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    イメソンを拗らせた おさすな♀ 恋に落ちた

    例えばあの子は透明少女

    暑い空気を吸い込み熱を倍にした息を吐く
    上手く馴染まないボール
    やたらと眩しく感じる照明
    聞こえてくるのは暑苦しい掛け声
    耳につく黄色い歓声
    滴る汗 張り付く練習着 100%の不快
    ポンコツから浴びせられる怒声も全て
    夏のせいだと思った

    ピリ、と響く絶対零度の指示に大人しく退き
    今日はいつもより息苦しい体育館を呪った
    しゃがみこんで壁に頬を寄せた
    いくらか冷たい気がした

    ふと目に入った女子バレーボール部の練習に
    お遊びか、楽そうで羨ましいと最悪な感想が口から出て行った
    夏のせいで姿を見せた本性
    なんとなく、気づいたら口から出ていたと
    最悪を重ねて突き放す

    見覚えのある姿が目に入り 追った
    ひときわ目立つ長身 冷たそうな目線
    教室で目が合ったことは多分一度もない

    瞬間、ぶわ、と風が吹き彼女は飛んだ
    細く長い脚は軽快に地面を蹴る
    身体は良くしなって 腕は真っ直ぐに伸び
    まるで重力が存在しない
    怒声も歓声も熱も一瞬で全て奪われ透き通る空気
    彼女は透明の中にいた
    あるのはコートに叩きつけられたボールの、心地良い音だけ

    ミートの感触が自分と繋がり未だ汗ばむ掌を見る
    ただただ気持ちよさそうだ 
    上がる口角を抑えきれない 

    仲間の声に振り返る彼女
    涼しげに笑った口の中に見えた赤

    嘘みたいな赤色は
    やっと冷え始めた血液を再沸騰させて
    鬱陶しかった天井を輝かせた
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    hq_inrsr

    MEMO北侑♀
    北さん高3、侑高2の時に付き合い始めた2人。
    始まりは侑の片思いで、猛アタックの結果「学業と部活を疎かにしないこと」を条件にお付き合いが始まった。
    侑は気が強く破天荒だが美人、バレーの実力もあり男女共にファンも多く、スクールカースト上位の運動部男子と付き合っては「おもんない」とすぐに別れていた。一方北さんはバレー部男子主将としてそれなりにモテてはいたが「付き合うとかそういうのとちゃうねんな〜」枠で、未だ女性とお付き合いをしたことがなかった。
    お互い面識はあったものの深い関わりはなく、男バレの後輩を叱る姿を多く見かけたことと、自分も過去に怒られたことがあり侑は北さんのことが苦手だった。その後なんやかんやあって北さんに惚れてしまった侑、意識した途端今までの素行を改めて北さんに猛アタック。しかし急に良い子になれることもなく悶々とする。ある時女子の試合を見にきた男子バレー部、北さんがおる!といつもより張り切るも負けてしまう。悔しくて1人人気のないところで泣いていると北さんが声をかけてくれる。「残念やったな、でもええプレーやったと思うで」普段北さんの前で猫を被っていた侑、はじめて北さんの前で本音を晒す。「でも、結果が全てなんです。負けたら意味ないです。勝ち以外要らん」フフッ、と笑う北さん。「何がおもろいんですか」「いや、最近やたら大人しいええ子になったなと思とったけど、やっぱり侑やなぁ」はじめて見た北さんの笑顔に涙も止まる。
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