顔も知らないあなたへ「ドレミ財団さんへ、お届け物でーす!」
軽快なノック音ととに、扉の外から威勢のいい声が聞こえる。はーいとオフィスの薄い扉を開けると、見慣れた配達員の青年が、額に汗と砂つぶを輝かせながら立っていた。
彼の背後には大きな段ボールがたくさん見え隠れしている。
大層な荷物の送り主はナデシコ・レイゼイ?住所はミカグラ島……って、確か極東のリゾート地だったような。
ミカグラ、聞いたことあるな……なんて考えながら、青年を待たせるのも申し訳がないので急いでサインをする。
「アラナさーん!ミカグラ島のナデシコさんって方からお荷物届きましたー!」
はーい、と明るい返事と共に、玄関へやってきたアラナさんも、随分な荷物の量に驚く。
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