterのフォロワーさんに渡した小説です。

    これ2021年8月2日にアップしてたやつっぽいです。

    梅雨の夜に※煉獄さんが生存しているifの世界線です。梅雨の時期に思いついて書きました



    「うわ...、服がずぶ濡れだ...」

    ざぁざぁと雨が降る梅雨の夜、鬼を討伐した炭治郎はあまりに強く降る雨に、たまらず近くにあった明かりのついたお堂に転がり込んだ。中には誰もおらず、小さなランプの火が一つだけゆらゆらと揺らめいていた。

    外を見ると、雨は止むどころかどんどん強くなってきて、これはしばらくここで雨宿りだなと思いながら、ずぶ濡れになった羽織と隊服の上着を脱いで床に置いた。

    梅雨の時期に入ったばかりで、まだ夜に雨が降ると冷える。隊服まで濡れていた炭治郎は足元からどんどん寒くなってきて、扉を閉めたお堂の隅で震えながら身を縮めて座り込んだ。

    任務帰りで疲れているのに、寒くて眠れない。このまま朝まで起きているしかないかとぎゅっと膝を抱えてうつむいたとき、いきなりお堂の扉が開いて、びっくりして声をあげてしまった。

    「ひゃっ!?」
    「...、誰かいるのか?」

    聞き覚えのある声が聞こえた。

    「煉獄さん...?」
    「...、炭治郎か? 奇遇だな、こんなところで」

    雨の中で長い間鬼と戦っていたのだろう、服からは水が滴っていた。

    煉獄はお堂に入ると、濡れている羽織と隊服の上着が気持ち悪いのか、すぐ脱ぎ始めた。隊服の上着を脱ぐと、下の白いシャツまで雨で濡れていた。

    炭治郎は煉獄の継子になってから何回か煉獄の裸の姿を見ているはずなのに、鍛え上げられた美しい肉体が白シャツから透けて見えるのが妙に色っぽくて、見てはいけないものを見てしまった気分になり全力で視線を逸らした。

    煉獄とは恋仲ではなくただの師弟関係。日に日に好きになっていく気持ちが強くなっているが、いつも頑張って平静を装うようにしている。いつかバレるのではないかとドキドキしているが、今のところ煉獄にこの気持ちはバレていないと思っている。

    「本当は全部脱ぎたいが、流石に外で褌一丁になる訳にもいかんしなー」

    煉獄は炭治郎の横にドカっと座り込んで、会えたのが嬉しいと言わんばかりに、にぱっと笑った。

    「炭治郎も任務帰りか?」
    「そうです!任務が終わったあと、雨がすごかったのでここで雨宿りしてました」
    「今日の雨はすごいな!これは朝までここで雨宿りだな」

    二人きりで朝まで...、炭治郎は好きな煉獄と朝まで横で一緒にいられると期待と緊張で身体がガチガチになっていた。寒さもあって余計に身体が動かない。

    「くしゅん!」
    「?炭治郎寒いのか?少し震えてるぞ」
    「濡れてるので、ちょっと寒くなっちゃいました」
    「うむ!わかった!!」

    そう言うと、煉獄は突然、炭治郎の方に向いて、さあおいで!と両手を広げた。ニコニコしながら炭治郎が飛び込んでくるのをじっと待っている。

    「えーっと…、煉獄さん?」
    「うん?どうした?」
    「いや…、そのー、そういう事するのは恋人とするというか…」
    「しかし、寒いのだろう?今は温めるものも何も持ってないし、こうするのが一番手っ取り早いぞ!!さあ!!ほら!!」

    この人は人の気持ちも知らないでー!!あぁ!もう!、どうにでもなっちゃえと、その手の中にぽふっと収まった。平常時であれば慌てて断るところだが、実際かなり寒かったのと任務で疲れていたので、ついつい煉獄の腕の中に納まってしまった。ぎゅっと抱かれると、雨に濡れて不快な気分さえ吹き飛んでいく。

    「あったかいか?炭治郎?」
    「はい、すごく恥ずかしいですけど」
    「うむ!それはよかった!」

    ぎゅっとくっついていると、だんだんと煉獄の温もりが伝わってきた。その温かさに安心したのと、大好きな煉獄の匂いでいっぱいになって、ついそのままウトウトと眠ってしまった。


    「炭治郎、炭治郎、朝だぞ、起きないのか?」
    「う~ん、むにゃむにゃ…、うわぁぁぁぁ!!煉獄さん!?」

    起きると、まさかの目の前が煉獄の顔だったので、飛び起きてしまった。もしや昨日あのまま寝てしまっていたのかと恥ずかしくて死にそうになった。

    「腕の中でスヤスヤと寝始めてしまったから起こすのも悪いなぁと思ってそのまま一緒に寝てしまった! なかなか可愛い寝顔だったぞ」

    しれっとした顔で可愛いと言われて、ますます恥ずかしくて顔が真っ赤になってしまう。

    「さて、もう雨も止んでしまったから、そろそろ戻ろうか」
    「そうですね、報告もありますし、戻りましょうか」

    まだ乾いていない上着を持ってお堂の外に出た。昨日あれだけ振っていた雨が嘘のように空が晴れていた。そんな晴れやかな空を見上げて煉獄は、不満そうに一言呟いた。

    「う~ん、しかし雨が降り続いてくれれば、もう少し炭治郎とくっついていられたのにな」
    「え? それって…」
    「さぁ!行こうか!!」

    そういって、煉獄はさっさと自分だけ走りだしてしまった。

    「えっ!!ちょっと待ってください煉獄さん!!」

    炭治郎は、走り出してしまった煉獄の後ろを慌てて追いかけていった。



    ※七夕に書いた謎時空の練炭。たぶんキメ学路線で書こうとして途中で挫折した


    「炭治郎は何を願ったんだ?」

    煉獄は笹に自分の短冊を吊るしながら、隣でまだ短冊に願い事を書いていた炭治郎に話しかけた。

    「ふふ、煉獄さんとたぶん同じ事書いてると思いますよ」

    書き終わった短冊を見せてもらって、一緒だな、と笑った。
    そこには、(来年も煉獄さんと一緒にいられますように)書かれていた。先に笹に吊るされた煉獄の短冊には(来年も炭治郎と一緒にいられますように)と書かれていた。

    「隣に吊るすか?」
    「はい! 煉獄さん、来年もずっと一緒にいてくださいね」
    「もちろんだとも。今世ではずっと一緒だ!」
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