Recent Search

    緒々葉

    @aojiso_up
    過去絵とか供養とか

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💙 💜 👏 😊
    POIPOI 47

    緒々葉

    MOURNING支部にweb再録した「心伝う、想い花」の世界線スピンオフに滾った時に書いてお蔵入りな話。
    真←翔(失恋)←那の冒頭しかないプロット。
    翔那風味。
    永遠に書けないから供養!!!💦💦
    俺はまた、あいつの背中を見送った。
    今までも何度か、それはあった。
    だけど、今回はきっともう取り戻せない。
    あんなに血相変えた顔、向けられたことなんてなかったから。
    この想いを叶えようなんて考えてなかった。それでもやっぱりここまで面と向かって突き付けられると、嫌でも痛感する。
    いつか、そんな日が来ると解ってたけど。
    あいつにとって心から大切な相手が出来た時には、俺もめいっぱい喜んでやろうって。
    笑顔で見送ろうって、そう決めてたのに。
    いざそうなってみると、みっともなく足掻いてる俺がいた。

    こんだけ、長いこと一緒にいても、所詮良い同僚止まりだったってわけだ。


    「あーあ…こんな俺じゃ、聖川じゃなくても誰かに好かれる訳ねーよな」

    もう誰一人として残っていないオフィスに、投げやりな声が消えていく。
    なんとなく、帰る気力がなかった俺は、大掃除後の小綺麗な室内でぼうっと過ごしていた。

    「翔ちゃん!」
    ドアの方から、馴染みの深い中性的な声がして。
    振り向くと大柄な影が、がらっと快活な音を立てオフィスに姿を見せた。
    「ひとりでどうしたんですか?」
    「げ、那月……」

    「別に、どうもしてねーよ 1001