茜色に飾られる耳今日、僕はトウマに出会ってから、
現在に至るまでで一番
トウマの前で緊張しているかもしれない。
トウマの人柄もあるが、
トウマと出合い、告白されて付き合うことになった日から、
トウマの前で
トウマ自身に緊張と呼べる心理状態になったことは、
指で数えられるくらいしかない。
僕は、ここまでで何回
トウマの名前を連呼しただろうか?
シュミレーションは完璧なはずだ。
呼び出したこの場所に居れば、
トウマがきっと来る。
そしたら、
間髪入れずに言ってしまおう。
大丈夫だ。きっと…大丈夫なはずだ。
「壮五!待たせたな!」
「大丈夫、時間通りだよ。
トウマ。」
「で、俺に話したいことって?
なんか…電話貰った時も、
今も深刻そうな顔してっけど…
その相談相手、
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