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    Umekopyon

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    Umekopyon

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    ☀🐉ハリポタパロ2弾 その3

    8つのシーン内の6~8になります!
    終わりましたー!

    ※四年生の時点

    ⚠日本語版ハリポタは詳しくありません(一応kindleで全巻を借りてみたけどちゃんと読む余裕がありません…)
    ⚠日本ではないため基本はみんな名前呼びになります
    ⚠(日系)イギリス人の設定なので名前は全部カタカナにしました

    はちみつの薬(3/3)6

     ハジメの足はなっげーな。

     いや、フユヒコの足より明らかに長いわけがないんだ!ありえねーだろう?ハジメの方が背が高いとか、そんなことはないんだよな!!それにしても、あれでどうやって歩いているのだろう。ハジメの体になった最初の数分間、フユヒコは竹馬で歩いているような気がした。

     すっげー短い竹馬だよ!?高さ2センチほどの竹馬だ!

     とにかく、フユヒコは時間をかけて階段を下り、何度も踏み外して仕掛けの踏み面に降りそうになったが、ハジメと一緒になんとか三階に辿り着いたのは、他の生徒たちが朝食から廊下に出てくる頃だった。

    ハッフルパフ寮生たちと一緒に闇の魔術に対する防衛術の授業に向かうハジメと別れた後、フユヒコは人混みを探し回り、呪文学の廊下に向かう妹とペコの姿を見つけることに成功した。

    「おい!」と声をかけると、二人の少女は立ち止まってこちらを向いた。フユヒコは人混みをかき分けながら、できるだけ早く移動した。

     フユヒコが二人の前に立つと、ナツミは怪訝そうにじっと見上げた。

    「ここで一体何してるんだ」と彼女はキッと言った。

     フユヒコは妹に睨みつけたい衝動を抑え、遅まきながらハジメのように振舞わないといけないことに気が付いた。決して役者ではないが、それでも自分なりにハジメのような間抜けな笑みを浮かべて見せた。

    「どういう意味だ?」と彼は尋ねた。

     ナツミは答えず笑い転げたので、ペコが代わった。

    「フユヒコ、なぜハジメの体にいるんだ?」

    「なっ」

     即座にバレたのか!?フユヒコは呆気にとられた。

    「ちょ、ちょっと待て、何言ってるかわか――」

    「歩き方」と、ペコは簡単に言った。

    「そうだよ!」

     ナツミも同意し、なんとか許容範囲内の音量に鼻で笑うのを抑えた。

    「今にも強風に煽られそうな歩き方だけど、その裏側はハジメじゃなくて、バカなお兄ちゃんのような動きだよね。ちょっと不気味なんだ」

     震えながらこう付け加えた。

    「キモい、キモすぎる!これ以上見るに耐えないよ!呪文学に行ってくる、じゃあね!」

     そう言って、ナツミは長い髪をなびかせながら廊下を去っていった。

     彼女がいなくなると、ペコは再びフユヒコを見上げ、銀色の眉を訝しげにひそめた。

    「説明を聞いていい?」

     フユヒコは負け惜しみのため息をついた。

    「オレとハジメは一日交代だ、いい?大したことねーんだ」

     ペコもため息をついた。

    「そう言うなら。誰にも言わないが、どれだけハジメを演じられるか興味ある」

    「優しすぎるバカを演じるのは簡単じゃねーか」

     首を振って、銀髪の少女は好意的な笑みを浮かべて許した。




    7

     ハジメは、フユヒコの授業にほとんどついていけたことに少し驚いた。闇の魔術に対する防衛術の課程では、ハッフルパフがスリザリンより少し進んでいたし、ハジメは魔法生物飼育学を選択していなかったが、特に怪しまれることなく乗り切れた。フユヒコと一緒に勉強することが多かったからかもしれない。

     しかし、フユヒコがパフスケインを抱いて目を輝かせるペコの姿を見られないのは、ちょっと残念な気がした。

     ポリジュース薬の1回目の効果が切れるのは昼休みの半ば頃だったので、朝の授業が終わると、フユヒコと大広間の前で軽く待ち合わせをして、その後の予定を確認した。

    「調子はどう?」

     ハジメは…自分の姿が見えると、そう尋ねた。

    「順調だ」とフユヒコは答えた。

    「ペコとナツミはすぐに見抜いたけど――」

    「ちょっ、すぐに!?」

    「――けど、他のやつらは気づいてねーと思うんだ。オメーは?」

     ハジメはしばらく目を見開いたが、なんとか返事ができるようになった。

    「ああ、うん。誰も気づいたないと思う。少なくとも、『すぐに』気づかれないんだな」

     フユヒコの(ハジメの?)顔が苛立ちの表情に引きつっている。

    「ああ、笑えるよな、このボケが」

     フユヒコがそう唸ると、ハジメは言った通り笑えた。

     2回目の魔法薬を飲むことを決めた少年たちは大広間に入り、軽くグータッチして、それぞれの寮のテーブルに向かった。

     これがハジメが楽しみにしてた、ハッフルパフ寮生たちとの自由奔放な付き合いだ。もちろん、本物のフユヒコ以上に気さくでおしゃべりになれるわけではないが、少なくとも自分の居場所として扱われることは間違いない。

     ハジメはチアキとマコトの向かいに空席を見つけ、座った。

    「おう」と、フユヒコらしきな気難しさを加えるように注意しながら言った。

    「朝の授業はどうだった?」

     チアキは反対側のミカンとの会話から目をそらし、眠たそうに微笑みかけた。

    「問題なかったよ。キミの方は?」

     ハジメは肩をすくめた。

    「いつもと変わんねーよな」

    「そっか」

     チアキは考え込むように首を傾げた。

    「でも、どうしてハジメがフユヒコの体にいるの?」

     マコトはコーンブレッドを喉に詰めかけた。

    「ええっ!?」と咳き込み、驚いてハジメを見た。

    「ハジメなのか!?気づなかったよ……」

    「 なんで気づかなったよ?」

     チアキはアッか呆気にして頬を膨らませながら、たしなめた。

    「自分のいとこだろう?」

    「そうだけど……」

     ハジメはため息をついた。バレないようにするのは、ここまでか。




    8

     その日は長く、疲れ、そして正直なところ、ハジメは寮の入れ替えをする価値があると思うほど緊張していた。いつもと違うことをやってみるのは楽しいが、より多くの人に正体がバレてしまうのではないかという不安で、午後は疲れ切ってしまった。自分でも意外だったが、ハジメはスリザリン寮に戻るのが楽しみで仕方がなかった。

     そして、その午後、「バカのバーナバス」のタペストリーの前で待ち合わせたフユヒコの(ハジメの?)憔悴した表情から察するに、彼も同じように感じていた。

     ハジメはみすみすと笑った。

    「元に戻る準備はできたか?」

    「ああ、くそー。なんで数占い学のある日にこんなことしたんだ?全然ついてねーんだよ」

     弱々しく笑ったハジメは、目の前にある壁に向けた。

    「さて、そろそろ薬が切れる頃だ、『部屋』を開けよう」

     踵を返し、壁の前を1回、2回、3回と通り過ぎる。

     二人の少年は期待に胸を膨らませ、壁を見つめた。何も起こらない。

    「……考え方が間違ってただろ」

     フユヒコは、最悪の事態を回避するように、そう言った。

    「オレにやらせて」

     決意したフユヒコは、壁を3回通り過ぎたが、結果はなかった。

     二人はしばらくの間、無言で立ち尽くした。

    「誰かがそこにいる」

     ハジメはついに、残念ながらも明白な結論を口にした。

    「ああ」

    「着替えを持ってきてないんだ。お前は?」

    「持ってねー。『部屋』にある」

     ハジメは、ズボンの丈が刻々と短くなっていくようで、足首が少し冷えるのを感じた。

    「近くのトイレを探した方がいいんだな」
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    Umekopyon

    DONE☀🐉ハリポタパロ3弾を和訳してみた!

    結構長いから2つに分けて、とりあえず前半上げようっと~

    またまた書き慣れてないキャラが…

    ※77期生=5年生の時点

    続きは後日に!
    ハッフルパフ寮生に恋するべき理由(1/2)「守護霊をうまく作り出せる魔法使いは、ほとんどいないと分かっているのだろう」

     またしても弱々しい銀の糸が無に帰すのを見ながら、ムナカタ・キョウスケは思慮深く杖を叩いた。

    「そのスリザリン寮生らしい粘り強さには感心するが、もっと別のところに応用できないのか?数ヶ月後にはO・W・L試験も控えている。なぜ、この呪文にこだわるのか理解できない」

     ハジメは無視して、姿勢を正した。それでいいんだ。ムナカタは理解する必要はない。

     深呼吸して、イライラを押し殺し、明るい感情に集中するよう努めた。

    「エクスペクト・パトローナム!」

    ―――――

     2月のホグズミード訪問の朝は、ふわふわとした白い新雪の絨毯が敷き詰められ、敷地内を見渡す限り穏やかな景色が広がっていた。しかし、その静けさは欺瞞に満ちていた。雪で隠れていた歩道は氷で覆われ、その上、足元は圧雪された。絵に描いたような景色とはいえ、村へ向かう生徒たちにとっては危険な道となった。
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