Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    boo_pkmn

    @boo_pkmn
    表に出せないような落書きとか進捗とか

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💕 👏 💯 🙏
    POIPOI 48

    boo_pkmn

    ☆quiet follow

    過去の自分が個人的にワンライで書いてた24豪(聖)円
    放流しそこねていたのでいい機会と思い無修正であげときます。

    ***
    FFI ホイッスル 優勝 墓標 「もうやめよう」「私は豪炎寺ではない」

    ##INZM
    #豪円
    haoyen

    終わりの始まりホイッスルが鳴る。
    試合終了。世界で一番という称号を戴き、勝利に酔いしれる10も若き自分たち。
    その先に待ち受ける未来がまさか、あんなことになるなんてことも知らずに。
    あの頃はこのままずっと、サッカーを一緒にすることができると思い込んでいた。ずっと、永遠なんて言葉はないと自分自身がよく知っていたはずなのに。
    千宮司が自分にフィフスセクターの話を持ち込んできた時に一番最初に浮かんだのは彼のことだった。誰よりも自由を愛し、切磋琢磨する自己をぶつけ合うサッカーを愛する彼を、仲間たちを、こんな残酷な歪みに巻き込んではいけないと本能が告げていた。地位も名誉も自分を現すもの全てを捨ててまで、自分だけがこの事を知っているならば止めなくてはならない。あの頃、まだ純粋にサッカーを愛し、ボールを無我夢中で追いかけていた頃に差した闇を打ち払ってくれたサッカーに愛されしあの人を、守るためならば。喜んで悪魔とも手を組んだ。例えそれが、友に背を向ける結果になるとしても。
    そしてあの日、自由であるはずのサッカーを管理すると神前で誓ったあのとき、同時に彼が愛した炎のストライカーは死んでしまったのだ。

    そして、"私"はずっと待ち続けている。
    悪夢から生まれた"私"の心の臓を断罪してくれるであろう人を。
    全ての地位も名誉も投げ捨てて、サッカーを管理すると決めたあの日から。
    革命の風が起こり、そして大きくうねるその渦を率いるサッカーに愛されし神とも言うべき彼がいずれ来るであろうことはわかっていた。そしてまっすぐな彼のことだ。私のしていることが到底許せるものではなく、「なぜ」「どうしてお前が」と詰め寄ってくるのは予想できていた。だから彼を、彼にとって敵の大将でもある自分の前に通した。
    何も言わずに仲間の前から消えた。当然彼の前からも。
    嘘でも彼らと袂を分かつということを自分の口からはどうしても伝えることができなかった。"豪炎寺修也"で嘘はもうつきたくなかったのかもしれない。
    消えた時の姿をほぼ変わりなく彼は目の前に現れた。広間に現れるなり悠々を待つ自分を見るなり玉座の下から向けられる視線が一度は驚いたものになったが、次第に哀しみに彩られ、やっとのことで探し物を見つけたように目が細められた。こんな顔をさせたかったわけじゃない、とじくじく痛む胸は無視をした。

    「なあ豪炎寺、もうやめよう」

    こんな馬鹿なこと、と目の前の男は言う。きっとこの男は確信を持って「豪炎寺」と呼んでいる。だから諭す。誰よりも本当にしたいサッカーをできなかった「豪炎寺」だから、こんな全てを支配するようなやり方を強いていることを今でも信じたくないのだろう。だがもうそんな男はいないのだ。幾度もフィールドを焦がしたあの炎はとうに燃え尽きてしまった。だからもういつまでも亡霊に縋るのはやめるべきだ。だから、努めて冷静に何の感情も乗せずに、豪炎寺修也ではありえないほどの抑揚のない声でめいっぱい否定した。

    「私は豪炎寺ではない」

    そう、私はイシドシュウジ。
    炎など持たぬ、嘘で塗り固められた空っぽの存在。ただ使命を果たすことだけを生きる目的にしている。そんな生きているか死んでいるかもわからないような傀儡に希望を与えないでほしい。「豪炎寺ではない」と自分に言い聞かせるようにしなければ、すぐにでもその手をとってしまいそうで、死へと追いやったはずの炎がゆらりと揺らめきそうで、全てを捨ててまで成し遂げようとした決意が鈍ってしまいそうな気がして。信じられないものを見たような顔をする彼の人。それもそうだ、彼が伸ばしてくれた手を私は振り払ってしまったのだから。優しい仲間思いの、誰しもが頼りたくなってしまう頼もしい手を、まさかまた振り払う日がくるなんてFFIの優勝カップを笑い合って抱えていた俺たちは知る由もない。長い時間でできてしまった距離はこんなにも自分と彼を遠ざけてしまっている。

    「お帰り願おうか」
    「豪炎寺!」

    逃げるようにその場を後にしようとする自分の背を叩く彼の声はいつだってまっすぐだ。あの頃のように振り向きそうになる身体を叱咤して、愛しい彼を広間に残して自分はその部屋を去る。顔や声を感じただけで今の自分の立場を忘れて駆け寄りたい、本当のことを話したい。もう彼は台風の目にいるというのに今更取り繕っても意味などないのではないか。悪魔の囁きが一気に頭の中に流れ込んでくる。だがこうなってしまえばこれはもう意地だ。死なばもろとも、管理される世界を作り出した罪は全て俺があの悪魔と共に地獄へ持っていこう。
    ああ早く、頂上まで登ってこい。
    そして私の心臓を握りつぶしてほしい。
    長い間ひたすらに待ち望んでいた"俺"の悪夢の終わりの足音がいよいよ聞こえてきて、思わずごくりと大きく喉が鳴る。
    聖なる路の果て、暗く管理された世界の中、私と俺の墓標を抱えてお前に裁かれるその時をずっと待っているんだ。

    (2016/8/15 59:20)
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    boo_pkmn

    PAST過去の自分が個人的にワンライで書いてた京天
    これを機会に放流。

    ***
    イナギャラ後の京天がワームホールから円堂時代に迷い込んでキャラバンの迎えを待つといいつつ結局そのままFFI優勝までちゃっかりチームメイトでいるパラレルワールドの話がほしい
    円堂ちに居候してる京天のパラレルワールド
    何故か化身・ミキシ・ソウルは使えなくなっている
    SSくらいの軽い感覚で書いてる
    深く考えてはいけない
    伝説のステージ「勝っちゃった、ね」
    「ああ全くだ」

    FF優勝という勝利に沸くサッカーグラウンド。
    紙吹雪が舞うここは地上ではなく、空に浮かぶ要塞のようなスタジアムで。自分たちの時代にあったアマノミカドスタジアムと地上から離れた高いグラウンドでたたかうという点では同じだが、もしかしたらこの10年前の方がテクノロジーは発達していたのではないだろうか、と目の前の胴上げされている円堂を眺めながら松風天馬はぼんやり思った。
    遡ること1週間ほど前のこと。久しぶりにフェイたちと再会してイナズマタイムキャラバンでタイムワープするところまでは良かったものの、謎の不調によりこれまた何故か天馬と剣城だけがタイムキャラバンから振り落とされてしまうというアクシデントが起きてしまう。気が付けば10年前の円堂たちが中学生だった時代にまで戻ってしまったが、奇妙なことに天馬と剣城の存在は雷門中サッカー部の一員として既に受け入れられているパラレルワールドであった。タイムキャラバンが迎えにこない限りはこの世界から脱出することができないため、「迎えが来るまでいっそこの世界を楽しんじゃおう!」という天馬の提案に反対する理由もなく、天馬と剣城に課せられた設定に逆らうことなく雷門中のサッカー部1年として、口伝でしか聞いたことのなかった歴史の数々を二人は目の前にしている。なんだか妙な気分ではあったが、非常に気分が高揚した。と、まあ気付けばあれよあれよという間にFF優勝まで二人は雷門中サッカー部の一員としてたどり着いてしまった。10年前の雷門中のユニフォームを着たままで。
    1708

    boo_pkmn

    PAST過去の自分が個人的にワンライで書いてた豪円+京天
    放流しそこねていたのでいい機会と思い無修正であげときます。
    いろいろ考えたら負け。

    ***
    豪円が両親の夢を見る剣城(天馬と兄弟・優一さんは…?)
    名前呼び
    HR終わったあとに聖帝バレ
    「よくやったな二人とも」「父さんもおつかれさま!」
    最初を「夢を見た。」ではじめる夢を見た。
    かなり不思議でおかしな世界だった。
    夢は願望の現れというが、俺はそんな願望を持っていたのだろうか。

    ***

    剣城が目を開けると一面、耳が割れそうなほどのたくさんの歓声に囲まれてまずはじめに驚いた。
    色とりどりの紙吹雪が舞い、人々の歓喜の渦、チームメイトが、先輩が、顔も腕も足もそこらじゅう擦り傷だらけにして、それでいても嬉しい気持ちを隠しきれていない表情で天馬の許へ駆け寄っていく。
    この光景はいつか見たような気がする、どこだったか思い出せない。雷門のユニフォームを着たチームメイトが駆け寄っていく様をスローモーションでぼんやりと眺めながらふと視線を天馬へ持っていくと、彼の手にはいつの間にか光り輝くトロフィーが握られていた。ホーリーロードの優勝カップ。そうだ、この場面は。ここでようやく剣城は思い出した。ホーリーロードの決勝戦、全ての決着がついたあと表彰式でチームメイトに囲まれて勝利を分かち合う状況だ、とようやく事態を飲み込んだ時、目の前で天馬がチームメイトらに胴上げされ、これ以上ないほどに嬉しそうな彼の笑顔を見て剣城もまた思わず顔が綻ぶ。本当のサッカーを取り戻して「サッカーが喜んでいるよ、ね!剣城!」と真剣な顔で迫られたあの日が懐かしい。まだこんなにも鮮明に記憶は蘇り、かつ夢の中でまたこの幸せな時間を追体験できようとは。既に夢だと認知できている剣城はこの分だと目覚めは良さそうだ、と次の日の自分を考えることに夢中になっていて、天馬が駆け寄ってきていることに気がついていなかった。
    2829

    boo_pkmn

    PAST過去の自分が個人的にワンライで書いてた24豪(聖)円
    放流しそこねていたのでいい機会と思い無修正であげときます。

    ***
    FFI ホイッスル 優勝 墓標 「もうやめよう」「私は豪炎寺ではない」
    終わりの始まりホイッスルが鳴る。
    試合終了。世界で一番という称号を戴き、勝利に酔いしれる10も若き自分たち。
    その先に待ち受ける未来がまさか、あんなことになるなんてことも知らずに。
    あの頃はこのままずっと、サッカーを一緒にすることができると思い込んでいた。ずっと、永遠なんて言葉はないと自分自身がよく知っていたはずなのに。
    千宮司が自分にフィフスセクターの話を持ち込んできた時に一番最初に浮かんだのは彼のことだった。誰よりも自由を愛し、切磋琢磨する自己をぶつけ合うサッカーを愛する彼を、仲間たちを、こんな残酷な歪みに巻き込んではいけないと本能が告げていた。地位も名誉も自分を現すもの全てを捨ててまで、自分だけがこの事を知っているならば止めなくてはならない。あの頃、まだ純粋にサッカーを愛し、ボールを無我夢中で追いかけていた頃に差した闇を打ち払ってくれたサッカーに愛されしあの人を、守るためならば。喜んで悪魔とも手を組んだ。例えそれが、友に背を向ける結果になるとしても。
    2054

    related works

    recommended works