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    昔書いたやつ⑨

    #朝菊
    chaoChrysanthemum

    大昔に書いた朝菊ちゃんハリポタパロ何かが始まった日(朝菊ハリポタパロ)

    Side:A(アーサー)
     アーサー・カークランドはマグルが嫌いだ。特に東洋の。元々、嫌いだったが、本田菊という日本人の所為で色々とペースを乱されていたからだ。菊は、アーサーにやたら構ってくる。他の生徒はアーサーを見た途端、後ろに引きさがるというのに。まぁ、まぐる、それも東洋人なら仕方ないかもしれない。
     アーサーの家系は魔法界では有名なカークランド家。彼は四男だ。だが、魔力は兄弟の誰よりも強いと言われている。そんな彼の周りは、純潔の魔法使いこそが至高という信念を持っているスリザリン生徒。そして、上級階級の女子生徒だった。しかし、友達はいない。誰も信用していない。信じれるのは自分自身だけ。
     アーサーは一人ぼっちだった。

    Side:K(菊)
     菊は魔法使いが好き、というより憧れの存在だ。特に同じ一年で主席のアーサーは雲の上の存在だと思うほど憧れていた。しかし菊はあることに気付いた。アーサーと同じスリザリンの生徒や女子生徒が集まる所を見たけれど、それ以外は殆ど一人なのだ。菊は幸い、隣で仲良くなったロヴィーノ、ロヴィーノを通してフランシスやアントーニョ、ギルベルト達と仲良くなった。菊はアーサーと友達になりたい、と思った。その衝動で声を掛けていた。
    「カークランドさん、私とお友達になりませんか?」
    「……」
     アーサーは菊を見たまま、喋らない。少しの間だっただろうが、長く感じられる沈黙。暫くしてアーサーは菊にこう言った。
    「一人で、いい」
     一人でいいという言葉は嘘だと菊は思った。

    Side:A
     アーサーはよく声を掛けてくる菊が男だと最近知った。小柄で華奢な菊は女子の様だ。実際、出会った殆どの人は菊を女の子だと勘違いした。
     アーサーは、彼といたら自分は変われるのだろうかと考えてしまった。頭の隅で、兄達に消されてしまうと思っていたのにも関わらず。
     
    Side:K
     菊はフランシスの所へ遊びに行っていた。お菓子が食べられると聞いて釣られてきたのだ。
    「こんにちは、フランシスさん」
    「ボンジュール、菊ちゃん。今日も一段と可愛いね」
    「ふふ、フランシスさん、ご冗談を」
    「冗談じゃないけれどねっ」
     無駄話を少しした後、菊は気になっていることを話した。勿論アーサーのことだ。
    「アーサー、ねぇ。兄3人との仲も悪いし。あいつん家色々と複雑なんだよねぇ。カークランド家は人を信じるなの家訓の元、ゲスい奴ばっかいるとこだし。アーサーの3人の兄の名前、知っているでしょ?」
    「はい、7年のスコット・カークランドさん、6年のウェルズ・カークランドさん、5年のアイル・カークランドさん、ですね」
    「そう。特にスコットには気を付けて、菊ちゃん。あの人、目につけた奴を学園から追放しちゃうから」
    「は、はい」
     スコット・カークランドの悪さは前々から聞いていたが、ここまでとは。アーサーをこんな性格にしたのは兄達なのだと思った。そう思うと菊は背筋がぞっとした。

    Side:A
     アーサーはよく図書室にいた。自分の特等室で、好きな本を読む。それが彼にとって幸せだった。しかし、今日はアーサーの幸せを壊す訪問者が来た。そう、兄のスコットだった。
    「やぁ、愚弟。またそんな所にいるのか?」
    「……何だ」
    「兄には尊敬するべきだぞ、アーサー君?」
    「気持ち悪い」
    「そういえば最近、お前に声を掛けてる善良ぶった子がいたなぁ。穢れたち(マグル)の子。確か本田菊、だったね?」
    「それがどうした」
    「可愛い子には恐怖の顔が良く似合うなと思っただけだ。じっくりと苦しませないと」
    「本田を……どうする気だ」
    「殴る蹴るじゃ面白くないし……同性に犯される恐怖を味合わせようか」
     スコットは菊を凌辱するつもりだ。つまり精神的ショックを味合わせようとしている。アーサーはこの兄ほどゲスい人はいないと思った。
    「……俺には関係ない」
    「そう。だったら俺が本田菊にすることに手を出すなよ。アーサー」
     兄、スコットの目は今までにないくらい輝いていた。菊が最高の玩具かのように。

    Side:K
     消灯時間になり、菊が寝ようとした時、声がした。菊を呼ぶ明るく楽しげな声を。
    「本田菊、おいで」
    「……?」
     菊は声がした方へ行った。そしてすぐに後悔した。菊を呼んでいた人は、昼間フランシスが気を付けてと言った人物、つまりスコット・カークランドだったからだ。スコットは鍵開けの魔法を使ったらしく、菊の寝室に立っていた。
    「こんばんは、本田菊」
    「はぁ、こんばんは」
     スコット・カークランドは、アーサーとはまた少し違ったイケメンだった。立派な眉毛は同じだが、髪の色が違っていた。アーサーは見事なブロンドだが、スコットは赤みがかった茶髪。瞳の色もアーサーはエメラルド・グリーンに対し、スコットは深い緑。角度を変えると恐らく青色にも見えるかもしれない。長身で細身の、闇のような黒いオーラを纏っているスコットがそこにいた。
    「うん、可愛らしい顔をしているね」
    「そ、そうですか?」
    「その顔を今すぐにでも絶望の色に変えたいよ」
    「えっ?――!?」
     菊は自分のベッドに押し倒され、手は拘束され、身動きができなくなってしまった。菊は恐怖心を覚えた。
    「本田菊、お前はこれから俺に抱かれるんだよ。分かる?同性に無理矢理犯されるのは屈辱だろ?ハハッ」
     スコットは何故自分に?菊は思考回路が上手く回らなくなってしまった。
    「イイね。その顔。沢山啼かせてやる」
     スコットの手が菊の服を脱がせに掛かる。
     嫌だ嫌だ嫌だ。
    「じっくり苦しませてやる」
     その時だっだ。
    「本田!?大丈夫か!?」
    「っ!カークランドさんっ!!」
    「ちっあの愚弟め」
     アーサーは鍵開けの呪文を使い、ドアがガチャッと音を立てて開いた。
    「本田!」
    「カークランドさん!」
     アーサーは菊の無事を確認し、兄、スコットに問いかけた。
    「何でこんなことをする?兄貴」
    「それはお前には関係ないことだよ」
    「まあ、いい。ここで勝負だ。その前に俺とスコットの範囲に……プレデコ!」
     確か守りの呪文だったはずだ。菊はすでに呪文が使えるアーサーに感動していた。
    『            』
     スコットの呪文がアーサー目掛けてやってくる。これは不公平だ。7年生と1年生では明らかに実力が違い過ぎる。けれど、アーサーは天才だった。
    「エクスパトローナム!!」
     兄の実力を上回る力を秘めているのだから。それが、アーサー・カークランドだ。
     スコットは驚いたような顔になり、途端に笑い出した。
    「はは八!いつの間にそんな呪文を。これだからアーサーは壊しがいのある子だ!」
    「……」
    「……」
    「まあ、いい。今日はこの辺にしておこう。アーサーは穢れた血がお気に入りらしいし」
     スコットは何事も無かったかのように出て行ってしまった。
     この部屋にいるのはアーサーと自分だけ。碌に話したことが無いので気まずい雰囲気になった。
    「あの、カークランドさん、ありがとうございます」
     貴方が来なかったら私はショックで立ち上がれなくなってしまう所でした、と付け加えた。
    「べ、別に。お前の為じゃないんだからな」
    「はい」
     露骨な人だなと菊は思った。可愛らしい所もあるのだと。
    「それと、本田、いや、菊。俺は間違ってた。一人で生きていける訳ないんだ。家訓が『人を信じるな』と教えられて、今まで正しいと思っていた。でも、菊に会って少しずつ、人を信じてみるのもいいと思ったんだ。ごめんな菊。今まで声を掛けてくれてたのに、俺は碌に返してなくて。なあ、菊。俺の事、カークランドじゃなくてアーサーの方で呼んでくれないか?」
    「アーサーさん、ですか?」
    「っ!あ、ああ!」
     菊にアーサーと呼んでもらうと顔が真っ赤になってしまった。天才とは言え11歳の子供だ。
    「よろしくな、菊」
    「はい、よろしくお願いします、アーサーさん」
     この日、確かに『何かが始まった』のだ。そう、アーサーと菊が友達になった日だ。
    設定
    アーサー   スリザリン1年
    菊      レイブンクロー1年
    フランシス  スリザリン2年
    ロヴィーノ  ハッフルパフ1年     終わり
    想い(朝菊ハリポタ)
    アーサー  スリザリン5年
        菊  レイブンクロー5年
    フランシス  スリザリン6年

     ここはホグワーツ。魔法使いの少年少女が魔法を勉強するための学園。俺の名前はアーサー・カークランド。スリザリン寮5年だ。俺は有名な魔法使いカークランド家の四男。先祖代々、皆スリザリンだ。
     俺は今、とある所に向かっている。俺の大事な人の所へ。
    「菊は、と。いたいた」
     大事な人。それは菊、本田菊。レイブンクローで同じ5年。昔、東洋でマグルってだけで嫌ってたっけ、俺。
     菊はとても可愛い。天使の輪ができるくらいの艶のある黒髪、長い睫毛、大きな黒真珠の瞳。白い肌は滑らかで小柄で華奢。体格が決して良いとは言えない俺よりも小さい。
    「菊」
    「はい、アーサーさん」
     菊の声は心地よい。全てを包み込んでくれる菊はまるで母親の様だ。俺の大事な菊。愛しているよ、菊。だから早く俺の気持ちに気付いて。
    「好きだよ、菊」
    「ふふ。アーサーさん、またそれですね」
    「菊は?俺の事好き?」
    「当たり前ですよ。だってアーサーさんは大事な友達ですから」
     友達。そう菊は思っている。けれど俺は菊の事を友達としてみていない。俺は菊の恋人になりたい。伝えたいけれど、伝えられない。だってこの関係が壊れてしまうかも、何て考えたら。俺はヘタレ野郎だ。

    「またそれなの、坊っちゃん」
    「うるさい!」
     俺の目の前にいる髭の生えたいけ好かない野郎はフランシス・ボヌフォアだ。昔からの知り合い、要は腐れ縁だ。
    「まあ、俺的にはどうでもいいんだけどね。お前が菊ちゃんとくっつかないならお兄さんが菊ちゃんと一緒になるだけだし」
    「何で菊がお前の嫁にならなくちゃいけないんだよ。菊は俺の嫁なんだよ」
    「菊ちゃんを勝手にお前みたいな奴の嫁にしないで!眉毛菌が移る!」
     菊は穢れを知らないんだ。だからフランシスのような変態は釣り合わない。というかフランシスなんか見たら俺の菊が汚れる。
     菊は恐らく俺はフランシス含める一部、つまり菊の周りに密かに「女神」扱いされていることを知らない。そんなこと言ったら怒られるからな。あくまでも菊の知らない所でひっそりと言っている。
     それと言っておくが、俺はヘタレだが何もアプローチしていない訳ではないんだ。ただフェリシアーノがいつもやっている所為でスキンシップと思われているだけ。因みに無いようなハグとキス。口にはしていない。口にやってしまうと俺の今まで抑えていた思いをぶつけそうで、出来ない。そうそうするものではないからな。
    「もー、いいからそろそろ告白して来いよ坊ちゃん。見ている方が焦ったいよ」
    「だって……」
    「大丈夫。菊ちゃんだったら。お前の気持ちをちゃんと分ってくれる」
    「うん」
      この気持ちを今言わないと後悔するよ、とフランシスに言われ、翌日、伝えるためどう告白するか考えていた。明日は休みだ。せっかくだから菊を部屋に招こう。
    「菊、明日俺の部屋で遊ばないか?」
     緊張していたので声が震えているかもしれない。
    「はい、いいですよ」
     ふわっとした花の様な菊の笑みに癒される。やはり菊は可愛い。
     次の日。午後の一時に菊が来た。
    「アーサーさんのお部屋、久しぶりです」
    「菊、俺はお前に伝えることがある」
    「はい」
    「好きだ」
     本心の。俺の素直な気持ち。何時も菊にツンデレと言われている俺を封印した。菊は少し驚いたようで目を見開いている。かと思えば顔を赤くし始めた。そして顔を俯かせた。
    「はい、私も……アーサーさんをお慕いしております」
     確かにこう言った。少し小さな声で。
    「菊っ!」
    「あ、アーサーさん……んんっ」
     無我夢中でキスをした。最初は触れるだけだったが、菊がもっと欲しくなり、気が付けば自分は菊の口の中に舌を入れていた。
    「んっはぁ、ん、んぅっ」
     菊の色っぽい声により理性が飛びそうだ。
    「菊、最後まで、いいか?」
    「はい……アーサーさん」
     俺達はこうして快楽に飲まれていった。                           終わり
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