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    bumilesson

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    フォロワーの柊朱音さん@hiiragi_syuin
    のリクエストの「ずっとチュッチュしてるエク霊」です。柊さんリクエストありがとうございました!
    久々のエク霊楽しかったです❤️

    #エク霊
    EkuRei

    どうもそういう呪いの名を愛と呼ぶらしい「本当いつまで続くんだこれ…モブの教育に悪すぎる…」
    「芹沢が修学旅行から帰るの待つか呪いが解けるかしかねえ…俺様にどうにかできるならとっくにやってる」
     霊幻の文句に被せるように悪霊が言葉を返す。霊幻はスーツ姿のエクボの膝の上に乗せられる形となり事務所の椅子から離れられない。不自由な体勢に体を無意識に浮かせてしまう。
    「あっ、バカまたお前」
    「ん〜〜!もう何なんだよこれ‼︎」
     ネオジウム磁石でもここまで強い力で引き寄せられる事もないくらいの勢いでエクボと霊幻の唇が重なる。もう数えるのも諦めた。全くとんでもない呪いを引き寄せてしまったものだ、と霊幻は机の上に置かれた白木の箱に視線を移し、恨めしそうに睨みつけるがそんな事をしたからと言って呪いが解除できるわけもない。
     悪い事は重なるもので芹沢は学校行事で明日まで不在、エクボが間一髪で蓋を閉じたおかげで外に漏れる事はなかったが霊幻の悪運の強さが本物を引き寄せてしまった。
    「もう唇ふやける」
    「俺様口かっさかさだ」
     曰く、離れると死ぬ。体のどこかがくっついていないと反作用で強力な災いが噴き出す仕様の上、強制的にその場に居たもの同士を重ね合わせる力を持っていた。ドアは完全に閉じられ、二人は密室の中で互いの体を密着させる事になった。
     故にこうしてエクボと霊幻は絶えずキスをする羽目になってたいた。離れたら自動で引き寄せられ唇が合わさるという状態がもう数時間続いている。エクボの力でも引き剥がせない呪いは二人から抵抗を奪っていた。
    文字通り昼夜なくキスを続けている。と言っても互いの唇が触れ合うのは一瞬でそれが数分おきに続く。キスとは言えど単なる身体の接触と同義なそれはエクボにも霊幻にも情緒を育む事はなく、ただひたすら迷惑な呪いの解除法を考える。しかし少しでも身体が離れようとするとまたくっついてしまう為、どうする事もできない。
     チュチュチュ、とこれでは小鳥の啄みのようなものだが色気も何もあったものじゃない。
     霊幻がため息をついた瞬間、また唇が触れ合う。乾いてかさついた唇。依代となっている吉岡も今の事情を知ったら顔を青ざめさせる事だろうが、今意識を持っているのはエクボなのでキスの感触も温度もエクボ自身が感じている。薄い唇は皮が剥け始めていた。
    「幸いまだトイレは我慢できそうだけどな…。エクボは重いよな」
    「仕方ねえ。しかし忌々しい。愛の呪い?ふざけんなってな」
    忌々しいと言いながらまた唇が軽やかに触れ合う。キスが愛の営みの一つというのならこれは迷惑極まりない呪いだ。
    「この手の呪いの解除法って何がある」
     霊幻の問いにエクボの細い眉がしなる。目の下に刻まれた皺も疲労からか濃い影を心なしか落としているようだ。
    「まあ人を殺す無差別の呪いの類というよりは、願いが成就されなかった事に対する恨みがトリガーになるタイプだな。成仏と同じパターンだとは思うが願いを叶えれば消滅はするだろ」
    「じゃあその願いって何だよ!」
    「俺様がわかるか‼︎」
     こうした問答が何度繰り返されたことか。出口は今だに見えず、明日まで帰らない芹沢を待つのは現実的ではない。
    「…試すか」
     霊幻の低い声にエクボが何かを察する。更に眉間には深い皺が刻まれた。
    「エク、口こっち」
    「ああん⁇」
    「フリだけでも本気で愛の成就とやらをやれば気が済むだろ」
    霊幻がエクボのネクタイを引き寄せ自分から唇を近づける。呪いからのものではなく、自発的なものだった。触れ合うだけの児戯にも似たキスではなく、時間を掛けて重ね合わせる圧を強める。弾力があり柔らかい唇がエクボの上にある。
    「本気がそれかよ」
    「フリだけでもいいだろ…!」
     霊幻の言葉を再び遮り、今度はエクボがキスを仕掛ける。触れていただけの唇の奥にある薄い舌が霊幻の舌を捉え、絡みついた。金茶の髪を強引に引き寄せ、角度を変えた唇は濡れた音を立てて離れ、また近づく。逃げようとする腰を左腕で押さえつけ、噛み付くような勢いのキスを交わす。
    息継ぎの仕方を忘れたように霊幻の胸が上下する。閉じられる事のなかった目が閉じ、霊幻が激しいキスを受け入れてゆく。
     あからさまな情交の香りを漂わせる本気のキス。悪霊は霊幻を喰らうかの勢いで唇を奪いにきていた。絡んで縺れた舌が離れることを惜しむように交雑する。ぴちゃり、と濡れた水音が生々しく霊幻の脳に直に響いてきた。背筋を這い上がる感覚は久しく味わった事がないもので、脳を溶かしてゆく。
    「あ、う、ふぅ、エク、フリだけ、って」
    「本気でやらなきゃ呪いなんざ解けねえ。お前さんそんな事も分からないか?」
     離れた唇が耳元に寄せられ、ゾクリ、と霊幻の背を氷が触れたかのような怖気が走る。依代の声ではないエクボの本気が込められたバリトンが、霊幻の耳を焼きあからさまな快楽を呼んだ。小さく、だが確実に甘い声をあげるその姿を見てエクボの口端が吊り上がる。
    「愛の呪いか。どっちも本気で互いに成就しなきゃ解けねえよ」
    「エ、エク、」
    膝の上に置かれた不自由な体勢のままエクボを見上げる霊幻の目には涙が浮かんでいた。恐怖からではなく、身体の感覚が昂り鋭くなった証だった。更に押し付けられる太腿は熱を帯び、スラックスは緩く盛り上がっている。それを恥ずかしいと思う以上に高められた身体を霊幻は持て余す。
    「本気になったか?」
    エクボの耳元で寄せる声に霊幻は陥落し、力無く首を落とす。ワイシャツの襟の奥から覗く長い首は薄紅に染まっていた。霊幻の減らず口しか叩かない口は閉じられ、続きを求める。
    「続きは」
    霊幻は答えない。だが小さく首を縦に振る。
    密着した体が更に隙間なく重なり合いキスの先の続きを求める。
    その瞬間、事務所のドアの鍵が開いた事に二人はまだ気づいていなかった。
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