「少し休みなさい」「少し休みなさい」
いつになく厳しい声が降りかかる。
「そんな余裕ないことぐらい分かっているでしょう」
それに対抗するように声を荒げた。彼はその程度のことで動じる人ではない。
ワイルドエリアのポケモン達が密猟者によって乱獲されているとの情報が入った。
その手口から組織的な犯罪と考えられたが、一向に痕跡は見当たらず、警察、ジムリーダーを始め各ジムトレーナーが総出になって捜索をしていた。
単独捜索にでていた私は、エンジンシティにあるワイルドエリア近くのホテルに足を運んだ。そこには、警察や周辺のジムトレーナー達が集まる。何か情報でもないかと周囲を見渡せば、ロビーで電話をかけているカブさんがいた。見慣れた赤いユニフォームに顔が緩む。
1388