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    ramenhaoishiyo

    @ramenhaoishiyo

    アイコン・ガオmaker 様

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    ramenhaoishiyo

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    ボツにしたカラオケに行く㍕主。書いてて何がなにやら分からなくなって行ったやつです……泣

    ㍕は蝋人形の館歌って変な空気にするといいよ。「二名様で、二時間のご利用ですね。お部屋は三階の三〇七号室になります。どうぞお楽しみくださいませ〜」
     今日、私とレムナンは、二人でカラオケなるお店に来ている。店員さんの明るい声を受けながら、私たちは三階へと向かうエレベーターに足を踏み入れた。

     きっかけとなったのは、しげみちから突然送られてきた一本の動画である。その動画の中央には、流行りのアップテンポな曲を熱唱するしげみちの姿があり、楽しそうに歌うしげみちの映像を何度も見ていたら、なんだか私まで歌いたくなってこうしてカラオケまで足を運んだのである。
    「娯楽、施設って、感じ……ですね」
    「レムナン、大丈夫?」
     しかし、緊張気味なレムナンを見ていると、なんだか本当に来てよかったのかと不安になって来る。彷徨っていたレムナンの視線が私とぶつかると、彼は引き攣った笑顔を見せた。
    「だ、大丈夫、です。ちょっと、どう、振る舞えば、いいのか……分から、なくて」
    「……本当に、無理しないでね」
     別に、私一人で来たって良かったし、むしろ最初は一人で行く気だったのだ。だけど、心配性なレムナンはこう無理をしてまで付いてきてしまったのである。
     正直、歌うのを見られるのは恥ずかしいから、出来れば一人の方が有り難かったのだけど……レムナンが私を心配してくれるのは素直に嬉しいし、それに、レムナンの歌を聞けるならそんな恥ずかしさなんてどうってことないだろう。と思って承諾したのだ。

     三階に辿り着き、指定された部屋のドアを開ける。すると、テレビから流れているであろう音楽が、ドアの隙間から大音量で漏れ出してきた。
    「ヒッ!」
     店内に流れる曲を遥かに超える大きな音に、レムナンは驚いて半歩後ろに下がってしまう。
     これは、前途多難だな。とつい笑いが溢れてしまった。おそらく、この世界でカラオケに対してここまで臆病になるのは私たちだけだろう。
    「大丈夫?」
    「……はい。は、入り、ましょう」
     部屋に足を踏み入れ、大音量を発するテレビに目を向ければ、しげみちが歌っていた曲のMVが流されている。画面の右下に“次世代カラオケオーディション課題曲”と記されているのを見て、私は初めてしげみちが参加するオーディションの名前を知ったのだった。
     レムナンは、部屋に入ると音から逃げるように部屋の隅に腰を下ろす。部屋を見渡してみれば、音はテレビからではなく天井に備え付けられたスピーカーから出ているようで、それは音が大きいはずだと納得した。とりあえず、あまりにも大きなテレビの音を下げようとリモコンを探す。
    「あれ、ない」
     見知った形のリモコンが一向に見当たらない。これではレムナンが音に驚いたままになってしまうだろう。私がリモコンを探しているのを見て、レムナンも机の上下、ソファの隙間などなど一緒に探していくが、とうとう見つかることはなかった。
    「もしかして……店員、さんに……言わないと、だめ、なんでしょうか。スピーカー、自体を、操作する必要が、ある……とか?」
    「あ……なるほど」
     レムナンに言われてようやく気がつく。テレビから音は出ていないし、音量は、テレビのリモコンでなく、スピーカー本体で操作する必要があるのかもしれない。壁に設置されている“お困りの際はこちらを押してください”というボタンを押せば、ボタン上のスピーカーから店員さんの声が聞こえてきた。
    『はい、こちらフロントです』
    「あ、すみません……あの、スピーカーの音量を下げて欲しいんですが……」
    『スピーカーの、音量ですか?』
    「? はい」
    『お部屋の音量でしょうか?』
    「はい」
    『あっ、はい……かしこまりました。お部屋にお伺いするので、少々お待ちください』
     ガチャリと音が途切れる。店員さんの妙な反応の理由が分からずレムナンと首を傾げれば、すぐにドアをノックする音が聞こえた。
     店員さんは部屋に入り、テレビの近くにあったタブレットを手にすると、私に見せるように持ち直す。
    「ここをタッチしていただいたら、音量の調節が出来ますので……」
    「えっ、リモコンとかスピーカーじゃないんですね……」
    「は、はい。画面の操作は全てこの端末で出来ますので」
     店員さんがあんな反応だった理由がわかった。カラオケ店では、この端末を利用するのが常識で、リモコンなんて探す客はいないのだ。
    「す、すみません。お手数おかけしました」
    「いえ……また何かあれば、呼んでください」
    「ありがとうございます」
     こいつらやばいな。みたいな表情を隠しきれてない店員さんを見送り、私とレムナンはタブレットに目を向ける。
    「結局、これ、どれが……テレビの、音量なんでしょうか……」
    「ミュージック音量、カラオケ音量、マイク音量、マイクエコー音量……なんで音量にこんなに種類が……?」
     とりあえず、と思ってミュージック音量を軽くいじってみるが、違いが感じられない。ならばとカラオケ音量もちょっといじってみるが、やはり違いがわからなかった。
     しかし、それを繰り返していると、ようやくテレビの音が小さくなったのを実感する。
     なるほど。二つを一緒に動かす必要があったのか。
    「カラオケって、初心者には難しいね」
    「ですね……」
     機械に詳しいレムナンも、さすがに初めて見る物の使い方は知らないようで、興味深そうに私の手元を眺めていた。
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    Replies from the creator

    ramenhaoishiyo

    PROGRESSまだまだピを模索中なので地の文もセリフも修正するけど、進捗あげることで頑張れる気がするのでとりあえずあげます、完全に2話目なので以前の短編見てないとなんのこっちゃ分かりません。
    ※猫姿なのでぬるいですが、ピにしもの世話される描写あり※生物だから仕方ないのだ※
    主人公が猫になるやつの続き ユウが猫になった翌々日も、俺たち乗客は総動員で彼女を捜索していた。LeViから告げられている「ユウの生体反応はある」という言葉に何とか士気を上げているものの、当然人間の姿で彼女が見つかるはずもない。初めは楽観視していたしげみちやSQも、三日間探してこれは只事ではないと気付き始めたようで、今では船内には重い空気が流れていた。
    「グノーシアの一件で、LeViの生体検知も馬鹿になったンじゃない?」
    「現実的に考えてみなよ。ユウは船から飛び降りたンでしょ」
     なんてラキオの発言に、セツではなく沙明が怒っていたのが何だか印象的であった。
     捜索の半ば、俺は一人で共同寝室に戻る。しげみち達が部屋にいる間は、迂闊にユウに話しかけることはできない。だから、あいつらが確実に出払う捜索時を狙って、俺は部屋に戻ることにしたのだ。
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