【ブラネロ】厨房友達は伊達じゃない 天気の良い日。
風が穏やかに吹いて、暖かな日差しが差し込む。
昼食を終えた魔法舎はいつもどおり賑やかで、しかし北の国の魔法使いたちによってこの建物が半壊する日を何回も経験している身としては、ある意味今日は静かな日とも言えよう。
そんななか、賢者はネロを探していた。
外から楽しそうな笑い声が聞こえるけれど、そこにネロはいなかった。厨房も覗いてみたけれどもぬけの殻。昼食の皿ももう綺麗に片付けられてあった。
(どこにいるんだろう)
パタパタと走る自分の足音。急ぎの用ではないけれど、報告書を埋めるにあたって彼に聞きたいことがあるのだ。提出するのは出来るだけ早い方がいい。
賢者は階段をのぼり、三階へ。そしてコンコンコンとネロの部屋をノックした。
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