膝にかかえたこどもが興味深げにあたりを見回している。きらきらと目を輝かせて、近くにあるものを取ろうと手を伸ばしているこどもが落ちないように、丁寧に抱き留める。こどもが気になっていたものを代わりにとって渡してやれば、こどもは上機嫌に笑った。金の髪を撫で梳かして、まあるい頬にかじりつく。遊びだとでも思ったのか、こどもがきゃらきゃらと笑った。
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膝にのせたこどもはぺたりとくっついてきたまま離れない。周囲にまったく興味を持たない様子にすこし苦笑して、その黒い髪をなでた。途端気持ちよさげに目を細める。もっととねだるように手のひらに頭をおしつけてくるのを撫でまわす。ついでにこどものまあるいほっぺたを両手でむにむにとこねて、その額に口づけを落とす。くすぐったげにしつつ、まんざらでもなさそうな様子で子供が笑った。