吸血鬼もの「やめるんだ、メロン!!」
「あんたそんな顔して、なにいってんだい!!」
「いやだ、やめてくれ、メロン」
ユウリは日直として、担任のカブ先生にプリントを持って行こうとしていた。職員室の扉前でノックをしようとした瞬間、男女の争う声が響いて思わず固まってしまった。
これって、聞いちゃいけない話だ。
18歳になったばかりの、思春期のユウリにとっては、悶々とする話だ。
しかも、中から聞こえてくるのは自分の担任のカブ先生と隣のクラスの担任のメロン先生だ。二人は昔なじみのようで、生徒内では不倫だなんて変な噂が出るほど仲がいい。
「ぼくは、既婚者の血は飲まないって決めているんだよ」
「ばっかじゃない!!それで死んだら元も子もないわ!旦那はあんたのこと慕っているし、気にもしないわよ。それに、魔女の血しか飲めないくせにえり好みしてる暇ないでしょ」
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