某薔薇と美術館のパロな新茶ぐだ♀赤い薔薇を一輪とお気に入りのレースのハンカチを持って摩訶不思議な美術館を立香は進んでいく。薔薇の花弁が落ちる度に、鋭い痛みが走るので動く美術品から隠れながら進む。進んでいけばうつ伏せに倒れている人がいた。
「あの……?」
声をかけるが反応はない。小さくうめき声が立香よりもずっと年上の男の人だ。辺りに青い花弁が何枚か落ちている。しかし薔薇を持っていない。
「もしもし……大丈夫ですか?」
もう一度声をかけるがやっぱり反応はなくて。手に持ってキラリと光る鍵があった。
(そういえば鍵がかかっていた部屋があったかも)
道中に鍵がかかっている部屋を思い出す。申し訳ないなと思いながらも握っていた鍵を抜き取った。
「いやぁ助かったヨ。お嬢さん」
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