白のプレリュード⑤(完結) side - 三ツ谷 隆「肉料理って、白も結構合うんだな」
三ツ谷はそう言いながら、淡いイエローゴールドの液体を口に運ぶ。
脂っぽい肉に酸味のある白は想像以上に噛み合っていて、ついつい飲むペースは上がった。
「だよね、オレも、これすげぇ美味しいって思ったんだ」
「うん、悪くないんじゃない」
弟妹の反応も悪くないようで、三ツ谷は隣の恋人を見上げ、笑みを添えながら小首を傾げる。
「大寿くん、ちゃんと八戒の好み当てられるのすげぇじゃん」
「八戒は、ちゃんとワインのアロマを嗅ぎ分けられてたからな。香りの好き嫌いが把握できれば、選ぶのは簡単だ。テメェと違って、ワインを嗜むセンスがある」
「なぁ、一言多くねぇ?!」
弟をべた褒めするところまでは良い。けれど最後の一言は、どうにも釈然としなかった。
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