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    ちゃっぱ

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    POIPOI 12

    ちゃっぱ

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    ※婚約後シリモニ
    漫画版(https://poipiku.com/3562500/10754752.html)の元プロット小説をもったいない精神であげておきます。
    途中で漫画で描こうと思ったので気合いがだんだん喪失している気がする。

    その傷を抱きしめて コンコン、と扉を叩いて名前を呼ぶ。
     部屋の中からは物音ひとつ聞こえてこない。

     モニカは魔術の仕事をしている時、やめ時を見失ってしまうことが多々ある。今日は肥料への魔力付与の分量やその影響についてぶつぶつと呟きながらひたすら紙に書き込んでいた。

     なかなか作業が終わらないので今日は泊まっていくようにハイオーン侯爵もとい父から勧められ、あれよあれよという間にモニカのハイオーン家でのお泊まりが決定したのである。

     父のニコニコというよりにやにやとしたふやけた顔がシリルにはくすぐったかった。婚約者であるモニカにシリルのことを聞きたくてたまらないようだ。渡りに船と言わんばかりにモニカに泊まるよう勧める父にシリルは顔を真っ赤にしておろおろする事しかできなかった。

     そろそろ夕食ができる頃だ。そわそわしている父に急かされて、シリルはモニカを呼びに部屋へ赴いたものの、返事がない。
     あてがわれた寝室でもずっと作業を続けているのだろうか。こうなると返事は期待できない。

    「モニカ、私だ。入るぞ」

     ガチャリと扉を開けて中へ入る。

    「あ」

     そこには半裸のモニカが立っていた。

     バタンと大きな音をたてて扉が閉まる。顔を真っ赤にしたシリルは額を扉にぶつけて冷静さを保とうとするがこの行動こそが冷静さの欠如であることに気がついていない。
     扉の中からはあうあうとモニカの奇声が聞こえてくる。

     再びしんと辺りが静まり返ってから改めてシリルは扉をノックする。

    「……どうぞ」

     シリルはそっと、それはもうじりじりとゆっくり扉を開けた。
     顔を真っ赤にして俯いたモニカはぷるぷると震えている。モニカはいつもの黒い魔術師のローブからゆったりとした白のワンピースに着替えていたようだ。

     それならそうと呼びかけた時に言ってくれ。相手が別の男だったらどうするんだ。白いワンピースがとても似合っていてかわいい。などなど言いたいことは山ほど出てくるがぐっと飲み込んでシリルは咳払いする。

    「夕飯の準備ができたので呼びに来た」

    「えっと…その…」

     シリルはじっとモニカのつむじを見つめた。ポツリと落とされた声には覇気がない。先ほどのことで動揺してるのかと思ったがそれにしては暗い声だ。

    「何かあったのか?」

    「ななっ、なんでもないです!」

     茶色い瞳がうろうろと彷徨う。
     ふわふわとレースが揺れる真っ白なワンピースは肩まで見えるデザインでモニカのほっそりとしたラインにボリュームのあるスカートがよく映えている。

    「かわいい」

     こぼれ落ちた声に思わず手を口元に当てるが後の祭りであった。

    「え?」

    「あっ、いや…そのワンピースが似合っていてかわいいなと」

     誤魔化すことでもないと思い直すものの、顔が熱くなっているのがわかり、シリルの口元がぐにゃりと歪む。

    「ありがとうございます」

     いつもは花が咲いたようにふにゃりと微笑むモニカだが困ったように眉を下げて笑う。

    「でも、やっぱりいつものローブに着替えようと思って」

     お返事できずにすみません、とモニカは頭を下げる。
     シリルは首を傾げた。
     小さいモニカの身長にもあったサイズで特に問題は見当たらない。子供っぽいモニカも少し大人びて見えるようで微笑ましい。確かにいつもの服装に比べて肌がよく見えるデザインではあるが。

     そこまで考えてはたと気がつく。表は鎖骨のあたりまでしっかりと布に覆われているが、先ほど一瞬扉の中が見えた時、背中のデザインは肌ががっつりと見えていたような気がする。


     つまりはそういうことなのだろう。


    ※※※


     シリルが扉を閉めて出ていくとモニカはふうと息をついた。

     婚約のお祝いに勝負服だと渡されていた服はずっとクローゼットの奥に眠っていたものだ。
     今日、泊まりになってシリルの父親と話をする機会があるかもしれないと思うとモニカは心臓がバクバクして昨日はなかなか眠れなかった。
     シリルに相応しい婚約者だと思われたい。そんな気持ちがむくむくと膨れ上がり、勝負服のことを思い出したのだ。

     代々貴族であるローズバーグ家の令嬢、メリッサ・ローズバーグが選んだものなら認めてもらえるかもしれない。そんな甘い誘惑にモニカは乗せられてしまった。
     意気込んで服を着て姿見を確認した時、モニカは愕然とした。

     背中の傷痕が見えてしまっている。

     モニカはこの傷痕のことを今の今まで存在を忘れてしまうほどに気にしたことがなかった。好きな人と両想いになって浮かれる毎日に傷のことなんてすっかり頭から抜け落ちていた。これでは婚約者に相応しいどころではない。
     ぼんやりと服を脱ぎかけたところでシリルが扉を開けて大騒ぎ、というわけである。

     晩餐にはいつもの黒いローブで行くしかない。
     シリルがワンピースのことを褒めてくれただけに、モニカは悔しくて、しわになるのも構わずにギュッとスカートを握り込む。

    (泣いちゃダメ、化粧が落ちちゃう)

     モニカが瞼を下ろすとほろりと涙がこぼれ落ちた。涙がつたう頬をふんわりとした感触が包みこむ。
     顔を上げると真剣な青い瞳がモニカを見つめていた。
     シリルは白いショールをモニカに羽織らせると胸元をブローチで留めようと悪戦苦闘しているようだ。ようやくかちりとブローチが留まるとシリルはふうと一息ついた。

    「クローディアの物を持ってきてもらった。今日は少し冷えるからな」

     ほっそりとした白い手がモニカの小さな手を引く。姿見の前までくるとモニカはぽっと頬を赤らめた。
     真っ白なワンピースと純白に一滴ミルクを落としたような薄いクリーム色のショールは見事に調和している。ワンポイントとしてつけられた青い宝石のブローチがランプの灯りできらめいた。

    (シリル様の色だ)

     モニカに勇気をくれるおまじない。鏡の中にそれはあった。

    「行くぞ。父上が待っている」

    「はい!」

     ぎゅっと繋いだ手を握りしめる。この高鳴る鼓動が、熱い体温が、少しでも伝わればいいな、なんて思いながら。



     
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    成蹊子

    DOODLEsummary:"都是明白人,这点谎言不去拆穿,不应该是基本礼仪吗?"

    炮友文学,批瘾发作半夜上头怒写一通,Cuntboy理。
    【砂理/r】今夜谁人坠入情网维里塔斯·拉帝奥第一次见到那个赌徒是在公司的酒会上。那时这男人尚未评上p46的职称,还是个初来乍到的新人,那张勾魂摄魄的脸年轻到甚至可以称之为稚嫩,还没有后来那么锋利的线条,只有那双独特的眼睛里闪着异样的光芒。后来他迅速地升职,这种场合他带着蜂蜜般的发色和橙胸绿鸠的眼睛穿过人群的窃窃私语从容而至,拉帝奥清楚那都是些什么样子的非议——下贱的茨岗尼亚奴隶,被判了死刑的罪犯,尸山血海里走出来的疯子——席间觥筹交错,看着那个小奴隶在一片纸醉金迷间得体地应酬着这群自诩文明社会人话间百转千回的讽刺,维利塔斯皱了皱眉。

    他不喜欢那家伙——尽管青年生着一张过于漂亮的脸蛋,金发的尤物,异域风情的甜心,他讨厌和他的交往与周旋,砂金讲话时那种拿腔做调的浓情蜜意让人有点恶心,拉帝奥的同事曾阴恻恻评价道这新人应该和打着绸缎蝴蝶结的哈巴狗待在一起摇头摆尾,乖乖做贵妇的玩物。然而拉帝奥更不喜欢的是他轻浮外表下隐藏的锐利,就像他粉色墨镜下那双妖冶的眼睛。真理医生有预感,当眼前笑眯眯的人收起伪装的随和,粉色紫色的迷人荧光水母随蔚蓝海潮褪去,原地只会留下深黑不见暗礁的灏溔域;犹如一个漩涡,海妖的歌声引诱着船只,稍有不慎就会粉身碎骨。
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