恋バナで好きな人被ってレムとミンが喧嘩してる話 とあるループの初日。一回目の会議が終わり、沙明さんの捨て身の土下座によってまだ誰もコールドスリープすらされていない船内は、グノーシアが潜伏しているというのにそれなりに賑やかであった。
「ん、おうレムナン! ちょっとこっち来いや!」
食堂で食事をとって部屋に戻ろうとした時、ソファに腰掛けている沙明さんに声を掛けられる。視線をそちらに向ければ、机を囲むようにして沙明さん、しげみちさん、シピさん、ジョナスさんが座っていた。
「……? 何か、用、ですか?」
訝しげに沙明さんを見つめてしまったからか、シピさんが彼を庇うように理由を説明してくれる。
「そんな警戒しなくて大丈夫だ。こんなに男たちが集まってんのも珍しいし、せっかくならみんなで一回話そうぜってなったんだよ」
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