羽が生えたマヨイを拾ったニキの話「おに〜さん、起きてるっすか?
朝ご飯っすよ」
「……お、起きてますぅ……」
どうしたらいいのかわからなくて布団の上で寝たふりをしていたのだが、声をかけられたらそうも言っていられない。
マヨイは身体を起こすと、声のする方を見た。
座卓の上に朝ご飯が二人分並べられてるいる。
湯気の上がる味噌汁に白いご飯に卵焼き。
「……人間とおんなじもの食べられるんすよね?」
「あ……はい。
好き嫌いもないですし……」
マヨイの背中には白い大きな翼がついている。
そういう生き物として生まれ、それなりに楽しく生きていたのだが、捕獲され競売にかけられ、辛辣を舐めた後脱走し、路頭に迷っていたところで、この人に昨夜拾われた。
座り込んでいたところに手を差し伸べ、うちにくる?と聞かれた。
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