箱庭-この箱庭の傍観者は何を思うか-
フェイス・ビームスはその日トレーニングが終わりまだ自主練をすると言うジュニアに程々にね、と残し自室に帰る途中だった
ふと横目に見た談話室であからさまに悩んでますといった、どんよりとしたオーラを出している同期のグレイ・リヴァースを見つける。
「……はぁぁ…」
「……、しょうがないな」
面倒事は避けたいフェイスだが、6つも年上なのに放っておけない雰囲気を持つグレイを見かけると毎回なんだかんだ話しかけてしまう
「グレイ?」
「ひゃっ!?…え、ぁ、ふぇ、フェイスくん…っ!」
「アハ、どーも。どうしたの?こんな所で溜息なんてついて」
後ろから名前を呼ぶとビクリっと肩を跳ねさせながら後ろを振り向くグレイの小動物のような仕草にくすりと笑いつつ、落ち込んでいる理由を聞いてみるとグレイはえっと…っと言いづらそうに口ごもってしまう。
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