肌色二色 現場で太陽を浴びる機会が増えたかつての先輩は、裸になればその鍛え抜かれた上半身の肌の色がくっきりと分かれる。
職人たちが退けたばかりの十九時過ぎの現場事務所。姿見の前で作業服を脱いだ十三代目は「夏場は特に酷いな」と、鏡に映り込んだ俺に向けて苦笑いするのでーー
「いいさ。俺は好きだぜ。そのまっさらな肌に密着できるのは俺だけ。ようするに俺専用だ。そうだろ? センパイ」
振り向いて満足気に笑うその顎にキスをして、白く柔らかな胸筋に顔を埋めれば、嗅ぎ慣れた体臭にいっそう芯が火照った。
「ふふ、ぜんぶお前のものだよ。そして、リヴァイのぜんぶも俺のものだ」
そう言って俺を抱きしめる半袖灼けした小麦色の腕。時折り俺の爪痕が残る汗が滲む白い背中。太陽に晒されない部分を繋げて、夏が匂う夜に獣のように吠える。
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