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    ろくでもない

    @kabesaido

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    ろくでもない

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    朱想
    朱雀と北村のダンスレッスンの話。北村の姿に朱雀が惚れる話。
    急に終わる。

    某所レッスン室にて「あ、Legendersのアニさん達」
    「お疲れさん」
    レッスン室の扉の前でばったり鉢合わせた2ユニット。お疲れ様ですとこちらも挨拶した。
    「アニさん達もレッスン室使いますか?」
    「ああ、少し邪魔してもいいかい?ちょうど3人とも時間が空いたもんでダンスの練習をしようかと話になったんだ。」
    葛之葉雨彦の後ろには北村想楽、古論クリスの2人が居た。
    「おぉ!皆で練習しようぜ!!いいよな!玄武!!」
    「もちろん。せっかくならお互い意見しながら練習出来たら嬉しいです。」
    笑顔で答える神速一魂の2人にLegenders3人は感謝を伝えレッスン室に入った。
    各自タイミングや重要な振り付け、気になるステップなど確認をしつつ時折隣のユニットに見てもらい意見を貰うなど充実した練習を行っていき時間はあっという間に過ぎていった。
    「ん…もうこんな時間か…。俺はそろそろ引き上げようかな。古論、北村、お前さんらは?」
    「私も…他にも確認しておきたい資料がありまして。」
    喋る2人の間にふっ…ふっ…と息切れの声が聞こえてきた。
    「想楽?大丈夫ですか?お水を…」
    「…あー…大丈夫ー……ちょっと待ってねー………ふぅ………うん。息整ったー。」
    乱れる息を整えいつもの落ち着いた声に戻った。
    「後、僕はもう少し練習して行こうかなー。まだちょっと自分の振り付けでやっておきたいとこがあるからー。」
    タオルで汗を拭いながら2人を見つめ答える。
    「…お前さんは自己管理が出来るからあまりとやかくは言わないが、無理はするなよ。」
    「プロデューサーさんには私達で伝えておきます。何かあった時は連絡を必ずしてくださいね。」
    「ありがとうー。クリスさんそんな心配そうな顔しないでー。休む時は休むからー。雨彦さんもお疲れ様ー。」
    お疲れさん お疲れ様ですと2人はレッスン室を後にした。
    そんなLegendersのやり取りを見ていた神速一魂の2人
    「俺達もそろそろ引き上げるか?」
    「お〜……………。」
    「…朱雀?」
    1人で鏡の前に立ちシューズの紐を結び練習を再開しようとしている北村の姿をじっと朱雀は見つめていた。
    「玄武…俺もう少しここに居てもいいか?」
    「ん。分かった。俺はチェックする台本が残ってるからそっちに集中する。番長さんには言っておくから。」
    レッスン室を出て行く玄武に悪ぃな!頼む。と声をかけるとドアを出る前に玄武が振り返り
    「想楽アニさんに迷惑かけんなよ。」
    と釘をさしてきた。
    迷惑なんかかけねぇよ!!と言うと急に名前を呼ばれて驚いた北村がこちらに振り返った。
    「え、何ー?あ、玄武くん上がるのー?お疲れ様ー。」
    「お疲れ様です。朱雀も残るそうなんでよろしくお願いします。なんかあったら俺に言ってください。」
    玄武は軽く会釈をしてレッスン室を去っていった。
    「だからなんもしねーって……。」
    「あはは、なんかお母さんみたいだったねー。」
    それまであった5人分の声や熱量が2人分になりしんとした空気がレッスン室に流れた。
    「…朱雀くんも何か確認したいとこあったのー?」
    「あ〜…いや……ん〜………」
    「?どうしたのー?」
    「想楽さんが…気になって……?」
    何故か疑問符をつけて答えてしまった。
    「………僕ってそんなヤワに見えるー?」
    じと〜とした目で朱雀を見つめる北村
    「!!違うんすよ!!!!!想楽さんをそんな風に見てる訳じゃ……!!」
    あたふたしながらなにか言葉を出そうと必死になっている朱雀を見てふふ、と北村は笑う。
    「朱雀くん、リアクションが大きくて面白いねー。からかっただけだよー。」
    「え!?そうなんすかぁ……。」
    頭を搔く朱雀を横目に時計を確認し北村は言う。
    「時間も限られてるしそろそろお互いの練習しよっかー。最後片付けもあるしー。」
    「うっす!ギリまでやるぜ!!」
    頑張ろーといつもの緩い北村の声とともに練習は再開された。

    キュッキュと激しく動くシューズの音、服の擦れる音、掛け声がもう何時間続いているだろうか。
    「ワンツー…スリーフォー……ワンツー……」
    練習再開後、北村は人が変わったかのように深く、朱雀が横で話しかけても気づかないほど深く鏡の前の自分と向き合い集中していた。
    (この人…すげぇ…!ずっと手足動かしてんじゃねぇか……!流石に水分補給しねぇとヤバいんじゃ……)
    と朱雀が北村の練習姿を見て圧倒されていたら突然北村の足がガクッと下に着いた。
    「っ…!?想楽さん!!」
    急いでペットボトルを持ちかけよる。
    「…………ご……めんねー……びっくり……っさせてー……っ」
    「俺は全然いい!!休憩してくれ…」
    朱雀は力が入らない北村の手を肩に回し腰を掴んで何とか立たせ壁に持たれさせた。
    「ん……はぁ……お水おいしー……。」
    「お水おいしー。じゃねぇよ想楽さん…ぶっ倒れるかと思ったぜ……。」
    「あは……朱雀くん顔青いー……平気だよーよくある事だからー。」
    「…よくあるのか?」
    あ、思わず聞いてしまった。
    聞いちゃダメなやつかも…と慌てている朱雀を緩く笑いチラッと見たあとタオルを目に当てながら北村はゆっくり話し始めた。
    「…僕ねーどうしても体力がついていかなくてー。特にダンスは苦手でねー。すぐバテちゃうんだー。」
    さっきみたいにねー。と呟く。
    「でも、雨彦さんとクリスさんは僕よりも体力あるからさーどうしても差が出来ちゃうんだよねー。かと言って、僕のペースに合わせると2人に迷惑かかるからー。」
    「あの2人は迷惑とかぜってぇ思ってないと俺は思うけど…。」
    「うん。そうだねー。雨彦さんもクリスさんも僕に優しい言葉をくれると思うー。」
    でもね。少し強く北村が言う。
    「僕、妥協はしたくないんだー。努力で補える事は努力で補う。体力が無いとか、苦手だからとかで質を下げたりはしたくない。」
    目に乗せていたタオルを取り隣の朱雀を見つめ言う。
    「完璧なステージを皆に見せたいんだー。だから何時間だって自分が納得するまで、最後までやり抜きたいんだー。」
    いつもの柔らかい雰囲気は北村想楽は無く、強い意志を持った瞳で見つめられ朱雀の心臓の鼓動が大きくなったような気がした。
    朱雀の顔を北村が覗き込み言う。
    「ね、朱雀くんも皆を喜ばせたいでしょー?」
    なんか…心臓うるせぇな……想楽さんの言葉が入ってこねぇ……てか俺ら近くないか?あれ……?あれぇ……?
    バクバク鳴り続ける心臓と徐々に上がっていく体温を感じ固まってしまった朱雀を不思議そうに見る北村。
    「朱雀くんー?大丈夫ー…?」
    おーいと手のひらを朱雀の顔の前でヒラヒラさせる。はっ!!と朱雀の意識が戻ったと思ったらおもむろに両肩をがっしり掴まれた。
    「えっ…え…何……?」
    そして大声で告げられた。
    「想楽さんは漢だな!!!!!!!!!!!!!!」
    はい?とぽかんとしてる北村に興奮気味に朱雀は話し始めた。
    「想楽さんの練習してる姿見てる時からかっけぇと思ってたけどよぉ!!!さっきの話聞いて更にかっけぇと思ったぜ!!!!漢気があってすげ〜よ!!!!」
    勢いに押され相槌もままならず褒められまくる北村。
    「感動したぜ!!!想楽さんのそういうとこ大好きだ!!!!!!」
    真正面から大声で大好きと純粋に言われてしまい何だか照れくさくなり相手の顔を見れなくなってきた。
    「俺も見習っ……どうした!?想楽さん!?また具合悪いか!?」
    「ちがうー……君眩しすぎるよー……。」
    「俺!?暑苦しいとは言われるけど眩しいってなんだ!?!?」
    「あはは……僕も君の元気なとこ好きだなー……」
    2人して赤くなっているとプロデューサーから電話がかかってきた。そろそろ迎えに行くので帰る支度をしておいて欲しいとの事だった。
    「最後はお喋りで終わっちゃったねー。」
    「まだやるつもりだったのか…想楽さんはもう十分だろ……。」
    北村は軽くステップを踏みながらモップをかけ朱雀は2人分の荷物を片付けた後レッスン室の電気を消し扉を閉め迎えに来ているであろうプロデューサーの車へと2人で向かった。
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