Best Friends (with Benefits) Forever (仮)「ブラザー、なんで男漁ってるの」
日が落ちても変わらず湿気のせいでジメジメして蒸し暑い季節のはずが、シェアしている部屋のど真ん中に陣取っている男の顔を見た瞬間に、そこだけ真冬のウルサスになってしまった。
怒っているな、と、実験室で一日中フル回転してボイコット気味の脳みそでぼんやり考えながら、珍しく思いっきり顔をしかめているエリジウムをみながら、ソーンズは投げられた質問を吟味した。
IF、ではなく、WHYを聞かれている。つまりなんらかの噂を聞いて確かめに来たわけじゃない。彼のことだから、仮にソーンズにまつわる噂を聞いたとしても、無闇に信じるような男ではない。となれば、すでに確信へ至る証拠も押さえている。それも言い逃れが効かないようなもの。面倒だ。
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