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    しゃけ

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    しゃけ

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    ※ここからは呪鬼本編後の話になります。先に呪鬼を閲覧する事を強く推奨します。
    見たと言う方はどうぞ。

    第一章 第五話「終点」あぁ。何で?どうして逃してしまったんだろう?何で妨害出来なかったんだろう?何で、殺せなかったんだろう?
    "館から無条件に解放できるのは50人まで。それ以上解放すると徐々に力が弱まって、果てには何も残さず消滅する。"
    微かに残る爺やの言葉を思い出す。噂を広める為に何十人も解放した。流石にもう無理だった。消滅は免れない。せめて、外に出てみたかったな。彼らは仲間の一人を犠牲にして脱出した。彼らにとってはGame clear。僕にとってはGame Over。何だろう。何だか心が楽になったようだ。これで殺さなくても良い。楽になれる。そんな感情が少しだけある。消えてしまうなら、最後ぐらい我儘言っても許されるよね。生贄になったあの人に外の世界の話をしてもらおう。話してくれなくてもいい。ただそばにいてほしい。あっ!だったら早く治療しないと。せっかくの最後の人間に死なれたら困るんだよ。でも僕はどんな姿だっけ?あの刑事と看守に撃たれた時に、ちょっと身体が邪魔だと感じたから館に同化していた。その時に自分の姿を覚えていれば元に戻れる魔術をかけたんだけど、まぁ良いか。この人の姿を借りよう。そして、この人の服装は来た時に戻そう。


    とりあえず汚れてない部屋に運んで傷のところは包帯巻いたけど。まだ起きないよね。お粥作るか。卵のお粥で良いよね。よし。キッチン行こ。

    (作成中)

    出来た。初めて作ったにしては上出来だと思う。早く持っていこう。あ、水もちゃんと持っていかないと。

    彼の寝ている部屋に音を立てずに入る。まだ起きてないよね。当たり前か。斬られてから六時間しか経ってないし。暇だから窓の外でも眺めよ。窓の外には一生近くで見る事が出来ない草花がのびのびと太陽の光を浴びていた。あぁ。僕もあんな事してみたかったな。解放の代償の影響でそんな事は叶わない。でも、あそこに思いっきり寝転んで、あの草花みたいに太陽をいっぱい浴びながら寝てみたかった。僕は彼の隣のベットで体育座りをして顔を埋めていた。何で病気だったんだろう。何で鬼になってしまったんだろう。何で友達がいないんだろう。何で、独りぼっちなんだろう。今まで押し殺してきた感情の蓋が少しずつ開き始めた。悔しい。悲しい。寂しい。誰か、助けて欲しかった。


    ロボロside
    「ひっぐ、、、、ぐす、、、、」
    誰かの泣く声がする。誰やろ?あの四人で泣く奴なんておらんけど。そうだ。あいつらはちゃんと脱出できたんかな?俺を斬って、外に出ていくところまでは覚えている。斬られた感覚も、それに伴う痛みも。だとしたら死んでいてもおかしくはない。でも今みたいに聴覚は機能している。だとしたら死んでいない?何でや?あの状況だと死んでいてもおかしくはない。あぁ、瞼が開きそうだ。
    目を開けると知っている天井があった。最初にあの執事に案内された部屋で見た天井。なんでまた見てるんや?手の感覚もある。柔らかい?じゃあベットの上かここ?それにちゃんと首も動く。それじゃあ、さっきから聞こえている泣き声の音源の方を向きますか。
    「っ!?」
    そこには〈俺〉がいた。正確には〈俺の姿をした誰か〉なんやど。いや少し俺より小さいな。そいつは向かいのベットに腰掛けて顔を埋めて泣いていた。誰やこいつ?この館に俺らと執事以外の人間がおったんか?そもそもこいつは人間か?あの執事が違うとしたらこいつがグルッペンが捜索してこいって無茶言った失踪事件の黒幕か?考えても分からんし、とりあえず話しかけてみるか。
    「おい。」
    「っ!?……あぁ、起きたんだね。」
    話しかけたらこいつはすぐに振り向いた。その姿はこの館で逃げ続けていた俺そのものだった。でも眼の色が違った。俺は両眼は躑躅色だがこいつは違う。俺から見て左が緋色、右が躑躅色だった。だけどこいつの眼には光がなかった。何もかも諦めたような眼。俺はこの眼を知っている。昔の俺だ。でも、俺はあいつに救われた。だとしたら目の前にいるこいつにも、救われるチャンスがあるのでは?あの時のように。
    「気分はどう?まぁ起きられないだろうけど。」
    「せやな。なんで俺は生きてるんやろな?あの時確かに斬られたはずなんやけど。何か知らん?」
    救うにしても情報収集の為にとりあえず返事をしておく。こいつは何者で何の目的で俺を生かしたのか、それだけは聞かなあかん。
    「そうだな。その問いに答えるとするなら、僕が生かした、と言えばいいのかな?」
    「何でや?さっさと喰えばええやろ。あんさんの主食は俺達なんやし。」
    色んな部屋に落ちていた誰かさんの日記にも書いてあったが、鬼は人の肉を喰らう。だとしたら既に俺の身体を喰っていてもおかしくない。
    「、、、僕は君達のおかげで消滅する。消滅するなら残りの数日を有意義に過ごしたい。だから僕にとって知りたい事を知っている君を生かしただけ。」
    「何や?俺が知っている事なんか別に役に立たへんよ。」
    「知ってるよ。絶対に。」
    そんな断言するような情報なんて持ってたか俺?
    「で、何が知りたいん?」
    「外について。」
    「は?」
    こいつは何を言ってるんだ?外について?それってこの館の外、つまりこの国及び俺らの国についてか?
    「僕は生まれてから一度も外に出た事が無い。加えてこうやって他人と喋った事もあまり無い。だから教えてほしい。君の住んでいる国がどういう感じで、外はどういうものなのか。」
    一度も外に出た事が無い。そんな奴おるんか?いや、そんな奴がおるからこいつがいるのか。でもなんで出た事ないんやろ?生まれつきの病気か欠陥か?まぁそんな事は後で考えるか。
    「君ちゃう。」
    「?」
    「俺の名前はロボロや。」
    「、、、そう。ロボロさん、外の世界について色々聞かせてくれる?」
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    しゃけ

    DONE※ここからは呪鬼本編後の話になります。先に呪鬼を閲覧する事を強く推奨します。
    見たと言う方はどうぞ。
    第一章 第五話「終点」あぁ。何で?どうして逃してしまったんだろう?何で妨害出来なかったんだろう?何で、殺せなかったんだろう?
    "館から無条件に解放できるのは50人まで。それ以上解放すると徐々に力が弱まって、果てには何も残さず消滅する。"
    微かに残る爺やの言葉を思い出す。噂を広める為に何十人も解放した。流石にもう無理だった。消滅は免れない。せめて、外に出てみたかったな。彼らは仲間の一人を犠牲にして脱出した。彼らにとってはGame clear。僕にとってはGame Over。何だろう。何だか心が楽になったようだ。これで殺さなくても良い。楽になれる。そんな感情が少しだけある。消えてしまうなら、最後ぐらい我儘言っても許されるよね。生贄になったあの人に外の世界の話をしてもらおう。話してくれなくてもいい。ただそばにいてほしい。あっ!だったら早く治療しないと。せっかくの最後の人間に死なれたら困るんだよ。でも僕はどんな姿だっけ?あの刑事と看守に撃たれた時に、ちょっと身体が邪魔だと感じたから館に同化していた。その時に自分の姿を覚えていれば元に戻れる魔術をかけたんだけど、まぁ良いか。この人の姿を借りよう。そして、この人の服装は来た時に戻そう。
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    しゃけ

    DONE彼らが来ます。ここから先軍パロです。
    シックザール
    第一章 第四話「平常」今日はいつもと違う事をしたいから僕の一日を書いていこうと思う。まず大体日の出と共に起床。そして紅茶を入れる。今日はアールグレイにしよう。そうして朝のルーティーンを終わらせたら来客が来るまで図書室に入り浸る。ここにある本は読みきれない。だってこの館で死んでいった人間の記憶が本としてここに存在しているから。だから読み終えれない。僕が人を殺し続ける限り、本も棚も図書室の面積も増え続ける。だから僕の知識欲はこれだけで満たされる。ここの本を有効活用して色々な事を知った。
    国名、建造物、畜産、農業、漁業、政治、法律。あとは様々な学問、食事、衣料、機械、医療。でもそれは僕には無縁で無価値なもの。僕の興味が惹かれたのは宗教、人身売買、戦争、武器、飢饉、災害、身分格差、強姦及び性行為。そういう汚くて醜くてドロドロしている方が僕の好みだった。その情報を元に二桁程度人間を生かしてデスゲームを開催した。全員殺すけど。男女の割合が非対称だったら館中に人間にしか効果がない媚薬を撒いたりして、欲望に抗えない人間達を観察した。たまに様々な蟲の毒を抽出したり、薬品の化合物を使って遊んだりもした。
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