Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    pagupagu14

    @pagupagu14

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 264

    pagupagu14

    ☆quiet follow

    四年分のラブレター/キスディノ(🍺🍕】
    https://twitter.com/pagupagu14/status/1373273751844843522?s=21の続きです。
    #ディノ・アルバーニ生誕祭2021
    #ディノ・アルバーニ誕生祭2021

    #キスディノ
    kissdino
    #ディノ・アルバーニ生誕祭2021
    #ディノ・アルバーニ誕生祭2021

    四年分のラブレター キスディノ
     「『桜の木の下には死体が眠っている』」
    「は?なんだそりゃ」
    「ジャパンで言われている言葉だ。だから桜は見事に咲くらしい」
    「へぇ…おかしなこと考える人間もいるもんだな」
    「でも、なんか怖くないか?それって」
    「怖いとか言う柄かよ、お前が」
    「キースひどい!」
    「ふっ…まあ、そうだな。ゾンビが出てきたりでもしたらたまったものではないからな」
    「ブラッドまで…」
    「まあ、そうなった時は守ってやるから安心しろ。ディノ」
    「ブラッド、てめぇ…」
    「なんだキース、言いたいことがあるなら言えばいい」
    「なんでもねぇよ〜」
    ***
    なんて、話をしたのはいつのことだっただろうか。桜が咲きだすといつもディノは花見をしに行こうと言ってじゃあ時期も近いのだからといつもディノの誕生日は花見を行くことが俺たちの間で恒例となっていた。
    それから、ディノが死んだと知らされ桜を見るたびブラッドのあの言葉が思い返されてならなかった。
    桜の木の下に死体が眠っているというのなら、こんなに同じような色の花を咲かせるのだからディノが下に埋まってやしないかと良いに任せて掘り起こそうとしてブラッドにしこたま怒られたこともある。それほど悪夢と思えるほど同じような色をしているのだ、この花は。だけれどディノの訃報を真実と認めるわけには行かなかった。だってあそこにお前は確かにいなかったのだから。
    「待ってろよ、ディノ」
    きっと取り戻してみせると誓ったのは俺の願望であり、誓いでもあったーー。
    ***
     「ああ、そうだ。忘れねえうちに渡しとくわ」
    「え?」
    そう言って渡したのはかなりの物量になる紙の束ーー否、手紙の束だった。
    「これ、なんだ?」
    「あーー…ちょっと気恥ずかしいんだけどよ……四年分のお前への手紙」
    「えっ」
    ディノが死んだと聞かされてから、俺はそれを信じることすら出来ずひたすらにディノに宛てた手紙を毎日書き綴っていた。手紙といっても日記のようなもので今日はこんなことがあった、だとか。ディノが好きだったあの店が閉店した、だとか。この前入った新しい店のピザ美味かったからお前も好きだと思う、だとか。そんなものばかりだった。ラブレターなんて名張のアカデミー時代、授業中に回してた手紙となんら変わりはない。けれどそれでも書き続けてこられたのはディノという存在があったから、他になかった。そして渡せなかったのはそれを成し遂げてしまった俺の愛の深さ、重さに自分自信若干引いてしまったからだった。
    「重いよな……悪ィ」
    そう言って俯いていた顔を上げると俺はギョッとさせた。だって、さっきも泣いていたディノが今もまた大粒の涙を溢していたのだから。
    「なっ、何で泣くんだよ〜!」
    「だって、嬉しくないはずがない…っ、熱烈なラブレターじゃないか…」
    「はぁ?」
    「…キースはこんなにも文字が多くなるほど俺のことを四年もの間、考えて、想って、忘れないでいてくれたんだろう?それだけで、俺の全てをあげても構わないって思えてくる」
    「ディノ…」
    「ありがとう。俺のことを忘れないでいてくれて、想っていてくれて…」
    涙を流す姿にディノが生きている、と改めて感じてしまう。地中にいたりなんてしない、あの桜はディノの血なんて吸ってはいない、と。
    「…おう」
    気恥ずかしさからか、それだけしか返せない俺は未だ涙を零すディノの涙をハンカチで押さえてやることしか出来ず、それが俺だと思うと嬉しさが勝るものだった。
    (もう、誰にも渡さねえよ。)
    サブスタンス、トリニティにも。他の誰にも。ディノ・アルバーニは絶対俺のものだと、俺が守っていくのだと心新たに誓いを立てていく。
    「…誕生日おめでとう、ディノ」
    「ありがとう、キース」
    何回目にもなる祝福の言葉を伝えるとふにゃりとディノは笑った。今日は、一年で一番、お前が幸せな日でありますようにと。願いながら。
    -Fin-
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    pagupagu14

    DONE四年分のラブレター/キスディノ(🍺🍕】
    https://twitter.com/pagupagu14/status/1373273751844843522?s=21の続きです。
    #ディノ・アルバーニ生誕祭2021
    #ディノ・アルバーニ誕生祭2021
    四年分のラブレター キスディノ
     「『桜の木の下には死体が眠っている』」
    「は?なんだそりゃ」
    「ジャパンで言われている言葉だ。だから桜は見事に咲くらしい」
    「へぇ…おかしなこと考える人間もいるもんだな」
    「でも、なんか怖くないか?それって」
    「怖いとか言う柄かよ、お前が」
    「キースひどい!」
    「ふっ…まあ、そうだな。ゾンビが出てきたりでもしたらたまったものではないからな」
    「ブラッドまで…」
    「まあ、そうなった時は守ってやるから安心しろ。ディノ」
    「ブラッド、てめぇ…」
    「なんだキース、言いたいことがあるなら言えばいい」
    「なんでもねぇよ〜」
    ***
    なんて、話をしたのはいつのことだっただろうか。桜が咲きだすといつもディノは花見をしに行こうと言ってじゃあ時期も近いのだからといつもディノの誕生日は花見を行くことが俺たちの間で恒例となっていた。
    それから、ディノが死んだと知らされ桜を見るたびブラッドのあの言葉が思い返されてならなかった。
    桜の木の下に死体が眠っているというのなら、こんなに同じような色の花を咲かせるのだからディノが下に埋まってやしないかと良いに任せて掘り起こそうとしてブ 1628