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    Sei_Kurage

    @Sei_Kurage

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    怜くん(@reia_akiDK24)が仁巳に名前で呼ぶように言う話。
    怜ちゃんとのリプライで生まれたネタです。

    ##創作DKSS

    《きみのなまえ》 仁巳+怜くん「香月くん、ちょっといいかい」

     ホームルームが終わり、皆が机から教科書や筆記用具をカバンに仕舞い始める。僕も皆と同じようにしたいところではあるが、今日出された課題の応用問題が分からず、目の前の背中をつつく。白いパーカーが少し揺れた。

    「あれ、どうしたの?」

     振り返った香月くんはいつも通りの笑顔で、可愛らしい口元から八重歯が覗く。僕は教科書を片手に、話を続けようと少し身を乗り出す。

    「あのね、香月くん。今日の──」
    「怜でいいよ」
    「す、うぇ?」

     唐突な前方からの提案に驚いて、素っ頓狂な声が出た。咄嗟の対応は苦手ではないが、思考の範囲外の出来事はさすがに、一瞬でも考える時間が欲しい。

    「唐突だね?」
    「いやぁ……今更だけど、香月くんって呼ばれるのちょっと照れるなぁと改めて思って」
    「おや、そうなのか」

     香月くんは少し目を逸らして笑う。僕が普段は名前で呼ばれることが少なくて、どこかくすぐったい気持ちもあるのと似ているのかもしれない。

    「うん、みんな名前で呼ぶし。それにおれからだけ仁巳くんって呼んでるのも変かなぁって」
    「ふむ……じゃあ、お言葉に甘えようかな」

     ふわふわと笑う目の前の彼に、まったく悪い気はしない。むしろ好意的に提案をして来てくれているのだから、応えないわけにはいかないな。

    「怜くん」

     今までと違う音の響きに、なんだか嬉しくなる。友好が深まるというのは、なんと素晴らしい事だろうか。

    「うん? どうしたの?」
    「……ふふ。いや、ね。本題に戻すのだけれど、今日出た数学の応用問題で少し分からないところがあってね、怜くんが良ければ教えてもらえないかな」
    「お、数学なら任せて!」
    「ありがとう! ここのグラフなのだけれど……」

     一度限りの関係も少なくはない僕にとって、毎日顔を合わせて挨拶や会話のできるクラスの友人は、とても貴重な存在だ。改めてそう思わせてくれた怜くんには、本当に感謝するしかない。
     これからもキミが笑顔で居られるよう……あぁ、でもそれは、おそらく僕の役目ではないのだけれどね。
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