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    涼風あおい

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    涼風あおい

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    マサトキ
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    2015年バレンタイン

    ##マサトキ

    バレンタインマサトキちゃん落書きちゅ、と軽く触れた唇が、何度も触れ合ううちにトキヤから甘い吐息が漏れ始める。
    その様子にすっかり煽られた真斗は、更に深くまで求め、トキヤを溶かしていった。
    「ひじりかわ、さ…」
    蜂蜜のような声で呼ばれればたまったものではない。
    「チョコのお礼に、今日は一ノ瀬がしてほしいことをしよう。俺にしてもらいたいことはあるか?」
    微笑みの中の企み。それに気づいたらしいトキヤの頬が一瞬で赤く染まった。
    「え…あ、の……」
    「どうして欲しいんだ?一ノ瀬」
    今この局面で、自らの望みを口にするなど出来るわけがない。と思っているだろうことは手に取るように分かる。
    尚も口を結んでいるトキヤへ、耳元で追い打ちをかける。
    「一ノ瀬?」
    「っ……」
    トキヤの好きな声色で、たっぷりと愛情を込めて呼べば、腕の中でぴくりと跳ねた。
    「言わねば分からんぞ?」
    「ほ、ホワイトデーは一ヶ月後です!」
    「お返しがホワイトデーでなければいいけないと誰が決めた?俺は今、一ノ瀬の気持ちに応えたいのだ」
    「で、ですが…」
    渋るトキヤに再度口付けを落とす。食むように、ゆっくりと。
    「んっ、ぁ……」
    「一ノ瀬、言ってくれ」
    瞳は涙で濡れ、頬は赤く染まり、漏れる吐息は熱い。
    漸く、震える唇から紡がれた言葉に、真斗は嬉しそうに笑った。



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    バレンタインである意味は多分ない。
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