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    boo_pkmn

    @boo_pkmn
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    boo_pkmn

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    過去の自分が個人的にワンライで書いてた京天
    放流しそこねていたのでいい機会と思い無修正であげときます。

    ***
    沖縄に遊びに行く

    ##INZM
    #京天
    beijingSky

    ナツの呼び声「剣城、夏休みさ、おれと一緒に沖縄にいかない?」

    部活のない憂鬱なテスト期間が終わり、からっとした夏空が広がり始めたある日のこと、そう天馬に尋ねられて剣城は迷うことなく首を縦に振った。
    沖縄、というと天馬の故郷であり、剣城は一度でいいから予てより行ってみたいといという興味があった。相棒、パートナー、戦友、そして恋人でもある天馬への興味は尽きることはない。剣城が躊躇うことなく賛同してくれたことに嬉しくなったのか天馬は剣城の手をぎゅっと握り、思い切りぶんぶんと音がなるほどに上下に振り回した。力の加減を忘れているのか、思っているよりも強く握られた手を「痛い」と天馬に訴えると彼は慌てて手を離し、ごめんねとすぐに謝罪する。

    「おれ、友達と…剣城と沖縄行けるのすっごい嬉しい!」
    「ああ…俺も楽しみだ」

    また一つ天馬のことを知れるのかと思うと、剣城はらしくもなく身体がどうしようもほどに浮き立つのを感じた。

    ***

    「……暑い」
    「そりゃあ南国だもん」

    青い空に白い雲、火照った身体を撫でる風は夏を感じさせるほどに暑いもので。じりじりと肌が焼けるのを感じながら、南国の洗礼を真っ向から浴びせられている剣城。対して天馬は暑さなどどこ吹く風で、「早く早く!」と歩むスピードの遅い剣城を何メートル先から急かしていた。夏休みに入ってから二人で協力して(殆ど剣城が天馬の宿題を手伝った)宿題を急いで終わらせ、部活も休みになるお盆時期は沖縄で過ごすことにした。沖縄にいる間は(宿代が勿体無いと)天馬の家に剣城がお邪魔することに(勝手に)決まり、戦々恐々としていた剣城を他所に、息子が友達を実家に連れてきたことに喜んでいた天馬の両親とも挨拶をほどほどに済ませた。其の折、折角だから沖縄の海を満喫してきなさいよ、と天馬の母に二人共送り出されて、こうして家から近いビーチまで二人で歩いている道中なのだが。

    「剣城、暑さに弱そうだよね。その白い肌とか、焼けたら痛そう」
    「焼けても赤くなるだけなんだけどな」
    「もういっそミキシマックスして地黒になっておけばいいんじゃない?」
    「…効果あるのかそれ」
    「さあ…?」

    水着にパーカー、ビーチサンダルといういかにもな格好でぺたぺたとビーチまで続く道を歩いていく。道路の上から立ち上る蜃気楼が今日の暑さを物語っていて、また更に憂鬱になる。ぽたり、と首筋から垂れていく汗を剣城が拭ったところで、先を行く天馬が「あっ」と声をあげた。

    「どうした」
    「海だ!」

    足を止める天馬の隣に立ち、指をさす先へ視線を向けるとなるほど、美しく透き通ったエメラルドグリーンの海が視界いっぱいに広がっている。きらきら輝く水面の眩しさに呆気にとられている剣城の手をとり、天馬は浜辺へと一目散に駆け出す。転びそうになりながらも、天馬と一緒に並んで走っていること、こんな楽園のような場所が本当にあるのか、という現実が妙に剣城の胸を昂らせる。白い砂浜を一歩踏みしめる度にきゅっと鳴る音。パーカーも荷物も砂浜に脱ぎ捨てて、思い切り海へ向かって走った。

    「うひゃあ冷たっ!きもちいい~!」

    つないだ手はそのままに、ざぶざぶと音を立てながらどんどん二人の身体は海に沈んでいく。火照った身体にまとわり付く海の水はとても気持ちがよく、熱を逃すように穏やかな波に身を任せた。ぷかぷかとただ浮かんでいるだけだが、穏やかに静かに過ぎていく時間と空間が剣城の心を満たしていくようであった。隣で同じように浮かんでいる天馬は心底嬉しそうに笑って剣城を見つめていた。そのやさしい視線に剣城の心臓が小さく跳ねる。

    「ねえ剣城」
    「…何だ」
    「ちょっと潜ってみない?」
    「別に構わないが」

    少しだけ頬を染めて喜んでいる天馬を疑問に思ったが、彼は先に息を大きく吸い込んで潜っていってしまったので、疑問は置いておいて仕方なく追いかけることにする。ぽちゃん、と水面よりも深く身を沈めた先にあった世界は、なんとも言い難いこの世とは思えぬほどのうつくしい碧の世界が広がっていた。水面から差し込む光が海底まで照らし、珊瑚礁や色鮮やかな魚たちが目にはっきりと映る。まるで御伽噺にある竜宮城のようだ、と剣城は思った。そしてその城に棲むのはーー
    そこまで思考が至ると、ぐいと隣の天馬に両頬を固定されて彼の顔を向かされる。
    少々驚いたものの、「何だ」と声が出ない口の動きだけで伝えると、天馬はにこにこと笑っているだけ。伝わってないのか、と考え、どうしたものかと困っていると彼は剣城の右手を取り、身を寄せ、そして顔が近付いて距離がゼロになる。至近距離で見る天馬の瞳が海に差し込む光で反射して、海のような深い色に変化していくのが何故だかわかった。ああ好きだ、と剣城は素直にそう思う。その色を見ていたらどうしようもなく彼が愛おしくなって、気付けば天馬の唇に自分のそれを押し付けていた。
    無音であるはずのうつくしい水の世界で、夏が僕らを呼ぶ声を聞いてしまったせいなのかもしれない。


    (2016/8/17 +4:30オーバー)
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    boo_pkmn

    PAST過去の自分が個人的にワンライで書いてた京天
    これを機会に放流。

    ***
    イナギャラ後の京天がワームホールから円堂時代に迷い込んでキャラバンの迎えを待つといいつつ結局そのままFFI優勝までちゃっかりチームメイトでいるパラレルワールドの話がほしい
    円堂ちに居候してる京天のパラレルワールド
    何故か化身・ミキシ・ソウルは使えなくなっている
    SSくらいの軽い感覚で書いてる
    深く考えてはいけない
    伝説のステージ「勝っちゃった、ね」
    「ああ全くだ」

    FF優勝という勝利に沸くサッカーグラウンド。
    紙吹雪が舞うここは地上ではなく、空に浮かぶ要塞のようなスタジアムで。自分たちの時代にあったアマノミカドスタジアムと地上から離れた高いグラウンドでたたかうという点では同じだが、もしかしたらこの10年前の方がテクノロジーは発達していたのではないだろうか、と目の前の胴上げされている円堂を眺めながら松風天馬はぼんやり思った。
    遡ること1週間ほど前のこと。久しぶりにフェイたちと再会してイナズマタイムキャラバンでタイムワープするところまでは良かったものの、謎の不調によりこれまた何故か天馬と剣城だけがタイムキャラバンから振り落とされてしまうというアクシデントが起きてしまう。気が付けば10年前の円堂たちが中学生だった時代にまで戻ってしまったが、奇妙なことに天馬と剣城の存在は雷門中サッカー部の一員として既に受け入れられているパラレルワールドであった。タイムキャラバンが迎えにこない限りはこの世界から脱出することができないため、「迎えが来るまでいっそこの世界を楽しんじゃおう!」という天馬の提案に反対する理由もなく、天馬と剣城に課せられた設定に逆らうことなく雷門中のサッカー部1年として、口伝でしか聞いたことのなかった歴史の数々を二人は目の前にしている。なんだか妙な気分ではあったが、非常に気分が高揚した。と、まあ気付けばあれよあれよという間にFF優勝まで二人は雷門中サッカー部の一員としてたどり着いてしまった。10年前の雷門中のユニフォームを着たままで。
    1708

    boo_pkmn

    PAST過去の自分が個人的にワンライで書いてた豪円+京天
    放流しそこねていたのでいい機会と思い無修正であげときます。
    いろいろ考えたら負け。

    ***
    豪円が両親の夢を見る剣城(天馬と兄弟・優一さんは…?)
    名前呼び
    HR終わったあとに聖帝バレ
    「よくやったな二人とも」「父さんもおつかれさま!」
    最初を「夢を見た。」ではじめる夢を見た。
    かなり不思議でおかしな世界だった。
    夢は願望の現れというが、俺はそんな願望を持っていたのだろうか。

    ***

    剣城が目を開けると一面、耳が割れそうなほどのたくさんの歓声に囲まれてまずはじめに驚いた。
    色とりどりの紙吹雪が舞い、人々の歓喜の渦、チームメイトが、先輩が、顔も腕も足もそこらじゅう擦り傷だらけにして、それでいても嬉しい気持ちを隠しきれていない表情で天馬の許へ駆け寄っていく。
    この光景はいつか見たような気がする、どこだったか思い出せない。雷門のユニフォームを着たチームメイトが駆け寄っていく様をスローモーションでぼんやりと眺めながらふと視線を天馬へ持っていくと、彼の手にはいつの間にか光り輝くトロフィーが握られていた。ホーリーロードの優勝カップ。そうだ、この場面は。ここでようやく剣城は思い出した。ホーリーロードの決勝戦、全ての決着がついたあと表彰式でチームメイトに囲まれて勝利を分かち合う状況だ、とようやく事態を飲み込んだ時、目の前で天馬がチームメイトらに胴上げされ、これ以上ないほどに嬉しそうな彼の笑顔を見て剣城もまた思わず顔が綻ぶ。本当のサッカーを取り戻して「サッカーが喜んでいるよ、ね!剣城!」と真剣な顔で迫られたあの日が懐かしい。まだこんなにも鮮明に記憶は蘇り、かつ夢の中でまたこの幸せな時間を追体験できようとは。既に夢だと認知できている剣城はこの分だと目覚めは良さそうだ、と次の日の自分を考えることに夢中になっていて、天馬が駆け寄ってきていることに気がついていなかった。
    2829

    boo_pkmn

    PAST過去の自分が個人的にワンライで書いてた24豪(聖)円
    放流しそこねていたのでいい機会と思い無修正であげときます。

    ***
    FFI ホイッスル 優勝 墓標 「もうやめよう」「私は豪炎寺ではない」
    終わりの始まりホイッスルが鳴る。
    試合終了。世界で一番という称号を戴き、勝利に酔いしれる10も若き自分たち。
    その先に待ち受ける未来がまさか、あんなことになるなんてことも知らずに。
    あの頃はこのままずっと、サッカーを一緒にすることができると思い込んでいた。ずっと、永遠なんて言葉はないと自分自身がよく知っていたはずなのに。
    千宮司が自分にフィフスセクターの話を持ち込んできた時に一番最初に浮かんだのは彼のことだった。誰よりも自由を愛し、切磋琢磨する自己をぶつけ合うサッカーを愛する彼を、仲間たちを、こんな残酷な歪みに巻き込んではいけないと本能が告げていた。地位も名誉も自分を現すもの全てを捨ててまで、自分だけがこの事を知っているならば止めなくてはならない。あの頃、まだ純粋にサッカーを愛し、ボールを無我夢中で追いかけていた頃に差した闇を打ち払ってくれたサッカーに愛されしあの人を、守るためならば。喜んで悪魔とも手を組んだ。例えそれが、友に背を向ける結果になるとしても。
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