9最近、よく眠るようになった気がする。
ふと意識が浮上した。
ガイアはベッドから起き上がり、窓の方へ足を一歩踏み出したが、バランスが取れずベッドに逆戻りする。
高級そうなスプリングはなんの音も立てず、ガイアを迎え入れてくれた。
自分の終わりはきっと近いのだろう。そう漠然と考える。
結局、ガイアはディルックから離れることができなかった。本当は離れることがディルックのためだとわかっているのに、足が上手く動かないことを理由に、最後まで此処にいてしまった。
ディルックのことを大切に、本当に大切に想っているのに、結局自分の独りが寂しいという気持ちを優先してしまった。
散々このままじゃいけないって焦ったくせにこのザマか、と独りごちる。
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