ミカグラ島でクリスマスを過ごした後、モクマとチェズレイは西南の第三国に一軒家を拠点として構えていた。療養と休暇で費やした1ヶ月のインターバルを経て、年内はゆっくりと下地を作り、年明けから精力的に征服活動を再開すると意気込むチェズレイにモクマも賛同した。
チェズレイは2階の書斎で作戦を練るというので、夕飯作りはモクマが買って出た。
広いキッチンスペースに感謝しながら、モクマは料理に取り掛かる。献立は既に決まっている。
かつお節を濾して作っただし汁に醤油、みりん、砂糖を加える。煮立てている間に、サラダ油で満たされた別の鍋を覗く。グツグツと熱せられたそこに衣の素をスプーンで少し掬って散らす。パチパチと弾ける音がモクマに「準備万端だよ」と告げた。
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