【現パロ】放課後デート 晋様との待ち合わせ。制服を着たまま待ち合わせ場所の広場で晋様を待つ。手鏡で髪型はおかしくないかと触っていたりそわそわと今か今かと晋様の登場を待ちわびていた。
そして――、
「雅!」
同じく晋様も制服姿のまま片手をあげて私の前に現れる。
「晋様!」
「悪かったね、遅れて」
「いえ、待っていません」
「…ふうん?まあ、そういうことにしておこうか」
きっと晋様は私がかなり前から待っていたことに気づいていたのだろう。そういって含みのある笑い方をする。そして私の手を引いた。
(わ…、)
内心驚きながら少し高い晋様の顔を盗み見る。
「誰かに声はかけられたりはしなかった?」
「していません。…こんな私に声をかける物好きなんていないでしょう」
「こら」
軽く晋様は私の額にデコピンをした。
「あう」
「君はいつも自分を卑下しすぎる嫌いがあるぞ。そこも美点ではあるとこではあるが…僕の大好きな君を自分自身で傷つけないでくれ」
「は、はい…」
なんて言ったらいいか分からず頷く。
「それにしても…、」
そして晋様は辺りに視線を移す。
「君自身が気づいていないというのもよくもあるし悪くもあるな」
「?」
「君は気づいていないだろうが見られていたんだぞ」
「見られ…?変だったとかそういうことですか?」
「ちーがーうー!そうじゃなくて、君が綺麗だから、みんな目を奪われてしまうのさ」
「そんなこと…!」
「ある!そんなことあるんだ!ああ、でも君が声をかけられる前でよかったな。いや、かけられていたとしても助けに入るしそれほど君は綺麗だという証明になるが」
自分自身では気づいていないことでだからこそびっくりしてしまう。
「あ、あの…し、晋様!」
「うん?」
「た、例え声をかけられたとしても私はきっぱりと断りますから!私が好きなのは…晋様だけですから!」
そういえば何故か晋様は笑いだす。
「へ、変なこといいましたか…?」
「いいや、最高だなって。やっぱり雅は最高だよ」
そう言って笑って晋様は私の唇を奪った。
「ひ、ひひ…人前ですよ!?」
「だからこそ、だろ。君は僕のものであると教えておかないと」
そして握る手を強める。
「さあて、じゃあ。放課後デートとしゃれこもうじゃないか!」
私と晋様は学校は違う。私は女子校で晋様は共学。それでも晋様が毎日のように私に会いに来てくれることが嬉しく、楽しそうな彼を追いかけるのだった。
-了-