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    TRAINING習作 ややスケベ ヤス双の再掲(やや加筆)荒い呼吸が顔の真上からする。汗に湿った手のひらが太腿を掴んでいる。相手の顔は見えない、見ていない、見れない。射精後の倦怠感で、瞼すら重い。ずるりと体内からそれが抜けて、圧迫感と存在感を失った。下肢が解放されたが動くのも面倒で、解放されたまま膝を立てて脱力する。それから、大きく酸素を吸う。額に手を当てるとじっとりしていて、それが手のひらからの湿り気なのか額にかいたものなのか、それとも全身が熱いのかも判別つかない。喘ぎすぎて喉が少し痛い。明日のコーラスはジョウに任せよう。ヤスのせいだ。
     散々腰を振り、遠慮なく結腸の入口を責め続けていた加減というものをまだ知らないこの恋人はいつだって全力で、ライブ後なんかってくらい息を荒くしたまま余韻もわからんのか、早速ゴムを自身からはずしている。初めの頃はゴムをつけるのも外すのも、顔を真っ赤にしてやっていたというのに。箱が3つほど空く頃にはもうこの態度だ。まったくかわいくないのう。
     くるりと口を締められたゴムを少し遠くのゴミ箱へシュートすると、ローションの垂れるワシのケツを赤子よろしくティッシュで拭い、そうしてやっと、気持ちよかったか?なんて呑気に聞い 1819

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    TRAINING習作 ジョ双待ち合わせまであと十五分。カフェに入って待つような時間でもなく、かといって、この時期に待ちぼうけは些かつらいものだ。早く熱源体がこないだろうか。ひゅうひゅうと吹く北風に、いっとう高い位置にある狛犬族の耳が嬲られる。今日なんかは、いよいよ帽子を用意すればよかった。情けなくも耳をぺたりと寝かせながら風を避ける。今日は二人で過ごすからと、いつもとは違う高襟のコートを選んで正解だ。長い髪も相まって首周りの温もりだけは安泰だった。風のせいでつい、視線が下に落ちる。視線の端で、長く白い裾が風に揺らされている。
     クソジジイ、朝は早いくせに。早うせえ。一分あたりいくら徴収してやろうか。
     手を突っ込んだポケットの中でカイロを揉む。手袋だって、持ってこなかったというのに。ほう、とため息を吐くと、白くなったそれがじわりと空気に溶けていった。
     早うしろ。まるでワシばかりが楽しみにして来たみたいじゃろうが。
      はあ……今度はさっきよりずっと多くの白い息が肺から逃げていく。スマホを覗いても連絡はない、なんせまだ五分しか経っていない。たった十分、駅ビルを物色でもしようか。そう思って顔を上げると、数歩横に目を 895

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    TRAINING習作 はちそそう立派ではない建付けのこの家だからこそ、双循に力いっぱいに叩きつけられた玄関は壊れんじゃねえかってくらい、酷い騒音を立てて閉められて、途端にものすごく静かになって、さっき起きたことが何か、夢みたいな事としか捉えられないんだよな。
     
     十分前。本当についさっき。
     ダチと遊び呆けてて、連絡もせずに深夜に帰ったらまだアイツ起きてて。寝てりゃいいのに律儀に待ってんの可愛いよな。そんで、俺も酔ってたしそのまま双循抱き締めて、あと今日はなんか、飲み会に女の子がたくさんいたからムラムラしてて、このまま抱きてエって思って近づいてさ。
     セックスしね?
     つったら。すげえ力でひっぺがされて、俺の顔の横を何かが通って、俺の後ろの壁がガチャーンって、すげえ音が聞こえたからビックリして(それはただ音にビビっただけで)双循見たらギッって顔してっから。キッとかそんな可愛い顔じゃなかった気がする。双循がぶん投げたのがアイツのマグカップで、それが壁に当たって割れた音なんだって床みて気付いた。ファ?って思わず出るじゃん。だから、俺も口から空気が出た。したら双循のヤロー、出てくっつって出ていっちゃって、わけわかんね 815

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    TRAININGヤそ 習作練習のない日曜日。ひとりで暮らす双循の家に飯を作る名目で足を向ける。日曜は、うちの店のメイン層である学生や会社員が少ないために手伝いは比較的必要のないことが多い。いつも飯を作ってダラダラするだけで、別に……家ん中でデートなんて特別なモンじゃねえ。ちょっとだけ触れたりするってだけで、そこに色が着くことはあまり無い。
     今日は寒がる双循のリクエストで、昼飯はうどんだ。さっき二人で並んで買ってきたスーパーの袋が今はおざなりに台所の麓に落とされている。
    「たまにはお前が作ったりしないのかよ」
     しかし訊いたところで双循が言葉を発することはなく、パサパサと豊かなしっぽが答えるだけだった。きっと温まって香ったダシの誘惑に反応してるんだろう。耳をひょこひょこ、しっぽをふりふりさせて俺の作った飯を迎える双循を考えては、当然のように顔が熱くなる自分の負けだと思う。
     温まりだしたダシを頃合に麺を茹でようとシンクの下を覗くと、今までいなかった一回り大きな両手鍋がいる。あれ、こんなのあったか?
     そういえば二人分の飯を作るには小さいなとボヤいたことがある。そうじゃのう、おどれのようにのう、とポンポンと頭に手 1319

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    TRAINING習作 じょそ 45分双循が小さな声で、好きだと言った。
    「あ?」
     ような気がした。
     

     木枯らしが吹き込むようになり、思わず肩を竦ませる。首元に迷い込んだ風が温められた皮膚を刺激する。
     このDO根性北学園は校舎はさんざ落書きされ酷い有様だが、校舎を囲うようにお行儀よく並んだ並木は綺麗だ。とくにこの秋口の紅葉は、視界を広く彩って尚更様になるこの景色は。そして何より、紅葉と言えば俺の色をしていて世界がそれに包まれるのは悪い気はしない。木枯らしに吹かれ所在を失った紅葉がひらひらと俺の前にやってくる。こんな風ひとつにやられてしまうなんて、生命力の弱い奴だ。
     そんな生命力のない紅を指で弄びながら歩いていると、急に地面から枯葉がいなくなっている箇所がある。気になって視線を横に向けると、そこには竹箒を片手に枯葉の山と対峙している双循がいた。紅葉と似合わねえ色だな。足元から視線で辿り顔を見つめる。奴はパチリと俺と目が合うや否や、いつもの悪い顔で俺を見て、ジョウ!と乾いた空気を貫いて俺の名を響かせる。
     ああ、捕まっちまったな。今日は調子がいいのに勿体ねえ。
     しかし、勿体ないと思いながらも、校舎裏でこの山を作っ 1375