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    朔月🌙

    @zGxGEklPM5KupM1
    思い付いたのをほんの少し書くだけ
    今のところアルトネリコ2パロオベぐだ♀だけやで

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    朔月🌙

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    アルトネリコ2パロのオベぐだ♀(3000文字超えた)
    謳う丘パロ書いている途中に降りてきたネタ。オベの性格がマイルドになってます。あと特徴が掴みきれていません
    謳う丘パロが完結もしくはこのパロ話需要があるのであれば書きます

    ##オベぐだ♀

    アルトネリコ2パロ オベぐだ♀*男性はレーヴァテイルになれない、ヒュムノスを歌えないのはわかっています
    ですがお願いします、少しだけ夢を見させてください
    *オベロン→インフェル、ぐだ♀→ネネシャに置き換えたものです
    *インフェルとネネシャは友愛ですが、これはオベぐだ♀なので恋愛にします
    *原作に沿っているのでぐだ♀は死んじゃいます
    *ゲームの内容うろ覚えで書いてます、あとアレンジしてます。すみません(ここ重要)
    *最近ちょっと資料読んだ。
    *年齢 3307年 立香→15歳 オベロン→16歳
    *このオベロンの外見は真っ白の方です
    *キャプションにも書かれていますがオベロンの性格がマイルドになっています。特徴が掴みきれていません
    *台詞、文章追加または修正が度々入ると思います。



    何故だ―
    俺の腕の中で輝きを喪った星が1つ。
    何故こうなった――
    「返事をしてくれ……立香」
    体を幾度揺らしても醒まさないきみ。
    俺の唯一が………奪われた。




    大地の消えた雲海にそびえ立つ1本の塔。
    その塔にしがみつくよう造られた人工大地に人々が住む世界メタ・ファルス。
    塔の動力が枯渇気味で大地が維持できず少しずつ崩落していくこの世界に俺は生まれた。

    そして今日―――

    「こんにちは。私は第14代目御子の立香、あなたの対の焔の御子。よろしくね」

    メタファリカ。終焉に向かう世界メタ・ファルスに生きる人々誰もが夢見る理想郷。
    御子とは新たな大地を生み出す詩魔法メタファリカを謳うことのできる者のこと、いや使命を持つ者のことだ。

    「……澪の御子オベロンだ、よろしく」


    3307年、これが俺の輝ける星との出逢いだった。


    **********


    立香は一言でいえば世間知らずだ。ぽやっとしていて鈍くさくてムカつく。で目が離せない。
    「オベロン!」
    廊下を歩いてる俺を見つけると嬉しそうに走ってくる姿はまるで犬のよう。そこまではいい。
    「おい廊下を走るな、また……」
    「うわっ!」
    「はぁ」
    転んだ。服の裾を踏んで転んだ。立香はよく躓くし転ぶんだ。
    この前は俺の部屋の大掃除の時。高く積み重なれた本が倒れて埋もれた。その前は街へ散歩に出掛けた時。風に帽子を飛ばされた。
    何?呪われてるの?と思うだろう。
    立香が何故躓いたり転んだりする頻度が多いのか、鈍くさいのか俺は知っている。けれど、学習能力ないの?
    いたた……と起き上がり俺を見てにこりと笑う。
    「一緒にお茶しよ!」
    そんな呑気な顔して腹が立つなあ。ああもう苛々する。が、ぶつけたのだろう赤くなった額が目に入り…ふっと小さく笑った。鈍くさいにもほどがある。
    「どうしたの」
    きょとんと首を傾げる立香に額のことを指摘すると顔を赤くした。何恥ずかしがってるんだ。
    「相変わらず間抜けだな」
    「まっ間抜けじゃないよ!」
    いや間抜けだろ。けれど今日は研究したい事がある。新しいヒュムノス律についてだ。
    「お誘いありがとう。けどごめんね、俺はきみと違って忙しんだ。悪いけどまたこ」
    「いこう!」
    「おい聞けよ」
    俺の台詞は立香の言葉によって遮られ、否応なしに手を引かれ彼女の部屋に連行される。
    そう、鈍くさいのになぜか行動力がある。こうなった立香は止まらない。何度も経験したからな。諦めが肝心だ。今日は研究の続きをしようと思ってたんだけどこれは予定変更だな。

    立香は生まれた時からこの大鐘堂で大切に育てられ、俺とは全く真逆な境遇。
    だが、一緒に過ごして分かった。俺と立香は境遇が似ている。
    俺は拾われた子で、立香は世界で最も尊い者として育てられた。だが、気軽に話せる奴はいなかった。
    だから必然的にすぐ仲良くなったし、いつも人前では"僕"って言うけど、立香しかいない時は"俺"って言うようになった。あと素も出すようになった。
    上の奴らから2人で想いを1つにしてメタファリカを謳えとか言われた時は冗談だろ反吐が出る。大胆不敵すぎるだろと思った。

    けど――

    「オベロン今日は別のクッキー焼いてみたんだよ、一緒に食べよう」

    立香となら謳えそうな気がする――

    「はあ?この前『苦味しかない殺人(未遂)珈琲クッキー(命名俺)』作ったのだれだっけ。また俺を殺す気なの?」
    「クルルクの実を使った料理作ろうか?」
    「あー立香のクッキーたのしみだなー」
    クルルクの実は勘弁。あれ無理、人間が食べるものじゃない。というかこの前のクッキーは本当に死人出そうだったからな。いやもはやクッキーではなく物体Xか。アレを貰った奴らは1週間寝込んだらしい。心の底から同情した。因みに俺は1日寝込んだ。



    隅には女の子らしいぬいぐるみが置かれたふわふわのベッドにクローゼット。中央にはソファーとテーブル鎮座している。白を基調としたシンプルな部屋なのにどこか温かみが感じられる。主の性格が反映されているからか。
    「紅茶淹れるから待ってて」
    部屋の主に遠慮なくソファーに座る。傍に置いてあるふかふかクッションは俺のお気に入りだ。
    「お待たせ」
    紅茶を淹れたティーカップ2つとティーポット、皿に乗せた今日焼いたクッキーをテーブルに置くと立香は俺の隣に座る。
    「いただきます」と薫り高い紅茶に口つける。
    うん、腹が立つけど美味しい。
    「で、これが今日焼いたクッキー?」
    皿の上には色とりどりの飴が使われた可愛らしい星形のクッキーが並べられている。普通だ、普通のクッキーだ。
    「ステンドグラスクッキーを焼いてみたんだ」
    「これちゃんと味見した?」
    前回の殺人クッキーの件があるからな、見た目に騙されてはいけない。
    「失礼な。ちゃんと味見したよ」
    味見もとい毒味したのなら安心だ。
    俺は手前にあった緑の星を手に取り1枚口にする。
    飴のぱりっとした食感にふわりと口に広がる知らない甘い香り。
    「これ何の味?」
    「それはメロンだね」
    赤は苺、黄色はレモン、橙色はオレンジ、紫は葡萄。
    「どう、美味しいでしょ」
    「ギリギリ食べられなくはないな」
    美味しいなんて絶対言ってやるもんか。けど、お前は俺の考えてることなんか分かるんだろうな。何故かって?そりゃぁ
    「ふふ、よかった」
    満足そうに顔をほころばせてたらな。
    立香の黄昏色の髪が窓から差し込む光に照らされて、ステンドグラスクッキーの飴のようにキラキラ輝いて見えた。
    でも気になることが1つ。
    「何でこの前のクッキーああなったの?」
    なぜ今回は成功したのか。純粋な疑問だ。
    「実は………………あの珈琲クッキーは調合料理で…ぺぺんべいを材料の1つとして使ったの。」
    こいつ今なんて言った?ぺぺんべい?あの味が薄くてくそ不味いやつ?……いやペペンの餌じゃないか!ふざけるな!!
    「はーあ??俺はペペンじゃないじゃないんですけど。人間の食べ物じゃないやつをよく使おうとおもったな!頭おかしいんじゃない?!いい医者紹介してやろうか?!」
    「あははー」
    「あははじゃない!」
    俺は立香の両頬を引っ張るようにおもいっきりつねった。痛い、ごめんなさいと謝ってくるが知らない。1日寝込んだせいで研究に遅れが出たんだ。反省しろ。



    そして3年後3310年メタファリカa版が完成された。


    **********


    3312年


    「あ"ーーーーーーーーっ!ほんっとに最悪だ!」
    手詰まり状態になった。あともう少しで出来上がるのに。いや出来上がってるんだけど。

    メタファリカを謳うのに必要なエネルギーは動力常に枯渇気味の塔にはない。使ってしまったら人工の大地はどこかしら落ちるだろう。それ以前にメタファリカは大地を創るという神の御業級の大規模な詩魔法だ。謳いきる以前に命を落とす。
    サーバーが塔という1つしかないのならもう1つ造ればいい。しかも膨大なエネルギーを生成できるやつ。
    メタファリカに必要なエネルギーを補い、焔の御子の力を補うため未完成だったインフェル・ピラを完成させた。流石、7年前インフェル・ピラ開発主導権握った俺天才。まぁそれまで基礎設計作ってくれた先人達がいたからできたんだけど。

    インフェル・ピラは分かりやすくいえば後押しのような存在だ。
    けど動力がなければ補うことができない。生成するには多くのレーヴァテイルが必要だ。インフェル・ピラのシステムを統括する権限(女王:クイーン(なんで男なのに女王なんだよ))を担った俺を始め7万人以上の適合のある者はインフェル・ピラのサーバーへすでに繋ぎ終えた。そして力を効率よく引き出すためI.P.Dレーヴァテイル専用のヒュムノス律『新約パスタリエ』を4年前に開発、プログラミングした。本当俺天才。
    これでエネルギー問題は解決……なわけない。
    インフェル・ピラには4つのモードがある。
    まず通常モード。ただのサーバー。
    モード・レプレキア。多くのI.P.D.レーヴァテイルの力を収束させて1つの詩を紡ぎ出すことのできるやつ。
    モード・メッセラ。これはハッキリ言って絶対使いたくない。
    で問題はこのモード・メタファリカ。名前の通りメタファリカ謳う時のやつ。これは他のモードとは違う。
    まず澪の御子が謳うヒュムノス。『METHOD_METAFALICA/.』。
    単独だとI.P.D.レーヴァテイル全員と"意識を共有"し、自分の想いを"見せる"だけ。しかしメタファリカ創造の時は違う。
    焔の御子が謳う『EXEC_METAFALICA/.』との合体をするのだ。
    この時澪の御子は民衆とI.P.Dレーヴァテイルの想いを集積。謳に必要な動力に変換し焔の御子へ貯蓄、供給。大地の心臓に必要な高レベルの精神体を造る役割を担う。
    この時民衆は対象ではないが、統括する俺の心の無意識下の本性、心の闇をI.P.D.レーヴァテイルに"覗かれる"ということ。『METHOD_METAFALICA/.』の効能の1つ"意識の共有"があるからな。
    他人に自分の心を知られるのはとてつもなく恐ろしい。それにI.P.Dレーヴァテイルにはデメリットが存在する。
    メタファリカのように強大なエネルギーを必要とする詩を謳う場合、エネルギーを生成するためにはレーヴァテイルの想いが必要。それは誰でもわかる当然の事。問題はこれ。それに対して承認、肯定が得られなかった場合エネルギーを得られない、生成して貰えない。
    けれど腹を括るしかない。そうしなければメタファリカ成功とか無理。……焔の御子は死ぬ。
    『EXEC_METAFALICA/.』は大地の心臓を創造し大陸を紡ぐ役割を持っている。が1人では動力と想いが足りず生命力を消費し、不完全な精神体を持った大地の心臓を有したものになってしまうのだから。
    7つのプロセスの③はとりあえず解決。
    で、今の問題は………

    「俺が造っておいてなんだけど!インフェルスフィア・プラトマイネ!」
    椅子に座っているオベロンは大量に積まれた本や資料が置かれた愛用の作業机を拳を握り力強く叩く。その振動で上に積まれた奴らは大きな音と共に倒れ、崩れ落ちた。
    メタファリカを謳うために必要なもの。これがホントに厳しい。立香と俺2人とも想いを1つにしなきゃいけないから。しかもものすごく強い絆が必要。詩魔法は想いが強ければ強いほど凄い魔法ができるからな。その理論を組み込んでこれを造ったんだけどな。
    「お互い全てをさらすとか………。」
    2人でコレが用意した精神世界にダイブしてお互いの過去、記憶、感情を理解し認め許し合い絆を深めるという代物。
    「あ"ーー…死にたい……。」
    とため息をついて作業机に突っ伏す。
    俺はあいつに――立香に恋愛感情を抱いている。
    今思うとあれは一目惚れだった。あの時彼女の顔を見た瞬間まるで時間が止まったかのように感じた。
    最初は興味だと思っていた。役目を押し付けられ生きてきた俺の灰色の世界にぽつんと色が現れたのだ。
    大鐘堂の殆どの奴らは俺が立香に片想いをしているのは知っているし、近しい間柄の奴らから裏で応援されてるのも知ってる。余計なお世話だ。少しでも意識してもらおうと一緒にベッドで寝ても、風呂に入っても駄目だった。この想いを伝えようとしても口から出るのは皮肉や揶揄いばかり。どうしても先に出てしまう。
    けれど俺にレーヴァテイルの大切な場所であるインストールポイント見せてくれた。今まで自分でやっていた延命剤の投与をしていた彼女。今では俺に任せてくれている(因みに俺も立香にインストールポイント見せたし延命剤投与も任せている)。心から信頼してくれている――それだけは分かる。だけど……
    「はぁ……」
    足りない。それだけじゃ足りない。
    「プー」
    「なんだよ。」
    「プープルッププー!!」
    「腹くくれってか?」
    「プープーラップー!」
    「はあぁぁぁ」
    さっきからプープーと大きな耳を翼のようにパタパタと器用に動かし俺の周りをフワフワ飛んでいる訳の分からない生き物。コレがインフェルスフィア・プラトマイネ。略して『スープ』と俺は呼んでいる。
    こいつの額に着いている翠の宝玉。これはインフェルスフィア・プラトマイネのシステムの結晶の一部だ。
    精神世界に入る時こいつを枕にして寝る―ダイブするんだが
    「プープップー。」
    「なっ潜ってくるな!」
    こいつは枕になるのが好きだ。自分から枕になりに来るほどに好きだ。因みに俺は意図して作った訳では無い。ということを言っておく。
    「はいはいわかったよ。枕になっておくれ。」
    「プープルップープー!」
    これは諦めた方が早い。その方が楽だ。――肌触りいい、気持ちいい。流石俺天才。ヤバい……寝そう……。
    「オベロン様!!!」
    荒々しく開いた扉の大きな音と焦りの色を含んだ声という最悪な朝のひばりに飛び起きた。スープも何事かとびっくりしてプープー鳴いてる。お陰で先程までの眠気は飛び去っていった。
    「なんだいペレドゥール。そんな乱暴に開けては扉が壊れてしまうし、大きな声も。はぁ耳が痛いじゃないか。」
    大きな鎧を纏った白髪の騎士――最悪な朝のひばりを呼んだ彼、ペレドゥール。大鐘堂の騎士の1人であり、この腐りきった大鐘堂の中で少しは信頼できる人物。これが彼に対する俺の評価。
    「もっ申し訳ありません…。」
    「それで。そんなに慌ててどうしたのかな?」
    「はい。立香様が――」
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